自家育成した苗はすぐに根づいて元気だ
タマネギの苗を11月上旬に植えつけてからひと月がたった。この時季にきちんと根づいていないといけない。周辺の菜園を見て回ると、ことしもいつもの年とかわらない光景だ。自家育成した苗を使ったところはうまくいっているし、ホームセンターなどで買った苗を植えつけたところは苦労している。
まずはわが方。自家育成した苗を500本植えつけた。そのなかで早々に1本が根元から食いちぎられて倒伏した。土の中に潜んでいた幼虫の仕業とわかる。すぐに予備苗で補充した。500本のうち“事故”はこの1本だけだった。いますべてが根づいている。
自家苗を使うと、これまでの経験からすぐに根付くことはわかっていてもこれでひと安心。だからこそ苗の自家育成にこだわっている。根づかないで枯れるということはまずない。予備苗の出番はこの一本だけで100本ほどの苗が残った。捨てるわけにはいかないからこれも植えつけた。
一方、ホームセンターで苗を買ったひとたちは明暗が分かれた。たいがいはなかなか根づかないで苦労している。いい苗を手に入れたのは周辺を見る限り極めて少ない。
知り合いの農家の人が言った。
「近所の人が買ってきたのは髪の毛のような細さだった」
言い得て妙だ。全般にか細い。かつては市販のだってこんなに細くはなかった。年々細くなる傾向にある。需要に供給が間に合わなく、育苗期間が短いのを出荷せざるを得ないのか。
その結果、多く見かけるのは、植えつけたはいいが根づかないで、いつの間にか枯れて苗の姿が消えてしまうことだ。全滅に近い人もいれば、あちこち欠けているのもある。状態は様々でも、いま現在の生育の状態は悪い。
対応は当然ながら2つに分かれる。新たに買い求めて再度植えつけたひと。再度植えつけたいのだが苗がもう手に入らなくあきらめたひと。
この苦労はよくわかる。苗を自家育成する前はそうだったからだ。毎年同じ心配をするのはたまったものではない。それならと自家育成に精を出すようになった。なんども書くがこれがむずかしかった。試行錯誤でこの数年はなんとかうまくいっている。しかし来年も確実にできるという自信はいまもない。たまたまうまくいっているだけだと思って、毎年心してかかる。