30坪+20坪の菜園

BIG FARMの農事日誌です。

トウガラシはほんの少しで足りるのだが

2015-11-03 | 下仁田ネギ

朝起きてヒゲを剃るたび鏡に映る顔を見て、年を取ったなと思う。まぎれもなく年寄りの顔だ。でもまだまだ若いと思っている。世間の見方より甘いのが相場だ。そんな甘い思いが見事に打ち壊された。とうとうその時がやってきた。よもやこんなに早く自分に回って来るとは思ってみなかったから事態を飲みこむのにちょっとばかり間があった。そんな話である。

11月1日、阿佐ヶ谷に住む息子に用事があり、我孫子駅から上野・東京ラインに乗った。立っている人が多い。荷物を床におろし吊皮をつかんだ。出発してすぐに目の前に座っている子どもが、たぶん小学高学年だろうか、すぐに立ちあがった。
「つぎの柏駅で降りますから」
そんなに早く席を立たなくてもいいのにと怪訝に思ったのだが、すぐに気がついた。この子はわたくしに席を譲ってくれたのだと。「年寄りに席を譲りましょう」を実践してくれたのである。

そうか、小学生にはわたくしが席を譲るべき対象に見えたんだと気がついたというわけである。
「ありがとう」
年を取ったら厚意には素直に感謝することにしている。席を譲ってくれるのをかたくなにことわる人を見る。あれはおとなげない。それに厚意を示した人に失礼だと以前から思っていた。
この子の服装を見ると、これからサッカーの練習らしい。

柏駅で下りる子にもう一度声をかけた。
「ありがとう」
人生で初めて席を譲られた。複雑な思いが交錯した。

このブログをかみさんが読んでの感想はすぐにわかる。
「だれから見てもずっと前からおじいさんよ」

ということで、11月1日はわたくしが老人になった日。
人生が短くなってきたぞ。


霜が降りる前にトウガラシの「鷹の爪」を収穫した。保存のためいま陰干しをしているところだ。

トウガラシはタネをまいて芽が出たらあとはほったらかしにしている。それでも真っ赤な実をつけてくれる。株ごとひっこ抜いて真っ赤に熟しているものだけを取る。その作業をしながら「こんなに取ってなんに使うんだ」とつぶやく。毎年そうだ。トウガラシの出番は数少ない。

遊び呆けて留守がちなかみさんのおかげで昼食は台所に立つことが多い。わたくしの腕ではたいしたものは作れない。トウガラシの出番だってめったにない。あるのは唯一スパゲッティのぺぺロンチーノをつくるときぐらいなものか。出番がめったにないからといって、ないと困る。だから毎年作っている。

調味料としてのトウガラシは市販の「七味」か「一味」で間に合う。これから寒くなるとこれらの出番は多い。一方で収穫したトウガラシは陰干しのあと乾燥材を入れて密封保存する。めったに開けないから毎年ほとんどが残る。ことしも間もなく新旧入れ替わる。


         
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