30坪+20坪の菜園

BIG FARMの農事日誌です。

入笠山ー展望に立ちつくす山

2013-03-16 | 登山

 八ツを背景に心がはずむ。興奮して飛び跳ねたい気分だ。
わたしの白頭と雪嶺が妙にマッチしているのに気がついた


入笠山は聞きしに勝る展望の山だった。すごいとは聞いていたがここまでとは思わなかった。圧倒され、感激し、そして立ち尽くして展望のすばらしさに引き込まれた。なんと頂上に1時間半もいてしまった。下山ができない。後ろ髪をひかれるというがまさにそうで、なんども下山をはじめてはまた引き返すほどだった。

その見事さは日本アルプスの雪嶺のスターたちがずらり横一列で迎えてくれることだ。難をいえば南アルプスが縦一列になるので一部の山しか見えない。圧巻は八ケ岳だ。編笠山から蓼科山までの大パノラマが広がる。すそ野から立ち上がる雪の峰々は感動ものだ。

この日は期待通り天気に恵まれた。からりとした雲ひとつない青空だからこれだけの展望が得られた。慎重に天気予報を見ながら家を出ただけに、得心の行く山歩きができた。

年を取ってから頂上に立つと山の同定が楽しみになった。これまでに展望の山は数多く経験して慣れているのだが、不思議なものでこれはなんど見てもあきることがない。展望の素晴らしさは入笠山の位置にある。確認するともっともだなとわかる。近くにとびきり展望がいい「守谷山」ある。ここには登っている。入笠山はここまではいかないだろうと高を括っていたのだが、いやいや間違いであった。

気がつくと頂上にはわたし一人だけになった。まだ下山できないでいた。これを書いているいまも目を閉じて絶景を浮かべることができる。北から時計回りに、美ヶ原、霧ケ峰、根子岳、四阿山、八ケ岳、奥秩父、富士山、南アルプス、中央アルプス、御嶽山、乗鞍岳、そして北アルプスが澄んだ空気のおかげでくっきりと見えるのだから、同定に、カメラに夢中になるのは無理もない。


山行日 2013年3月15日(金)
天気 快晴
山域 南アルプス
メンバー 単独
コース&タイム
我孫子駅5:13=5:26新松戸5:35=6:32西国分寺6:37=6:42立川6:46=8:38甲府8:53=9:51富士見駅10:00=10:10富士見パノラマリゾート(ゴンドラ)10:20=10:30ゴンドラ山頂駅10:45-11:45入笠山13:15-14:15ゴンドラ山頂駅14:30=14:45富士見パノラマリゾート15:00=15:10富士見駅15:36=20:37我孫子駅


どうもいけない。昨年冬に痛めた膝が、この冬にまた痛みが出てきた。啓蟄を過ぎて、私の体の中にも変化を感じた。そろそろ動かないと引きこもり老人になってしまう。

そこでリハビリ山行に選んだのが入笠山だ。この山を昨年1月に目指したが途中でJRの人身事故があって先に進めず家に戻ってきたということがあった。

富士見パノラマリゾートのスキー場の開設期間は富士見駅から無料バスが出ている。ゴンドラに乗って10分、絶景が待っている。いい天気になった。展望の山ならこれが絶対条件だ。ゴンドラで一気に高度をかせぐと八ツが正面にどかーんと見えてくる。

ゴンドラ山頂駅で、10本爪のアイゼンをつけて、そろりと外に出る。寒さはそれほどでもない。
その山頂駅からの八ツの眺めである。すべてが見渡せる。スキーヤーが八ツに向かって滑って行く。気持ちいいんだろうな。
スキーヤーばかりだ。登山はわたし一人のようだ。ほかの登山者はとうに出てしまっているのだろうか。

 
入笠湿原手前から。「あれが山頂だろう」



湿原は雪の下だが、一部に雪どけが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「山彦荘」

「マナスル山荘」。ここから道は左へ90度曲がる。

霧氷のカラマツ林。

ここから新雪の下はアイスバーンだ。登るほどに八ツの絶景が。頂上にはどんな景色が待っているんだろう。汗をかきながら一刻でも早くと足が速くなる。

頂上だ。1時間で着いた。さあここからがたいへんだ。雲ひとつない青空の下に絶景が待っていた。興奮して落ち着かない。落ちつけ。落ち着くんだ。まずはぐるりと見る。そして同定する。カメラを向ける。いやあ、堪能しました。それでもまだまだ食い足りない。本当に天気に恵まれたのだろう。からりと晴れて昼を過ぎても雲が出てこない。山のエッジがいつまでも鋭い。時間があればもっと山頂にいたかった。それほどの眺めだった。


ここからは入笠山の展望だ。北から時計回り(東)に見ていく。

まずは、美ヶ原(左)、霧ケ峰(中)、蓼科山(右)

北東に八ツの全景。蓼科山(左)から権現岳・編笠山(右)まで 。すべてのピークが見える

八ツの右、すなわち東には、甲武信岳、金峰山などの奥秩父の山々の連なり

 そして南東に富士山だ。左にやや傾いでいるように見える

 

富士山(左)に続いて南には、南アルプス。鳳凰山(中央右)、右端が甲斐駒

 

鳳凰山、甲斐駒、鋸山、間ノ岳、仙丈ヶ岳

次は南西に中央アルプス。東川岳から空木岳への厳しい稜線が眺められる。あそこはきつかったな、という思い出



中央アルプスからは西に、御嶽山(左)と乗鞍岳(右)
 

そして北西には北アルプス。穂高岳から白馬岳までずらりと並ぶ


これでぐるっとひと回り。すごいですね。興奮しました。
いつも山を眺めて思うのは、いつのまにか多くの山を歩いてきたなということです。
今回もそんな思いで眺めていました。残念なのは中央アルプスの南部に自分のあしあとがないことでした。

出掛けるのに踏ん切りがつかなかったのだが、こんな展望に恵まれるとやっぱり山はいいですね。


            


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