トランプ米政権が環太平洋連携協定(TPP)に復帰する意思のないことが鮮明になってきた。
貿易政策を担当するロス商務長官が5月9日のワシントンでの講演で、離脱した米国を除く日本など11力国が協定を発効させても「反対しない」と明言した。
米国のかたくな姿勢は5月下旬のTPP閣僚会合の議論にも影響を与えそうだ。
ロス氏は講演で、TPPにはトランプ大統領だけでなく、民主党候補のクリントン氏も反対だったことから「昨年11月の大統領選でどちらが勝っても12カ国の枠組みの崩壊は避けられなかった」と強調。
その上で、複数国が参加する通商交渉は妥結までに長い時間がかかるため「ト
ランプ政権は2国間協定を重視する」と改めて強調した。
ニュージーフンド政府は5月11日、TPPの承認を閣議決定し、日本に続いて国内手続きを終えた。
11力国は今月下旬にベトナムで開くTPP閣僚会合で声明を採択し、米国抜きでの発効に向けた道筋を示す方向で調整している。
11力国での発効に前向きな日本やオーストラリア、ニュージ上フンドが主導している。
ただ、巨大な米国市場への輸出増を期待してTPPに参加したベトナムやマレーシアなどは11力国での発効に乗り気ではない。
トランプ政権のTPP復帰の望みがほぼ断たれたことで、慎重派が一段と態度を硬化させる可能性もあり、閣僚会合での議論は波乱含みだ。
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