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国民を苦しめる「花粉症」 山林からスギがなくならない理由とは

2021年04月10日 | 環境

今や国民病ともいえる花粉症。

くしゃみや鼻水で苦しむ人たちからすれば、花粉を飛散させるスギの木を切り倒してほしいというのが本音ではないか。

なぜそれができないのか。

治水対策と木材需要の急増でスギの人工林が拡大。

日本の林野のうち約1000万ヘクタールが人工林だが、そのうち約450万ヘクタールがスギだという。

なぜスギがそんなにたくさん植えられているのか。

その理由は江戸時代にさかのぼる。

造林は江戸時代よりも前から行われており、古くから主要な建材としてスギが使われてきたが、江戸時代を迎えるころになると、城郭や寺院など建築用の木材需要が拡大した。

全国(道南以北を除く)どこでも植えることができ、成長が早く、まっすぐ伸びるスギは日本の建材にぴったりだったのだ。

そして戦中の軍備や戦後の復興需要で大量の木が伐られ、治山治水上、早急に植林を始める必要が高まる中で選ばれたのがスギだった。

従来、燃料材として里山で育てられていたコナラやクヌギといった広葉樹は、石油や石炭ガスに取って代わられつつあった。

こうした中、木材の需要は広葉樹からスギへ移っていくと考えられたわけだ。

しかし急速な木材需要の増加に人工林の成長はまったく間に合わず、結果的に輸入木材が急増することになった。

スギの成長が早いといっても、木材として利用できるまでには約35~50年がかかる。

輸入木材が増えたとはいえ、国内需要のうち国産の木材が占める割合は今も約4割を占めている。

したがって、山を所有して林業を営んでいる方々は、スギやヒノキなど、木材として価値のある樹種を選んで植えたがるという。

山の所有者がスギを植えたいという意向ならば、行政がそれを止めることはできないわけだ。

林野庁では、花粉が少ないスギを増やす一方、将来的には人工林の3分の1を広葉樹などが入り混じった森林に切り替える事業も進めている。


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