年金の「マクロ経済スライド」が2015年度に初めて発動される公算が大きくなった。
制度の持続可能性を確保するために給付抑制が不可欠だとはいえ、基礎年金は将来的に大きく低下する。
基礎年金しか受け取れない国民年金加入の自営業者らへの影響は大きく、低所得高齢者への対策が急がれる。
厚生労働省が先月公表した財政検証結果によると、現在65歳の人(40年加入の場合)では基礎年金の受給月額は約6万4千円。
だが、マクロ経済スライドによる給付抑制は約30年間続き、90歳以降は物価変動を考慮すると実質約5万1千円に落ち込む。
これだけで老後の生活を送るのは難しい。
基礎年金の底上げが大きな課題となる。
付加年金や国民年金基金のように、給付を上積みする仕組みの拡充も検討されるべきだ。
年金制度だけでなく、生活保護など最低生活保障に関する制度の再構築も欠かせない。
年金を減らされるのは誰だって嫌だ。
「マクロ経済スライド」という言葉を初めて聞く年金受給者も多いに違いない。
ただ同スライドによる給付抑制は、将来の世代に対して確かな水準の年金を残す意味合いがある。
政府には、国民に向けて丁寧に説明していく姿勢が求められる。
積み立て方式に早く変換しないと基礎年金は実質的は崩壊するであろう。
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