パートなど短時間労働者が厚生年金に入るための要件の一つ「勤務先の授業員数」が10月1日から引き下げられる。
現行の501人以上から101人以上に緩和する。
厚生労働省によると、これで加入者は45万人増える見通しで、大部分は非正規雇用とみられる。
厚生年金は国民年金より給付が手厚く、さまざまな働き方に合わせて保障を整えるのが狙い。
少子化による現役世代減少が懸念される中、制度の支え手を増やす効果も期待される。
厚生年金保険料は労使が折半で支払う。
ロシアのウクライナ侵攻による物価局で原材料などが値上がりする中、企業など事業所によって新たな負担が生じる。
週30時間以上働く人は勤め先の規模に関係なく厚生年金に入れる。
30時間未満の場合は、現行制度では、(1)勤務先の従業員が501入以上、(2)雇用見込みが継続して1年以上ある、(3)週の労働時間が20時間以上、(4)賃金が月額8万8千円以上、(5)学生ではないとの条件を全て満たすことが必要となる。
10月から、従業員数のほか、雇用見込み期間を「継続して2ヵ月を超える」と変更する。
厚生年金は基礎年金に報酬比例部分を上乗せする「2階建て」。
基礎年金部分だけの国民年金より給付が増える。
労働者の保険料は給料から天引きする。
厚生年金に入れば、同時に健康保険の加入対象にもなる。
国民健康保険にはない傷病手当金や出産手当金が支給される。
配偶者の扶養範囲内で働くパートらの間で、厚生年金や健康保険の保険料負担を避けようと勤務時間を減らす動きも予想される。
厚労省は「年金額が増える利点を理解してほしい」としている。
2020年成立の年金制度改革関連法は2022年10月の緩和のほか、2024年10月に従業員数要件をさらに51人以上に引き下げると規定。
これでさらに20万人の新加入を見込む。
政府は「勤労者皆保険」を掲げ、将来は厚生年金の従業員数要件撤廃も視野に入れる。加入者の裾野を広げれば制度の持続可能性が高まる一方、零細事業所まで保険料負担が及び、経営者の反発などから実現は難しいとの見方がある。
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