実家にほど近い川崎の多摩市民館にて、夏休み恒例の工作教室というのがあり、今年も講師陣のひとりとして参加しました。親子参加による、簡単な鉄道模型の初心者向けジオラマや、上級者向けにはぼくらと同じ路面モジュール規格のジオラマ製作を半日かけて行うもので、今年で4年目になる。ぼくは2回目からの参加なので、講師としては3年目になる。
前回、前々回からの顔なじみとなった参加者から、今年初めて参加したという親子十数組が参加された。お手本のジオラマや説明書きやわれわれ講師陣の説明を聞きながら、製作に悪戦苦闘するものの、昼過ぎには初級用のジオラマはほぼ出来上がっており、午後に入ると記念にと持ち帰ったり、作ったモジュールを他のともだちが作ったモジュールと繋げて走らせていた。
一方の上級編・路面モジュール製作班は、みな一度はこの教室で作ったことがある方ばかり。どんなモジュールを作りたいのか、というイメージ図もみな用意したので、あまり説明しなくても製作がすいすい進む(去年まではイメージを想起させるのに時間を一番かけた)。昼食時間を惜しんでまで製作に没頭していたせいか、こちらも2時過ぎには殆どが完成し、早速モジュールを繋げて遊んでいた。
ここで、この工作教室に参加するようになって、年々思いを強くしていくことがあるので、それを書いておく。
製作中に講師陣が一番恐れていることのひとつが、「工具を(誤って)使ったために起きた事故やケガ」である。今年も幸い大きなケガはなかったものの、はたから見ていると、たとえばカッターナイフの刃先に自分の手がおいてあったり、必要以上に刃先に力を入れたり。一番ショックだったのが、「ニッパー」を使えないこどもが多いこと。文章だけで上手く説明できるか不安だが、ニッパーの両側の柄を親指と中指で持ち、柄と柄の間に人差し指を入れるこどもが多く、これじゃ力入らないんじゃないかと思う。保護者のなかにもこのような持ち方をしているひともいらっしゃった。
最近の玩具は完成されたものが多いせいなのか、それともあまりプラモデルとか作ったことがないからなのか。ジオラマのオマケとして用意していた「Bトレインショーティ」も上手く組み立てられないこどもに、余った時間を利用して組み方をいちから教えてあげたり。組めない組めないとぼやくこどもの持っていたキットを見ると、パーツを切り離しと時にできる「バリ」が切り取られていなかったり。何でバリがあるのと聞いたら、手でパーツ取れるから、ときょとんとした回答・・・。
同伴した保護者にきくと、あまり工具とか持たせていないから、とか、家にはないから、とのことだった。学校じゃ教えないのかな?とも思うが、小学校ではまだ先なのだろうか?中学だと技術・家庭科である程度教えるかもしれないけど・・・。
プラモデルも、最近ははじめから色の付いたパーツが豊富にあったり、塗装済みキットもあるので、一番のネックだった「塗装」作業からはだいぶ解放された感じがするのだが、組立の基本となる「ニッパー」や「カッターナイフ」の使い方については、今後何らかの形で、自分のわかる範囲で(背伸びしないで)書き留めておきたいという思いが沸々とわいてきます。
まったく関係ない(かもしれない)話だが、工作教室のあと、ひさびさに実家に帰った。夕食の会話の中で母親からこんなことを聞いてびっくりした。「○○小学校(ぼくの母校)って、夏休み通信簿出さないんだって、それと、3学期がなくなって2期制になったんだって」同じ団地に住むひとからの話で、それ以上詳しいことはわからないが。
これもゆとり教育の影響なのかなんなのか、随分変わったなぁと思った。