3月11日の東日本大震災で、陸海空自衛隊が10万人規模という過去最大の災害派遣を
行なったことはよく知られていますが、千葉県の陸上自衛隊木更津駐屯地を本拠地とする
第1ヘリコプター団も、主力のCH-47の輸送力を駆使した航空輸送、
中央即応集団直轄部隊としての原子力災害派遣など、多くのミッションを実施しました。
この第1ヘリコプター団に所属するCH-47部隊、第1輸送ヘリコプター群第106飛行隊も
大震災の災害派遣に出動していますが、同隊が行なう“その後の被災地支援”について
今回は紹介したいと思います。
岩手県の大槌町は東日本大震災でも津波で大きな被害を蒙ったことが報道されています。
1,000人を超える死者・行方不明者が出た大槌町でしたが、当地で活動する大槌町消防団は
震災当日防波堤の門扉を閉じ、最後まで住民の避難誘導に従事したものの、
その結果12人の消防団員が亡くなり、2人が行方不明になりました。
屯所や消防車、装備品のほとんどを流され、現在は全国の消防組織から寄せられた
物品・装備を使って復興活動を行なっているそうです。
写真:大槌町消防団第2分団
第106飛行隊と大槌町消防団は、2005年の山林火災の際、現地展開したCH-47Jの支援や
夜間駐機時の警備などを通じてつながりがあり、今回の震災にあたっても
天皇陛下の現地視察をはじめ、多くの場面で協力関係にあったといいます。
自衛隊の被災地直接支援はほぼ終了していますが、大槌町消防団の困窮状況を知った
第106飛行隊の隊員たちはひとつの「被災地復興支援の別のかたち」を示そうと、
現物支援を決めたそうです。
飛行隊の隊員が用意したのは、同隊が災害派遣を機に製作したTシャツ65枚、
部隊の識別帽5個、飛行隊ポストカード(大槌町向けに制作されたメッセージ入り)約100枚、
そして大槌町消防団のために新しくデザインしたパッチ250枚。
支援物資は、デザインセンスに長けた飛行隊WAC(女性自衛官)が心を込めて描いた
メッセージボックスに入れられ、現地に届けられました。
Tシャツや識別帽は、復興活動を行なう際の衣類にも困っているという話を聞いて
隊員有志が用意したもの。
また新デザインの消防団パッチは、飛行隊の隊員と同隊がパッチ製作を依頼している
シンパッチで原案を作成、消防団の方々のアイデアも入れつつ、完成したそうです。
中央は大槌町のマーク、「絆」の文字の入った日の丸のバックには白でCH-47の
シルエットが描かれていますが、当初通常の白地に日の丸のデザインを提案したところ、
消防団から「バックにチヌークを入れてほしい」とのリクエストがあったといいます。
写真:大槌町消防団第2分団
飛行隊の担当者は、「私たちの災害派遣活動やこの支援は、国民の皆さんや
多くの航空機ファンの皆様のご理解、ご協力があったことで実現したと思っています」
と話してくれました。1月発売の『航空ファン』3月号でも、誌上でこの支援について
紹介したいと思っていますが、第106飛行隊担当者からは、同隊が製作した
災害派遣時のスペシャルパッチや新デザインの飛行隊パッチを、読者の皆さんにも
プレゼントしていただけるということなので、こちらもお楽しみに。
また現時点では詳細は未定ですが、大槌町消防団のパッチについても
製作を担当したシンパッチで、義援金付きでパッチを販売することも検討中だそうです。
東日本大震災からすでに9ヵ月が経過していますが、復興のための活動は継続中で、
冬を迎え、被災地ではまだまだ不自由なことも多いのが現状です。
私たちはそうした人々のことを忘れないように、今後もできることで
支援していくことを続けていかなければいけないと、あらためて感じさせられました。
行なったことはよく知られていますが、千葉県の陸上自衛隊木更津駐屯地を本拠地とする
第1ヘリコプター団も、主力のCH-47の輸送力を駆使した航空輸送、
中央即応集団直轄部隊としての原子力災害派遣など、多くのミッションを実施しました。
この第1ヘリコプター団に所属するCH-47部隊、第1輸送ヘリコプター群第106飛行隊も
大震災の災害派遣に出動していますが、同隊が行なう“その後の被災地支援”について
今回は紹介したいと思います。
岩手県の大槌町は東日本大震災でも津波で大きな被害を蒙ったことが報道されています。
1,000人を超える死者・行方不明者が出た大槌町でしたが、当地で活動する大槌町消防団は
震災当日防波堤の門扉を閉じ、最後まで住民の避難誘導に従事したものの、
その結果12人の消防団員が亡くなり、2人が行方不明になりました。
屯所や消防車、装備品のほとんどを流され、現在は全国の消防組織から寄せられた
物品・装備を使って復興活動を行なっているそうです。
写真:大槌町消防団第2分団
第106飛行隊と大槌町消防団は、2005年の山林火災の際、現地展開したCH-47Jの支援や
夜間駐機時の警備などを通じてつながりがあり、今回の震災にあたっても
天皇陛下の現地視察をはじめ、多くの場面で協力関係にあったといいます。
自衛隊の被災地直接支援はほぼ終了していますが、大槌町消防団の困窮状況を知った
第106飛行隊の隊員たちはひとつの「被災地復興支援の別のかたち」を示そうと、
現物支援を決めたそうです。
飛行隊の隊員が用意したのは、同隊が災害派遣を機に製作したTシャツ65枚、
部隊の識別帽5個、飛行隊ポストカード(大槌町向けに制作されたメッセージ入り)約100枚、
そして大槌町消防団のために新しくデザインしたパッチ250枚。
支援物資は、デザインセンスに長けた飛行隊WAC(女性自衛官)が心を込めて描いた
メッセージボックスに入れられ、現地に届けられました。
Tシャツや識別帽は、復興活動を行なう際の衣類にも困っているという話を聞いて
隊員有志が用意したもの。
また新デザインの消防団パッチは、飛行隊の隊員と同隊がパッチ製作を依頼している
シンパッチで原案を作成、消防団の方々のアイデアも入れつつ、完成したそうです。
中央は大槌町のマーク、「絆」の文字の入った日の丸のバックには白でCH-47の
シルエットが描かれていますが、当初通常の白地に日の丸のデザインを提案したところ、
消防団から「バックにチヌークを入れてほしい」とのリクエストがあったといいます。
写真:大槌町消防団第2分団
飛行隊の担当者は、「私たちの災害派遣活動やこの支援は、国民の皆さんや
多くの航空機ファンの皆様のご理解、ご協力があったことで実現したと思っています」
と話してくれました。1月発売の『航空ファン』3月号でも、誌上でこの支援について
紹介したいと思っていますが、第106飛行隊担当者からは、同隊が製作した
災害派遣時のスペシャルパッチや新デザインの飛行隊パッチを、読者の皆さんにも
プレゼントしていただけるということなので、こちらもお楽しみに。
また現時点では詳細は未定ですが、大槌町消防団のパッチについても
製作を担当したシンパッチで、義援金付きでパッチを販売することも検討中だそうです。
東日本大震災からすでに9ヵ月が経過していますが、復興のための活動は継続中で、
冬を迎え、被災地ではまだまだ不自由なことも多いのが現状です。
私たちはそうした人々のことを忘れないように、今後もできることで
支援していくことを続けていかなければいけないと、あらためて感じさせられました。
甚大な被害を受けた皆さんを、自衛隊の方々が正式派遣終了後も気にかけていただけることは、東北の人間としても嬉しい限りです。
ともすると、ボランティアとか直接的な援助をしないと肩身が狭い気がしてしまう最近。各人の事情の許す範囲で、復興への気持ちを絶やさず、できる範囲のことをやれば良いのではないでしょうか。そうしないと疲れてしまいますよ。
私は、自分の仕事をこなし、家族を守り、いくばくかでも定期的に義援金を託す、というスタンスで当面行きます。そのうち、自分が直接的に役立つ場面もあるでしょうし。
心理学うんぬんはどうでもよくて、支援された側を考えたこういう支援はとても大切。
家を失い、財産も失って、ゼロからのスタートを踏み出すときに、今も支援してくれていることを知っただけでも勇気をもらえます。
なお筆者の本業(社会学、社会心理学)からは、応援する意味で盛んに使われる「頑張れ!」コールは、相手の立場を考慮して使わなければならない、とされています。
筆者も応援する気持ちはありますが、「精一杯」頑張っている人にそれ以上「頑張れ!」は、その相手を追い詰めることになりかねません。「出来ることをやってください」程度の励ましが本来は適当です。
「自分がこれだけ頑張ってやっているのに」、「そのうえ頑張れなんて・・・」と自責の念に駆られてしまう人もいるからです。
その人たちの立場を考えて、心から応援しましょう。
とくに社会心理学では、応援することすら控えるように教えられます。
残酷なようですが「思いやり」というものは、むしろそんなものではないでしょうか。