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「仙台へ」。旅客機乗り入れ再開

2011-04-14 16:25:07 | 編集長日記
地震発生から1ヵ月が過ぎ、ようやく復興のニュースが聞かれるようになりましたが、
航空の分野でも、津波で水没し空港機能を喪失していた仙台空港が一部復旧し、
待望の旅客機が乗り入れを再開するという嬉しいニュースがありました。
4月13日からJALとANAが東京、大阪と仙台を結ぶ臨時便の運航を開始したのです。
JALは羽田-仙台を一日1往復と伊丹-仙台を2往復、
ANAは羽田-仙台を一日3往復というのが4月20日までの暫定路線・本数で、
両社とも21日以降については状況を見つつ継続を検討するとしています。
また両社とも、初便の機体には復興への思いを込めたメッセージロゴを記入し、
しかもJALはわざわざ鶴丸機をこれにあてるという熱の入れよう。
6月号の校了日でしたが「それなら!」と、早朝の羽田に行ってきました。


「がんばろう日本」と力強いメッセージを記入したJALの初便。

まず第一便として羽田を0655時に出発したのはジャルエクスプレスの4721便で
機材はボーイング737-800。121人の乗客の多くはビジネスマンのようでしたが、
なかには地震後に避難していた被災者やお見舞いの人、
またボランティアらしき人や海外からの報道陣の姿もあり、
大西 賢社長以下、大勢のスタッフが横断幕を持って見送りました。
出発ゲートで記者団からコメントを求められた社長は、
仙台空港を含めた被災地をすでに訪ねたことを明かし、
「こうした状況のなかで、空路の確保はわれわれの使命」と決意を語りました。
次いで0730時にANAの1501便(ボーイング737-800)が出発、
こちらの便では146人の乗客が仙台入りしました。


インタビューに答える大西社長(中央)。


搭乗案内が始まるとゲートは報道陣などでごった返した。

両社のメッセージロゴについて付け加えると、JALは「がんばろう日本」の文字と日の丸で、
とりあえずは初便に使用したボーイング737-800 (JA302J)1機のみに記入。
JAL再生の象徴である鶴丸と復興への支援表明と重ね合わせようと、
大急ぎで塗装を施したそうで、これが3機目の鶴丸機となりました。
一方のANAは、初便のボーイング737-800(JA55AN)に記入された
「心をひとつに、がんばろうニッポン」と日の丸バージョンのほかに、
「Forward together as one Japan」の英文字と日の丸という国際線バージョンがあり、
今後は777と767 2機ずつに記入し、5機で復興メッセージを伝えていくそうです。


スタッフらに見送られてスポットを離れるJL4721。


こちらはANAの仙台行き初便、NH1501。
 
ということで仙台空港再開のニュースを羽田からお伝えしましたが、最後に関連のお知らせを。

仙台空港の復旧に、持てる機材とノウハウを駆使して貢献したのは米空軍と海兵隊。
とくに地震から5日後の16日、瓦礫の残る滑走路にMC-130を強行着陸させ、
重機で滑走路を確保した嘉手納基地353SOGの活躍は、まさに“プロの仕事”でした。
海兵隊員もターミナルビルに寝泊りし、文字どおり不眠不休で作業を行なったそうです。
彼らや、10万人強の大部隊が投入された自衛隊員らの救援活動の詳細を、
4月21日発売の次号『航空ファン』では緊急特集としてお伝えします。
ぜひご覧ください。

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