23日夜のテレビ東京のワールド・ビジネス・サテライト(WBS)の番組の中でも、キリンのシェアがアサヒ、サントリーに抜かれ、キリンの女性営業ウーマンが外食大手の業務用ビールのシェア巻き返しに、必死に活動する姿を克明に報道していた。
筆者も缶ビール包装に大量に使われる段ボールの営業を行っていた頃には、この3社とサッポロの計4社に足繁く営業活動をしていた時代があった事を、走馬灯のように思い出した次第だ。
ちょうどアサヒがスーパードライを商品化した頃で、その頃はキリンはアサヒから見ると、とても大きな巨人に見えていた頃であった。
サントリーもウイスキーは絶好調であったが、ビール事業はお荷物のような存在でありながら、決して撤退するとは言わなかった。
確かその頃に、サントリーは「モルツ」の商品化でヒットした記憶があった。
筆者の年齢から遡ると26~7年前の懐かしい話だ。
その後、ビールも発泡酒、第3のビールなどで、酒税が高くついているビールの低価格商品を市場に提供する等、メーカー間の競争が続いていたが、今日のWBSの放送や東洋経済オンラインの記事を読むと、キリンがアサヒやサントリーに負け、3位に位置しているとのニュースである。
まあしかし、この3社は現在では、経営力ではほぼ互角と見ても良いであろう。筆者の個人的な気持ちでは、サッポロがもう少し絡んで欲しいところだ。
実力伯仲したメーカーが切磋琢磨する業界は、その中で働く人たちの苦労は大変だと思うが、若者人口が減少する日本国内での競争も必要だが、やはり海外市場でのシェア競争に重点が置かれるのは間違ない事だろう。
(東洋経済オンラインより貼り付け)
落ち目のキリン、社長交代で立ち直れるか
時価総額、売上高、営業利益で首位から転落
田嶌 ななみ :東洋経済 編集局記者
2014年12月23日
「来年は見た目よりも絶対に達成できるという計画を立てて、新体制でしっかり達成し、マーケットの信頼を取り戻したい」キリンホールディングス(HD)の三宅占二社長は会見の場で、悔しそうにこう語った。
キリンHDは12月22日、中間持ち株会社・キリンと事業会社キリンビールで社長を務める磯崎功典氏を新社長に内定したと、発表した。3月末の株主総会を経て就任する。現社長の三宅氏は代表権のない会長に就任する。
このタイミングで社長交代を決めた理由について、「2015年は、最優先課題である国内飲料事業の反転、ブラジル事業の再成長に向けた重要な年。16年から始まる新しい中期経営計画を睨みながら、中長期の視点で再生プランを作成する必要がある。就任以来考えていたが、2015年度は、2016年からの中計を担う人たちにバトンタッチするべきだと考え、退任を決めた」と三宅社長は話す。
●国内の競争力低下。アサヒ、サントリーに敗北
三宅社長がHDの社長に就任したのは、サントリーとの統合話が破談になった直後の2010年。以降、ブラジルのスキンカリオール社を約3000億円で買収するなど、積極的に海外展開に乗り出した。しかし、「この数年、国内事業の競争力低下や、海外は進出した国での経済環境の変化など、さまざまの課題が出てきた。現在のキリングループが置かれている環境はきわめて厳しい」(三宅社長)。
現在の苦境を招いた原因を「2009年にビール類でトップシェアを取り戻したこともあり、その後、数量よりも収益志向が強まってしまった。海外への投資の源泉として、国内事業を位置づけたということもあって、収益重視の姿勢がシェア低下を招いた。トップラインが伴ってこなければ、下期にマーケティング投資、広告費や販促費を抑えて最終利益を取るというのがこの2、3年の傾向だったかと思う」(三宅社長)と振り返る。
そうした結果、キリンHDは今年に入り時価総額でアサヒグループHDに抜かれ、初めて業界首位の座から陥落。2014年度の売上高でもサントリーHDに抜かれ2位に、営業利益ではアサヒ、サントリー両社に抜かれて一気に3位に転落する見込みとなっている。キリンの独り負けになっているのだ。
次期社長の磯崎氏は、「最優先に取り組むべき課題は二つ。第一に1日も早い国内ビールの事業の復活。ブランドを強化しお客様のご支持を取り戻すことが喫緊の課題。次に海外、特にブラジル事業の立て直しと新興国の開拓」と就任後に着手すべき課題を明らかにした。
「気づいたことは二つ。ひとりひとりが、競合に対して優位に立てるように、創意工夫を凝らすという力が弱まっていたこと。それに、商人の精神で泥くさくやり続けなければならないという強い意識が低下したのではないか、ということ。現場あるいは本社の自由闊達でチャレンジャブルな活動を制約、阻害するものをできるだけ取り払って、戦う集団としてのファイティングポーズをもう一度取り戻せるように社員の意識・構造改革に努めている」(磯崎氏)という。
来年は「一番搾り」など主力ブランドへの投資を進め、ビールのシェア低下に歯止めをかける狙い。ただ、今年に入り、外食大手との業務用ビールの取引を相次いでアサヒやサントリーに奪われており、その影響は来年も尾を引くものとみられる。また、ブラジルも資源価格の急落で経済状況は厳しさを増していることや、シェア6割を握る競合・アンベブの存在があり、反転は容易ではない。
(貼り付け終わり)
筆者も缶ビール包装に大量に使われる段ボールの営業を行っていた頃には、この3社とサッポロの計4社に足繁く営業活動をしていた時代があった事を、走馬灯のように思い出した次第だ。
ちょうどアサヒがスーパードライを商品化した頃で、その頃はキリンはアサヒから見ると、とても大きな巨人に見えていた頃であった。
サントリーもウイスキーは絶好調であったが、ビール事業はお荷物のような存在でありながら、決して撤退するとは言わなかった。
確かその頃に、サントリーは「モルツ」の商品化でヒットした記憶があった。
筆者の年齢から遡ると26~7年前の懐かしい話だ。
その後、ビールも発泡酒、第3のビールなどで、酒税が高くついているビールの低価格商品を市場に提供する等、メーカー間の競争が続いていたが、今日のWBSの放送や東洋経済オンラインの記事を読むと、キリンがアサヒやサントリーに負け、3位に位置しているとのニュースである。
まあしかし、この3社は現在では、経営力ではほぼ互角と見ても良いであろう。筆者の個人的な気持ちでは、サッポロがもう少し絡んで欲しいところだ。
実力伯仲したメーカーが切磋琢磨する業界は、その中で働く人たちの苦労は大変だと思うが、若者人口が減少する日本国内での競争も必要だが、やはり海外市場でのシェア競争に重点が置かれるのは間違ない事だろう。
(東洋経済オンラインより貼り付け)
落ち目のキリン、社長交代で立ち直れるか
時価総額、売上高、営業利益で首位から転落
田嶌 ななみ :東洋経済 編集局記者
2014年12月23日
「来年は見た目よりも絶対に達成できるという計画を立てて、新体制でしっかり達成し、マーケットの信頼を取り戻したい」キリンホールディングス(HD)の三宅占二社長は会見の場で、悔しそうにこう語った。
キリンHDは12月22日、中間持ち株会社・キリンと事業会社キリンビールで社長を務める磯崎功典氏を新社長に内定したと、発表した。3月末の株主総会を経て就任する。現社長の三宅氏は代表権のない会長に就任する。
このタイミングで社長交代を決めた理由について、「2015年は、最優先課題である国内飲料事業の反転、ブラジル事業の再成長に向けた重要な年。16年から始まる新しい中期経営計画を睨みながら、中長期の視点で再生プランを作成する必要がある。就任以来考えていたが、2015年度は、2016年からの中計を担う人たちにバトンタッチするべきだと考え、退任を決めた」と三宅社長は話す。
●国内の競争力低下。アサヒ、サントリーに敗北
三宅社長がHDの社長に就任したのは、サントリーとの統合話が破談になった直後の2010年。以降、ブラジルのスキンカリオール社を約3000億円で買収するなど、積極的に海外展開に乗り出した。しかし、「この数年、国内事業の競争力低下や、海外は進出した国での経済環境の変化など、さまざまの課題が出てきた。現在のキリングループが置かれている環境はきわめて厳しい」(三宅社長)。
現在の苦境を招いた原因を「2009年にビール類でトップシェアを取り戻したこともあり、その後、数量よりも収益志向が強まってしまった。海外への投資の源泉として、国内事業を位置づけたということもあって、収益重視の姿勢がシェア低下を招いた。トップラインが伴ってこなければ、下期にマーケティング投資、広告費や販促費を抑えて最終利益を取るというのがこの2、3年の傾向だったかと思う」(三宅社長)と振り返る。
そうした結果、キリンHDは今年に入り時価総額でアサヒグループHDに抜かれ、初めて業界首位の座から陥落。2014年度の売上高でもサントリーHDに抜かれ2位に、営業利益ではアサヒ、サントリー両社に抜かれて一気に3位に転落する見込みとなっている。キリンの独り負けになっているのだ。
次期社長の磯崎氏は、「最優先に取り組むべき課題は二つ。第一に1日も早い国内ビールの事業の復活。ブランドを強化しお客様のご支持を取り戻すことが喫緊の課題。次に海外、特にブラジル事業の立て直しと新興国の開拓」と就任後に着手すべき課題を明らかにした。
「気づいたことは二つ。ひとりひとりが、競合に対して優位に立てるように、創意工夫を凝らすという力が弱まっていたこと。それに、商人の精神で泥くさくやり続けなければならないという強い意識が低下したのではないか、ということ。現場あるいは本社の自由闊達でチャレンジャブルな活動を制約、阻害するものをできるだけ取り払って、戦う集団としてのファイティングポーズをもう一度取り戻せるように社員の意識・構造改革に努めている」(磯崎氏)という。
来年は「一番搾り」など主力ブランドへの投資を進め、ビールのシェア低下に歯止めをかける狙い。ただ、今年に入り、外食大手との業務用ビールの取引を相次いでアサヒやサントリーに奪われており、その影響は来年も尾を引くものとみられる。また、ブラジルも資源価格の急落で経済状況は厳しさを増していることや、シェア6割を握る競合・アンベブの存在があり、反転は容易ではない。
(貼り付け終わり)