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ユニクロの5%製品価格値上げは、消費者に受け入れられるか?

2014年06月12日 14時37分25秒 | 日記
 ユニクロがここにきて、秋冬物から5%程度の値上げを打ち出している。

 綿や毛の材料費の値上がりと、円安による輸入仕入れ価格の上昇が原因と言う。

 少し前には、ユニクロのアルバイト社員の正規社員化へ踏み切るニュースもあった。

 それらの全ての内容は、コストアップに繋がる内容である。

 ユニクロを始めとする多くの企業が、円高の恩恵もあり、海外の安い製造コストの製品を、大量に輸入し、非正規の安い店員を使い、低価格で販売し収益を確保すると言うビジネスで稼いできた。

 これこそ、デフレ経済のメリットを生かしたビジネスと言う事が出来るだろう。

 ところが、安倍政権はデフレからの脱却を目指し、円安指向に為替を誘導し、日本製品の輸出増による経済活性化を図るという、アベノミクスを推し進めている。

 しかし輸出の増加は、安倍政権が思っていた程には伸びず、結局、日本の株価の値上がりを主導し、日本経済が好循環をしているという演出に走らざるを得なかった。

 この株価の上昇にも、ユニクロのファーストリテイニングやソフトバンクなど、一部の株価形成が作用しているから皮肉だ。

 筆者が思うに最近の人手不足も、経済の好況のせいではなく、定年退職で多くの団塊の世代前後の人々が社会の第一線からリタイヤする事による人材不足が表面化し、あまりにも安くて労働環境も決して良くない、外食産業などの非正規社員が職場を離れた結果と言えるだろう。

 今まで、安い人件費や材料費で生産した海外製品を輸入し、国内での販売は賃金の安いアルバイトなどの非正規の店員で賄うという、まさにデフレの時代のビジネスが、曲がり角に来たと言う事だろう。

 しかし長く続いたデフレで、安い商品価格の存在を知ってしまった消費者が、果して少々の付加価値増をプラスした程度の商品で、高価格になった商品に手を伸ばすであろうか?

 一番の問題は、可処分所得となる賃金が目に見えて増えていないと言う事だ。

 十年以上の長期にわたり低下じり貧傾向にあった日本の賃金とはいえ、まだまだ近隣諸国に比べれば高いといえる。

 筆者はいつも思うのであるが、世界からMade in Japanを求められた、かっての頃こそ本当の好景気を味わえた経済状況であった。

 ところが今では、日本の人件費ではとても適わなくなり、中国からベトナム、インド、アフリカと安価な人件費の国々に生産拠点を探し求める時代になっている。

 これでデフレの脱却など本当に可能なのであろうか?

 筆者はインフレ経済が本当に良い状態なのか、疑問に思っている。 筆者の知っているインフレに陥った国々は、モーレツな物価高になり、カネの価値は下がり紙幣が紙切れ同然にまでなる。

 デフレも確かにスパイラルに陥ると、売れ行き低下、価格下落、事業所の縮小、失業の増加の無間地獄に陥る事になる。、

 全ては程度問題であり、果して今までの日本経済のデフレはどうであっただろうか?

 緩やかな価格下落、緩やかな賃金下落、円高による輸入商品の安価な流入も多く、決して商品が売れなかった訳でもない。借入金利も最低限に近く、価格競争の激しい家やマンションも買い易かった。

 さあ、政府が目指すデフレ脱却は可能であろうか? 今のような金融政策や目立った成長戦略も出てこない状態では、まず元の木阿弥になりそうだ。

 筆者は思う。おそらくユニクロは再び低コスト商品の開発に、本腰を入れざるを得なくなるだろう。

 なぜならば、引く手あまたの競合する国内ブランドだけでなく、海外の大手低価格衣料のブランドが、手ぐすねを引いてシェア拡大を狙っているのであるから。

 資本主義経済を続ける限りは、全ての分野において自由競争が基本なのだ。

(東洋経済オンラインより貼り付け)

ユニクロ株がズルズルと下落する理由
「デフレ型モデル」から転換できるか
ロイター :2014年06月12日

 [東京 11日 ロイター] - 値上げを発表したファーストリテイリング<9983.T>の株価が下落している。日経平均と連動しやすい同社株だけに判断は難しいが、市場では値上げを好材料とみる声はまだ少ない。

 値上げが消費者に受け入れられればいいが、コスト増を転嫁するだけの値上げでは明るい将来像が描けないためだ。円高による安価な輸入と低価格をベースにしてきた「デフレ型ビジネス」を転換することができるのか、日本の行方を占うテストケースでもある。

コスト増の転嫁では評価できず

 ファーストリテイリングは10日、同社のカジュアルブランド「ユニクロ」で、今秋冬物から順次、5%程度の値上げを実施することを明らかにした。中国など低コストな国で大量生産を行うことによって、低価格の商品を提供してきたが、足元の円安や原材料高、人件費増などが負担になってきたという。

 同社株は日本株市場で特殊な位置付けだけに、値上げの材料がストレートに反映されるとは限らない。日経平均の指数に与える影響度が大きく、それゆえ同社株を集中して売買し、価格を動かすことで、日経平均の動きに影響を与えようとする投資家もいるとみられている。

 予想株価収益率(PER)は41倍。ファーストリテの材料だけで形成された株価とみている市場関係者は少ない。

 10日に商品の値上げが明らかになったユニクロ株は1.56%下落したが、日経平均も0.85%下落しており、値上げが売り材料視されたかの判断は困難だった。

 しかし、11日は日経平均が0.50%と反発したのに対し、ユニクロ株は0.35%下落と逆行安。2日間の値動きで判断するのは難しいが、値上げは少なくとも現時点で好材料とはみられていない可能性が大きい。

 国内ユニクロの既存店売上高は、4月が3.3%増、5月が4.1%増と消費増税後も堅調だ。値上げは消費者に受け入れられる自信があるからこその強気と受け取ることもできる。

た だ、市場では「消費増税の影響はこれから。付加価値を高めず、コスト増を転嫁するだけの値上げでは評価できない」(内藤証券・投資調査部長の田部井美彦氏)との声が出ており、足元の株価反応は芳しくない。

 同社は今年4月、2014年8月期の連結当期純利益見通しを前年比2.6%減の880億円に下方修正。1.8%増の増益予想から一転して減益見通しとなった。下方修正の主因は国内ユニクロの伸び鈍化予想。市場では、今回の値上げで業績が回復するとの見通しにはまだ至っていないようだ。

「負のスパイラル」を止めることができるか

 ユニクロ株の帰すうが注目されるのは、日本株もしくは日本経済の行方を示しかねないためだ。安価な輸入による低価格で勝負してきたいわば「デフレ型ビジネス」から、売り上げを落とすことなく値上げを浸透させることができる「インフレ型ビジネス」に転換できるか、という大きなテーマが背景にある。

 デフレ下の日本では、売れないから値下げし、賃金も下がり、さらに売れなくなるという「負のスパイラル」が続いてきた。過度な低価格競争が企業収益を圧迫し、賃金を下げ、消費も伸びなかった。

 値上げしても販売が落ちなないことに自信が持てれば、経営者も賃金を上げやすくなり、消費も拡大する好循環につながる。

 ファーストリテでは、人材確保のために販売員1万6000人の正社員化を進める方針だ。今回の値上げと正社員化の関係は不明だが、値上げが賃金上昇につながれば、日本にデフレ圧力をもたらしていた悪循環を逆回転させる動きが広がる可能性が高まる。

 りそな銀行・総合資金部チーフストラテジストの高梨彰氏は「円高による安い輸入と安い海外労働力をベースにしたデフレビジネスは、円安の定着で岐路に立っている。値上げをうまく浸透させることができれば一時的ではないデフレ脱却に大きく近づく」と指摘。そのうえで、それには政府が期待できる成長戦略を示し、将来の明るい希望を消費者に抱かせることが欠かせないと述べる。

 ユニクロ株も足元の評価は厳しいが、値上げ後も販売増加が続いたことがデータで示されれば、株価の反応も180度変わる可能性もある。

 MSCIのカントリー・カテゴリー変更で韓国、台湾の先進国市場への移行が見送られた。市場では「アジアでは、やっぱり日本株との評価が広がりそうだ。海外投資家をもう一度振り向かせるような材料が出れば、日本株には割安感もあり、もう一段の上昇が期待できる」(大手証券トレーダー)との声も出ている。

(貼り付け終わり)