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PIKEなMINICAR

昔々デザインをしたパイクカーたちが主人公のブログです。
ちひさきものはみなうつくし。

白い稲妻

2008年01月27日 | S12 SILVIA/GAZELLE
「白い稲妻」というキャッチコピーはS12シルビアでも使われました。しかしカタログのトップを飾ったのはハッチバックのグレー+シルバーのツートーンカラーでした。白という車体色は立体感がわかりにくい色で、白の車体色できちんと立体が表現できている車は、他の色でもしっかりしているといえます。S12のスケッチでは白い車を大量に描きました。当時は白い車が描けたら一人前などといわれ、結構難易度の高いテクニックが必要でした。なにしろ紙も白いですから・・。

白い車はカタログ写真も難しく、S12ハードトップはホワイト+ダークブルーのツートーンがイメージカラーになりました。画像手前のトミカ 1/62シルビアはパールホワイトのオリジナルモデルを箱の写真と同じツートーンに加工したもの。ベースは一般輸出モデル「NISSAN 200SX」のカタログ。外観は国内向けガゼールをさらに洗練させた好感の持てる仕立てになっています。

US110の世代まで輸出モデルは「DATSUN 200SX」と呼ばれていましたが、S12からは「NISSAN 200SX」になりました。これは日産創立50周年(昭和58年・1983年)を契機に海外での「NISSAN」と「DATSUN」ブランドを統一する大々的なCIデザインシステムを導入したためです。製品やカタログなどにも順次適用され、それらの初期の展開例がS12でもありました。

S12の群れ

2008年01月25日 | S12 SILVIA/GAZELLE
S12型シルビアの主要モデルと当時のアイデアスケッチ。トミカ1/62はハードトップ、トミカダンディ1/43と後年登場した精密なトミカリミテッド1/43はハッチバック、チョロQはハッチバック、プラモは混在、といろいろなモデルになっています。少し残念なのはトミカ1/62。S110型が1/61なのでせめてスケールをそろえて欲しかった・・。それにしてもトミカはなぜこんなにスケールがばらばらなのでしょう。大中小と3種類くらいにするといいと思いますが・・。

クレイモデルに移行する際、イメージの中心になったスケッチは当時大流行のヴェラムペーパー(厚手のトレーシングペーパーみたいなもの)にマーカーやパステルを使って描いたもの。マーカーを裏側から塗ってハーフトーンにするとか、パステルや色鉛筆のノリがいいという特徴がありましたが、インクのにじみが広がり長期保存には全く向いていない紙だということが25年を経てわかりました。

プロダクトアイデンティティー

2008年01月24日 | S12 SILVIA/GAZELLE
これはS12型ガゼール・ハードトップのテールランプ。モデルはフジミ 1/24 S12型シルビア。横に三分割されたテールランプの基本デザインはS12型ガゼールへ、縦に三分割されたパターンはシルビアへと受け継がれました。このように世代を変えながら徐々にイメージをつくりあげていくことを難しく言うと、プロダクトアイデンティティーをつくるといいます。残念ながらS12の世代で終わってしまったガゼールはS110~US110~S12の間の短い命でした。

S12型シルビア・ガゼールは初めてスケッチが採用され、1/5モデル~1/1モデルを経て、サバイバルレースを勝ち抜いて生産車になった思い出深い1台です。この時代は空気力学や車体のフラッシュサーフェイス化がもてはやされ、フロントデザインも当時最先端技術だったリトラクタブルヘッドランプが何のためらいもなく採用されました。激しい凹凸のデザインの時代から、一気につるんとしたデザインの時代に突入。技術がデザインを支配していた時代といえます。