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世界共同体憲章試案(連載第17回)

2019-11-29 | 〆世界共同体憲章試案

〈表決〉

【第60条】

1.平和理事会の理事領域圏及び副理事領域圏は、一個の投票権を有する。

2.平和理事会の決定は、理事領域圏の三分の二以上かつ副理事領域圏の過半数の賛成投票によって行われる。

3.緊急性の高い案件に関する平和理事会の決定は、理事領域圏及び副理事領域圏を通じた過半数の賛成投票によって行われる。この場合における緊急性の有無に関する判断は、理事領域圏の三分の二以上によって決する。

4.紛争案件において、紛争当事者と認定された領域圏は、その紛争に関する平和理事会の決定に際しては棄権しなければならない。紛争当事者の認定については、第2項の規定を適用する。

5.手続事項に関する平和理事会の決定は、理事領域圏及び副理事領域圏を通じた三分の二以上の賛成投票によって行われる。

[注釈]
 平和理事会では、理事・副理事を問わず、構成領域圏は対等に一個の投票権を持つが、その決定に関しては、原則として理事領域圏に優位性が与えられる。例外は、緊急性の高い案件と手続事項に関する案件である。

〈手続〉

【第61条】

1.平和理事会は、随時任務を行うことができるように組織する。そのために、理事領域圏及び副理事領域圏は、この理事会の所在地に常に代表者を置かなければならない。

2.平和理事会は、必要に応じて会議を開く。その招集は、総会または汎域圏全権代表者会議もしくは理事領域圏の一つがこれを行う。

3.平和理事会は、その所在地で会合することが困難な場合は、その任務の遂行を最も容易にすると認める所在地以外の場所で、会議を開くことができる。その決定については、前条第3項の規定を適用する。

[注釈] 
 平和理事会は、世界共同体の常設機関ではあるが、恒久平和の保障機関として、問題発生に応じて随時任務を行うアドホックな機動的活動体制を取る。そのために他の理事会とは異なる手続規定を持つ。

【第62条】

1.平和理事会は、理事領域圏の中から、抽選により議長を選出する。その他の手続規則は、理事会がこれを採択する。

2.平和理事会は、その任務の遂行に必要と認める補助機関を設けることができる。

[注釈]
 特記なし。

【第63条】

1.平和理事会の理事領域圏または副理事領域圏でない世界共同体構成領域圏は、平和理事会に付託された問題について、理事会がこの領域圏の利害に特に影響があると認めるときはいつでも、この問題の討議に投票権なしで参加することができる。

2.平和理事会の理事領域圏もしくは副理事領域圏または世界共同体に包摂されていない統治主体が、平和理事会の審議中の紛争の当事者であるときは、この紛争に関する討議に投票権なしで参加するように勧誘されなければならない。平和理事会は、世界共同体に包摂されていない統治主体の参加のために公正な条件を定める。

[注釈] 
 平和理事会の理事/副理事領域圏または世界共同体に包摂されていない統治主体が紛争主体である場合における平和理事会へのオブザーバー参加に関する規定である。


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