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世界共同体通覧―未来世界地図―[補訂版](連載第15回)

2024-03-01 | 〆世界共同体通覧―未来世界地図―[補訂版]

二 汎東方アジア‐オセアニア域圏

(12)太平洋諸島合同領域圏

(ア)成立経緯
南太平洋地域に広く散在する独立国家及び独立国家の海外領土であった島嶼が独立して成立した8個の領域圏が合同して形成される合同領域圏

(イ)構成領域圏
合同を構成する領域圏は、次の8圏である。

○メラネシア領域圏
メラネシアに属する島嶼のうち、主権国家のソロモン諸島、バヌアツ、さらにパプアニューギニアから分立するブーゲンビル、フランスから独立するニューカレドニアが合併して成立する連合領域圏。政治代表都市は、ニューカレドニアのヌメア。

○フィジー諸島領域圏
主権国家フィジーを継承する統合領域圏

ウォリス‐フツナ領域圏
フランス海外準県ウォリス‐フツナが独立のうえ成立する統合領域圏

○トンガ領域圏
主権国家トンガを継承する統合領域圏。王制は廃止されるが、王は称号のみの存在として存続。

○統一サモア領域圏
サモア諸島西側のサモア独立国と東側のアメリカ領サモアが独立のうえ統一されて成立する連合領域圏。政治代表都市は、旧サモア独立国のアピア。

○環ポリネシア領域圏
ポリネシア地域のうち、主権国家ツバル、フランス領ポリネシア、イギリス領ピトケアン諸島、チリ領の旧イースター島ラパ・ヌイが独立、さらにニュージーランドの自治領トケラウと自由連合のクック諸島、ニウエがすべて完全独立したうえで合併し、成立する連合領域圏。政治代表都市は、タヒチ島のパペーテ。

○ハワイ諸島領域圏
アメリカのハワイ州が独立を回復して成立する統合領域圏

○拡大ミクロネシア領域圏
主権国家パラオ、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島、ナウル、キリバスに加え、アメリカ領の北マリアナ諸島、グアムが独立したうえで合併し、成立する連合領域圏。政治代表都市は、グアムのハガニア。

(ウ)社会経済状況
合同を構成する領域圏は各個単独では漁業依存型の狭小な島嶼領域圏であるが、合同の共通経済計画を通じて社会経済の発達が促進される。海面上昇の危機に直面する領域圏も多いことからも、共通経済計画では環境的持続可能性を最大限に追求する。また合同共通の農業計画も、持続可能的な自給農業の発展に貢献する。

(エ)政治制度
合同領域圏は、各領域圏民衆会議から選出された同数の協議員から成る政策協議会を常設し、圏内重要課題を討議し、共通政策を協調して遂行する。政策協議会は、ハワイの政治代表都市ホノルルに置かれる。ホノルルは、汎東方アジア‐オセアニア域圏全体の政治代表都市でもある。最も広域に展開する海洋型合同領域圏であるため、合同海上保安センターを共同運用する。

(オ)特記
旧版では、日本から分立する沖縄諸島や東ティモールまで包括するアジア‐太平洋合同領域圏を提示していたが、合同するには広大な領域に及びすぎることから、沖縄と東ティモールは除外し、改めて太平洋諸島合同領域圏として提示した。

☆別の可能性
可能性は高くないが、パプアニューギニアと西パプアがニューギニアが連合領域圏として再編された場合、当合同領域圏に包摂される可能性もあり得る。また、独立気風の強いブーゲンビルはメラネシア連合領域圏に参加せず、単立の領域圏となる可能性もある。最悪の可能性として、当合同領域圏に包摂されるはずの少なからぬ島嶼が海面上昇の進行により居住困難または不能となり、独立した領域圏として成立しない可能性もある。その場合は、太平洋直轄自治圏(後述)として世界共同体の直轄下に置かれる。


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