ザ・コミュニスト

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男の議会

2016-04-10 | 時評

日本の女性が参政権を初行使した衆院選から10日で70周年だそうである(気づかず)。しかし現在、日本の衆議院における女性議員は45人(2016年3月28日現在)、10パーセントにも満たない。

政党別に見ても、女性議員の比率が最も高い共産党にしてようやく28.6パーセントという状況はかなり寒い。共産党といえども、“男女共参”には遠いようだ。

列国議会同盟(IPU)が今年2月に発表した、日本の衆議院を含む世界の国会下院における女性議員比率ランキングでは191か国中156位で、経済協力開発機構(OECD)加盟34か国の中では最下位という(2016年4月10日付け東京新聞)。記事は「ミャンマーにも抜かれた」と付け加えている。

比率ランキングの上位にはアフリカや中南米、アジアなどの開発途上国がいくつもランクインしており、女性のエンパワメントに関する限り、日本はもはや「後進国」の分類である。

日本では一票の格差問題が以前から歴史的とも言える懸案であり、こうした地域的不均等も日本の議会制度をいびつなものとしているが、ジェンダー不均等はもっとひどい。有権者の男女比率はほぼ半々であるのに(総人口では女性のほうが多い)、国民代表の男女比が10:1を下回るのでは、男性の著しい過剰代表が生じていることになる。

日本の国会は人口の半分を過剰に代表する「男の議会」である。そのうえに著しい与野党間勢力格差と、いびつにいびつを重ねた不均等議会に仕上がっている。

「民主主義」の看板も下ろしたほうがいい。ともかくも総選挙を定期的に執行しておれば「民主主義」でござる、という形式民主主義の時代はとうに終わっているのだから。

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