東京創元社の碁楽選書シリーズの最新刊、
「天下四目」(徐奉洙(ソ・ボンス)著)が店頭に並んでいた。
事前のアナウンスを聞いて、
「名著『天下五目の必勝戦略』のパクリでは?」
と心配したが、杞憂。
むしろそこで触れられている思想は、むしろ天下五目とは逆。
「アマチュアは守るべきところを守らない」
という視点からスタートし、
4子局は全て「小ゲイマ受け」で簡明かつ、
しっかり隅をキープすることを推奨。
そしてその「小ゲイマ受け」に対して上手が使う、
様々な幻惑手を一つ一つ解説し、潰していくのが主な内容になっている。
取り上げられている型(定石)は、他の置碁や、
ハメ手の本で触れられているものが多いが、
中には「こんなに事細かには解説してないな」という手もある。
第1部は上下巻をまたぎ4子局を解説。
第1章 「小ゲイマ受け」(27型)
第2章 「その他の受け方(一間など)」(10型)
ここで9子局についての解説(5型)の幕間をはさみ、
第2部では3子局も解説。
第1章 「隅にかかる」(13型)
第2章 「辺から落ち着いて」(4型)
第1章では主に高ガカリ(のみ)推奨。
第2章の「辺から落ち着いて」は3子局で隅にかかっていかない打ち方だ。
原書は1996年頃に徐プロが韓国の雑誌やテレビ向けに作った講座を
まとめて単行本化したものらしい。
「こうして隅で失敗しなければ、自然と勝てるでしょう」
というのが徐プロの主張。
「賭碁で負けないように」書いたというから
推奨しているのは相当「泣き」の入った碁と言える。
逆に模様の碁は「上手の付け入る隙が多い」と否定的なのが面白い。
盤面の話だけでなく当時の囲碁事情も随所に述べられていて、
文字だけのページもあったりと意外に文書量が豊富。
また講座の合間合間に徐奉洙小伝が39回にわたって挿入されており、
これもチラッと読んだ限りでは
李昌鎬以前の韓国の囲碁事情が触れられていて興味深かった。
ただし講座が全体が一繋がりになる連載といった体で書かれているのに、
小伝が妙なタイミング挿入されているので、
通して読む場合、ちょっと読みにくい印象も受けた。
また相変わらず盤面図が無駄に大きく、レイアウトが悪い。
尤も熱意をもって書かれた本であるのは間違いなく、
絶版になった「天龍図」を除けば、
碁楽選書の中では一番好感のもてる一冊だ。
「天下四目」(徐奉洙(ソ・ボンス)著)が店頭に並んでいた。
事前のアナウンスを聞いて、
「名著『天下五目の必勝戦略』のパクリでは?」
と心配したが、杞憂。
むしろそこで触れられている思想は、むしろ天下五目とは逆。
「アマチュアは守るべきところを守らない」
という視点からスタートし、
4子局は全て「小ゲイマ受け」で簡明かつ、
しっかり隅をキープすることを推奨。
そしてその「小ゲイマ受け」に対して上手が使う、
様々な幻惑手を一つ一つ解説し、潰していくのが主な内容になっている。
取り上げられている型(定石)は、他の置碁や、
ハメ手の本で触れられているものが多いが、
中には「こんなに事細かには解説してないな」という手もある。
第1部は上下巻をまたぎ4子局を解説。
第1章 「小ゲイマ受け」(27型)
第2章 「その他の受け方(一間など)」(10型)
ここで9子局についての解説(5型)の幕間をはさみ、
第2部では3子局も解説。
第1章 「隅にかかる」(13型)
第2章 「辺から落ち着いて」(4型)
第1章では主に高ガカリ(のみ)推奨。
第2章の「辺から落ち着いて」は3子局で隅にかかっていかない打ち方だ。
原書は1996年頃に徐プロが韓国の雑誌やテレビ向けに作った講座を
まとめて単行本化したものらしい。
「こうして隅で失敗しなければ、自然と勝てるでしょう」
というのが徐プロの主張。
「賭碁で負けないように」書いたというから
推奨しているのは相当「泣き」の入った碁と言える。
逆に模様の碁は「上手の付け入る隙が多い」と否定的なのが面白い。
盤面の話だけでなく当時の囲碁事情も随所に述べられていて、
文字だけのページもあったりと意外に文書量が豊富。
また講座の合間合間に徐奉洙小伝が39回にわたって挿入されており、
これもチラッと読んだ限りでは
李昌鎬以前の韓国の囲碁事情が触れられていて興味深かった。
ただし講座が全体が一繋がりになる連載といった体で書かれているのに、
小伝が妙なタイミング挿入されているので、
通して読む場合、ちょっと読みにくい印象も受けた。
また相変わらず盤面図が無駄に大きく、レイアウトが悪い。
尤も熱意をもって書かれた本であるのは間違いなく、
絶版になった「天龍図」を除けば、
碁楽選書の中では一番好感のもてる一冊だ。
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