対局日誌

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定石の原点(書評)

2005-08-11 22:28:09 | 棋書
定石の原点(筑摩書房:依田紀基)

初段の壁を破るシリーズ第2巻。
だが、他の2冊を紹介する機会はないと思う。

内容は度々このブログに登場する定石がわかる本と同系統。
アマチェア級位者が陥りがちな定石の失敗をテーマに、個々の定石がどう成り立っているのかを解剖している。

今回、作ってみた盤面。
これに違和感を感じない人は読んだほうが良いと思う。
4隅とも本書で「定石外れ」として解説されている形だ。

こちらで紹介したネット仲間にも、同じ依田先生の本ならこっちを薦めたい。

またこの盤面をみて「こんな打ち方する人はいないよ」と笑う人も、きちんと咎められないなら、咎める方法を本書で学ぶべきだ。
WINGの低級のみならず、上級、あるいは時には有段者にもこういう定石はずれを打って平然としている人が多いという事実は、逆に言えばこれらの手を打って「失敗した」という体感がないからだとも言える。

取り上げられている定石は基礎。
星の項目が多く、小目は少々。
高目、目外しはほとんど触れられていない。
級位のうちは難解な小目の定石などより、星の基礎定石をしっかり学んで、石の方向感覚を身につけたほうが良いという依田先生の考えか。

定石がわかる本に比べると、あまりシステマチックに解説してはいない。
むしろ場当たり的にアマの悪手を取り上げ、本当はどう打つべきかの解説に終始している印象なのは少々不満。
分量的にもやや物足りなさは残る。
しかし定石後の狙いなどは本書の方が豊富に解説されているし、定石がわかる本が気に入った人に、「もう一冊」ということならば自信持って薦められる。
これら二冊以外に、似たテーマの本はあまりないですからね。

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