「定石後の打ち方」(土屋書店:武宮正樹著)
以前紹介した棋苑図書の同名の本とは別物。
次の一手問題集形式。
白先黒先混合で、主に選択肢付き。
第1章 星の定石後の打ち方 37題
第2章 小目の定石後の打ち方 21題
第3章 定石後の打ち方・実力テスト 17題
タイトルの通り、定石後の打ち方を説いた本…と思いきや、
定石選択を問う問題や、コウの問題など、
どちらかというと「序盤次の一手」問題集という趣き。
かなり広義の意味で「定石後」という言葉を使っており、
全局図を用いた問題の方も多い。
勿論、定石後の定型についても解説しているが、
一つの型の変化を複数の問題で扱っていることもあり、
ざっと数えた感じでは星の章、小目の章それぞれで
実際に取り上げられているのは11型ずつぐらい。
特に1章の17題から37題にかけて、定石後の打ち方というより
「武宮流実戦次の一手」という感じの問題が並んでいるのは閉口した。
あまりアマの実戦で見かけない手が候補にあがっている。
「定石後」を名乗る本としては不親切。
まぁ、基本定石ばかりなので書かなくてもわかるといえばわかるが…。
ただ取り上げている定石が少ない分、多くの参考図を用いて
解説がかなり事細かに書かれている点はマル。
私は定石後の打ち方に困ることが多かった頃に、
ブックオフの100円コーナーで本書を見つけて
「まぁ、何かの足しになれば」
と思って購入したが、期待通り以上でも以下でもなかった(笑)。
同じ土屋書店の「基本手筋100」の時と一緒。
今なら棋苑図書の「星の基本定石後の決め方」「小目の基本定石後の決め方」
MYCOMの「序盤の手筋」
日本棋院の「中盤の花形戦法」といった
より洗練された本が出ているし、
また「打ち込み」に関する本や、場合によっては「定石集」でも
本書で取り上げられている内容はカバーされていることもあるので、
強いて探して買うような本ではないと思う。
古本屋でよく見かけるので気に入れば。
「星の基本定石後の決め方」「小目の基本定石後の決め方」とは形式が同じで、
また被っている問題も多いので、代用になるかも。
【追記】「星の基本定石後の決め方」とほとんど同じなのに、
評価が低いのはフェアでないので、一部修正。
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