対局日誌

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棋書評「攻めは我にあり」

2011-07-06 21:55:55 | 棋書
「攻めは我にあり」(日本棋院:新垣武著)



囲碁鉄人指南シリーズの中の一冊。

まえがきによると
四・五子局を中心として、互先にも通じる
 一間とケイマによる攻めの基本を具体的かつ簡明に解説

した本とのこと。



そのテーマに沿って新垣プロのオススメする定石や、
攻め方・取り方のコツを33の節にわたって紹介している。
1ページに常に全局図2図を用いているのが特徴。
構成は渡辺実。

私は「攻め」に軸足を置いた打ち方をしているので、
本書で解説している内容に共感できる部分があり、
プロに指導碁を受ける前に、繰り返し読んだ。

確かにケーススタディーながら先の先の変化まで具体的に紹介してくれるし、
推奨されている定石も変化が少ないものが選ばれているので、
新垣プロと志向が一致する人には参考になると思う。

先に紹介したレドモンドプロの「攻めと守りの基本」とも
相通じるところがあり、意外と相互補完性が高い。

一方で節同士にの並びに必然性がなく、全体が雑然としているため、
本を通して読んだときに肝心のテーマがボケてしまっている点が難。
構成の人は素人さんのようだ。

また本書は置碁に対する一つの「考え方」であり、
紹介している局面にしても、あくまで一つのケースであるにも関わらず、
「ここではこう打ってください」「こう覚えてください」と
「決めつけて」しまっているところがあるのが気がかり。

確かにアレコレ迷ってしまうような人には、
これくらいハッキリと道筋を示して貰った方が有難いだろうが、
一方で、考え方が硬直してしまう危険性も感じた。



例えば9子局の「簡明必勝法」として、こんな打ち方を紹介し、
「緑のエリア全部で100目以上あるので必勝です
と締めくくっているのだが、一方で
「緑のエリアの中で白が動いてきたときは殺しましょう

「それが出来たら…9子も置かねぇよ!

この他にも「取りましょう」「殺しましょう」という記述が散見され、
その方法も紹介されているはいるが、
ちょっと力がないと運用が難しいのではないかと思う。

天下五目の必勝戦略」「天下四目」など他の考え方もあるので、
それらと比べて自分の棋風に合ったものを採用するのが吉。
置碁なんて下手必勝に決まっているのだから、
その数ある必勝法の一つと割り切って、
美味しそうなところだけ取り込むべし。

そういう意味で、それを自分で判断できる
ネット碁有段者未満の棋力の人は手を出さないのが無難だと思う。
勝てなくなって囲碁がつまらなくなったら悲劇だし。


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