奈良大好き☆お勉強日記

奈良大学文学部文化財歴史学科(通信教育部)卒&奈良まほろばソムリエ検定のソムリエを取得したヒトの色々な勉強の日記です♪

七夕は吉野山へ

2015年08月21日 | 色々・モシクハお勉強
午前中は奈良市内・興福寺で7月7日限定行事に参加しましたが、
午後は吉野山(!)で七夕限定行事に参加です。
そう、金峯山寺の「かえるとび」です。

日帰りの予定だったので、吉野だけにしようと思ったものの、
こんな日は滅多に奈良にはこれまい!って思ったので、
ちょいとムリして、興福寺もハシゴしてしまいました。

興福寺をおいとまして、電車に飛び乗り一路吉野へ。
橿原神宮前での電車待ち時間におにぎりなど食べて準備万端。
ゴトゴトと電車に揺られて久しぶりの吉野です。

吉野で電車を下りて、ケーブルカーに乗り換え。
本日はお祭りの日なので、ケーブルカーもじゃんじゃん出ているのかと思ったら、
そうでもなく、定例時間のみでの運行らしい。
(要注意ですね>運行時間。特に帰りは最終運行時刻を要チェック)

ケーブル乗り場からちょっと歩けば、もう黒門。


黒門

この時期に吉野に来るのは初めてだと思う。
ゆえに、この時期ならではの吉野にびっくり。

山がカエル一色なのだ(笑)
いや、色はカラフルなんですけどね。
そこかしこに「カエル」なのだ。

というのも、「かえるとび」に乗じて、
七夕飾りが一般的なものではなく、
カエルがたくさん下がっているのでした。


カエルがたくさんの七夕飾り

おおお、七夕だし。
カエルだし。
柳にカエルみたいなものがたくさんある。

残念ながら本日は雨模様で、傘を差しながらの山登りなのですが。
雨ということで、カエルも心なしかイキイキしてます(?)


銅の鳥居

お店はもちろんのこと、
一般家庭の玄関先にもカエルの下がった笹がいっぱい。


傘の中はリアルタイプのカエルが一杯(笑)


ニコニコ顔のカエルがいっぱい☆


お店のディスプレイも柳にカエルなのだ

それらを眺めながら歩いてきたら、金峯山寺の仁王門まではすぐでした。


金峯山寺仁王門(修理中でした)


門前の御餅屋さんも勿論(?)カエルです

境内に入ってきたら、どんなにたくさんの人がいるのかと思ったら、
中央の舞台(?)の周りにはすでに待ち行列は出来てはいたものの、
思っていたよりも少なかったです。


準備万端


きらびやかな旗がハタめいてます(大塚商会風~★)

中央の舞台の前の椅子にはカッパを着て、座っている見物客の皆様。
その反対側の椅子には誰も座ってなくて、〆で囲ってあるので、
招待客用の場所なんだろうなと思い、その後あたりに立って待つことに。

待っている間は雨が降っておりましたが、
その雨が小降りになり、やがては傘が不要なくらいに。
おお、晴れ女の面目躍如か?
(でも、今年の奈良訪問は殆ど雨に降られているなあ)

そうこうしているうちに時間になったようで、
遠くからガヤガヤと御一行様が到着。


いよいよ始まりです


カエルの顔が描かれた旗もありました

この日、わたしは吉野に直行してしまいましたが、
本日は別のところでも蓮華会の関連行事がありました。
大和高田市の奥田の蓮取り行事です。


蓮の花が入ってきました

これは、役行者の母・刀良売(とらめ)にまつわる
「ひとつ目蛙」の伝承に深い関わりをもつ行事。

捨篠池(すてしのいけ)に咲く蓮の花を取り、
役小角の母・刀良売の墓に蓮花を献じるもの。

ここで採られた蓮の花は金峯山寺・蔵王堂までの間の祠(ほこら)に献じられ、
蔵王堂での「蓮華会」と「蛙とび行事」を経てから、
その翌日には大峰山頂上まで山伏さんたちが登っての途中の祠にも供えられるんだとか。


摘みたてのホヤホヤ(?)

そして、「ひとつ目蛙」とは。

”役行者の母トラメ(刀良売)が奥田の蓮池 で病気を養うているとき、
夏のある朝、トラメが池の中にまつってある捨篠(すてしの)神社に
詣でると白い蓮の花が咲いていて、葉には金色に光った蛙がいた。
トラメは1本の篠萱(しのかや)を引き抜いて、蛙に投げると、
蛙の目にあたって片目になった。池の中ににげた蛙は、
もとの土色の蛙となって浮いてきて、五色の露も消えてなくなり、
一茎二花の蓮も、もとの蓮になってしまった。しかも池の蛙は
それから一つ目になった。トラメはそれから重病になり四十二歳で死んだ。
母をなくした役小角は発心して修験道をひらき吉野山にわけ入り
蔵王権現をあがめ、蛙を祭って追善供養をした。
以来、毎年七月七日に吉野の山伏が 行者堂に来り、
香華を献じ、蓮池の蓮108本を摘み、吉野山から大峰山間の沿道の堂に供えている。”

蛙の祟り…?
どうなんでしょうか。
この行事の様子は→こちらを参考に

とにかく、小角の母に蓮の花を捧げ、道中の堂にも供え、
金峯山寺で法要を行い、さらに大峯の祠にも供えてゆくという行事だそうです。


神輿が中央の舞台を通ってゆきます


坊様たちが入ってこられました

晴れていればここで、お輿に乗せられたカエル(!)が登場するらしいのですが、
本日は雨天のため、カエルの登場は無し。

それでもカエルは本堂内のどこかから現れました(笑)
そして、足元がおぼつかないのか、手を引かれて階段を下りて来ました。


カエルさん登場♪


カエル引き回しの刑(?)

私は正面に向かって右側の方の椅子席の後に立っていたのですが、
その目の前をカエルさんは右手(本殿)から左手(シモ手)へと移動。
シモ手にペタンと四つんばいで座ってます。

なんだか、すごーい、カエルさんなのだが。
口がカパッと90度開いて(?アゴが下がって?)おり、
マンガチックな風貌なんだけど。
このカエルさんが「カエルとび」の主役。

いよいよ「蛙とび行事」です。

蛙とびとは…むかしむかし、吉野に不心得モノのオトコがありました。
吉野の山の蔵王権現や修験者に暴言を吐き、ヘラヘラしておったら…。
大きな鷲が飛んできて、その男を断崖絶壁の上に置き去りにしてしまいましたとさ。

オオ!助けてくれー!!
叫ぶ男。

降りるに降りられずそこで男が泣き叫んでいると、
さる高僧が仏の力をもって男をカエルの姿に変えて、
男は山のてっぺんから降りてくることが出来たとな。

坊様はそのカエルを蔵王堂に連れ帰り、蔵王権現の前でナムナムすると、
なんということでしょう!

ビフォー:カエル→アフター:人間

メデタシメデタシ(ちゃんちゃん)

というお話です。


カエルとび開始


向かって右の坊様の前に進み出ます


ナムナムしてもらって帰ります


次に左側の坊様の前にも進み出ます


ナムナムしてもらいますよ


戻ります


うがー(てか、ゲロゲ~ロかな)


無事に人間に戻りましたよ

この時、ドロドローンって煙の中から人間が…ってんではなく、
体はカエル、頭にかぶった被り物をとったオトコの人が…って図でして、
カエルの被り物をとった男性は、一堂にお辞儀をして去ってゆかれました(ははは)

カエルがお輿で登場して、変身(?)したシーンまで写真に収められた方の
サイトを参考になさってくださいまし。→こちらから

ちょっと見えにくい場所だったので、
最後の中央部分があまりよく見えなかったのですが、
とりあえず「こんな感じ」ってのはつかめましたのでオッケー。

待って、笑って、あっという間に終了してしまいましたが、
かなり楽しめました。


お供えの餅がいっぱい上がってました(*^^*)


吉野朝宮跡(南朝妙法殿)

これにて「蛙とび」は終了ですが、次に護摩供養が行われます。
本堂前の四本桜のさらに南側のスペースに注連縄が張られた一画があり、
こんもりとハッパが詰まれた小山が出来ていました。
ここで護摩供養が行われるようです。

しばし待っていると、山伏さんたちが四方に向かってお清めの弓を引き
(これが破魔矢ってやつか?)場を清めます。

この時、注連縄の外に飛び出してくる弓を人々が我先にと手を伸ばすのだけど、
なかなか取れません。

その後、松明に火がつけられて、丸くこんもりと盛った檀に点火。


護摩供養


点火!


もくもくしてきました

その内、風が変わるとこちら側にも煙が流れてきて、ゲホゲホ。
その火の中に、護摩木がくべられて、お焚き上げされます。

ものの10分ほどで燃え尽きました。

その後、境内をフラフラしていたら、
お片づけに入った山伏さんが、お供えの檀をくずしており、
そのお下がり品を「いらんかね~」と配ってくれておりました(*^^*)
遠慮という言葉を知らない私は、三宝の上の昆布を頂いてきましたわ。

いえ、白菜(丸ごと!)とか、高野豆腐とかもありましたのですが、
私はタビビトですので、これから遠距離を帰らねばならず、
あまり荷物を増やすのもシンドイので、軽めのものをイタダキマシタ。

あと調子に乗って「紙垂下さい」っていっているおばちゃんがいたので、
私もおこぼれで紫色の紙細工をもらってきましたし。
本堂では神札をお分けしてくださった(無料!)ので、
それらとともに大事に包んで帰ることに。

さっきまでたくさん人がいた境内もいつの間にか閑散としており、
私は最終のケーブルカーで帰らねばならんので足早においとましてきました。


「無事に帰ろう」ね

帰り道は下り坂だから、若干速いし。
最終便には間に合いました。


ロープウエーで帰ります

のぼりの時はそれなりに楽しかったロープウエーも、
くだりとなるとちょっと寂しいね>これでおさらばだし。

ってことで、久しぶりの吉野滞在はわずか四時間ほどでしたが、
堪能させていただきました。

今度はカエルさんの御輿道中も見物してみたいです♪


コメント (2)
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