奈良大好き☆お勉強日記

奈良大学文学部文化財歴史学科(通信教育部)卒&奈良まほろばソムリエ検定のソムリエを取得したヒトの色々な勉強の日記です♪

金曜日は博物館part2(トーハク編)

2014年12月14日 | 色々・モシクハお勉強
先週の金曜日(11月21日)はキョーハクで博物館でしたが、
次週の金曜日(12月28日)はトーハクで博物館の巻、です★

金曜日は開館時間が長いから…ってのが行く日を選んでいる理由ですが、
まあ、キョーハクほどではなかったですが、
トーハクも混みこみでしたよ。
むーん★

訪問したのは、午後4時過ぎ。
トーハクにたどり着いてみると、
なにやらチケット売り場が新しくなっているではありませんか。
(久しぶりに来たから、初めて見た)

従来の出入り口の右手側に、チケットを売る窓口がずらっと並んでおり、
前よりも待ち行列削減に役に立っている様子。
(まあ、私はパスポートを持っているので、入場券を買う必要はないのだけど)

入場口から平成館へ向かうと見えてくるのが待ち行列。
はい、入館までに50分待ちだそうです。
んでもって、金印を見る行列が30分待ちだそうで。

はいはい、もう慣れました>並ぶのも。
待てばいいんでしょ、待てば。
本日は友達と行っていたので、
おしゃべりをしていたらあっという間。
50分もかからず入館できました。

入館してエスカレータで二階へ。
そして、会場へ。

第一章は「仏を信じる」

まず最初に見えてきたのが「仏足石」です。
はい、薬師寺では講堂の弥勒さんの裏にポンと置かれている(笑)もの。
いつもいつも、ほぼ素通り(をい)なもんですから、
こんなに多くの人々に、熱い視線を投げかけられているのを見たら、
「近所の○○ちゃん、東京行って、まあ~有名にならはって…」みたいな感じ(笑)

んでもって、二番目に見えてきたのが「玉虫厨子」
これは法隆寺に行けば会えますわねえ>結構見てます。

とまあ、のっけから「なじみのあるもの」が並び、
「日本国宝展なんだか」、「奈良の宝物展」だかよーわからん状態になってしまいました。

その後も「東大寺金堂鎮檀具の陽剣&陰剣」
(光明皇后が大仏に奉じたといういわくつき)とか、
「興福寺金堂鎮檀具」とかが並び、ますます…奈良だわ~ってなもん。

まあ、時代順に並べていけば、最初の方は飛鳥時代であり、奈良時代であるので、
のっけが、馴染みの深いもので占めていても仕方がない。

そのうち、平安時代の「綺麗な装飾を施された写経」だの
「草紙に描かれた地獄や餓鬼」だの、
美術品として見ても楽しめるものが並んでいきました。

第二章は「神を信じる」

ここで並んでいたのが、あの、国宝指定の土偶五体、揃い踏みです。
私がこの日を選んだ理由の一つがコレ。
国宝指定の土偶がすべて揃っている時期がごくごく短かったので、
そのめがけて出かけたかったので。
(それゆえ、他の人もそう思ったのか、この日の人出は多かった~)

ということで、見ます>土偶。
まさになめるように、四方八方から。
そして、判ったこと。
縄文のビーナスと呼ばれる腰まわりが誇張して作られている土偶がありますが、
あの像は正面からの姿は目にしたことはあっても、後姿を見たことはない。
ということで、その像の後ろにくるりと回り込んだら…。

前から見ると巨大に誇張されたふともも、
横から見ると女性特有のS型になるゆるやかな背中と腰のライン。
そして真後ろから見ると、ちゃんと臀部がプリンと造形されていることを発見!!
うわ~い☆これは本物を見ないと判らなかったことで、
このプリンとしたお尻は確かに国宝ものだ(笑)

そのほかの「仮面の女神」の巨大なふとともや、
縄文の女神」のパンタロン&カフェエプロン姿を堪能し、
中が空洞に作られた「中空土偶」や
手を組んで祈りを捧げる「合掌土偶」も拝みました。
(合掌土偶さんは指が六本あった☆)

いやー、土偶は確かに楽しみにしていたけど、
これほどまでにコーフンするとは思ってなかった。
いやいや、いいモンを見たわ。

その後は藤ノ木古墳の埋葬品や、
僧形八幡神像&神功皇后像など御馴染みのものが出てきてホッと一安心。

第三章は「文学、記録にみる信仰」

ここであったのがアノ、金印です。
志賀島で出土したという、あの金印。
「漢委奴国王(かんの・わの・なの・こくおう)」ですわよ♪

教科書で見たあの金印。
夢にまで見た(ウソ)あの金印。
ここでもグルグル並びが出来ていたけど、せっかくだから並びます。
(遠巻きで見るだけでいいのであれば並ぶ必要はないのだけど、せっかくだからね)

ここも行列30分とかプラカードを掲げていたけど、15分も並んだら見られましたよ。
(トーハクは待ち時間の読みがアバウトだわね
>まあ、短かったので文句言うのは間違ってるけど)

そして、一番前で見た金印の感想は…。
「ちっちゃっ!!★」

いや、教科書の写真も、その他記憶にある写真でも、
フツーの会社印くらいの大きさくらいはあるのかと思っていたもんで。
大きさは、一辺が2.3センチ、重さが108gだそうで…。
小指の先に載ってしまう”小ささ”です。

それが実物を見て、小ささがわかっても、その「偉大さ」は変わらんもんだなと。
いやー、金の輝きは二千年を経ても変わんないです。
金おそるべし。

しかし、こんな小さいものなのに、見つけた農民はぐっじょぶ!
私ならば見過ごしてしまいそうだもん。

いやー、土偶で上がったテンションも凄かったが、
金印もそれに勝るとも劣らず。
えがったえがった、やっぱり今日来て正解だった。
二つとも見れたしね。

そこからは『日本書紀』だの『源氏物語』だの馴染みはあるが、
字が読めない(笑)書物ものの世界。
それでも「信貴山縁起絵巻」だの『日本霊異記』だの、見知った顔(?)もありました。
こういうのはテキトーに絵を眺めて楽しむのだー。

第4章は「多様化する信仰と美」

ここらへんは鎌倉→室町あたりのお品が並びます。
「山越阿弥陀図」や「雪舟」、仏画や山水画なので見ていればそれなりに楽しめるスペース。
後は舶来品だけど、日本の国宝となっているものの数々。

中でも「支倉常長像」の美しかったこと。
慶長使節団として海を渡った支倉常長はあちらで洗礼を受けて、
キリシタンとなったのですが、その祈りの姿が現地で描かれたもの。

帰国した頃にはすでにキリスト教禁止令が出ていましたから、
持ち帰ったこの肖像画や、キリスト像、十字架はご禁制の品。
しかしこの絵は額から外されて、折りたたまれてはいたものの、
焼いたり破棄されたりせず、この21世紀まで伝わっていますから、
その当時の人にも「残さねばならぬもの」という意識はあったのかもしれません。
隠して、残しておいてくれた当時の人、グッジョブっ!

そして、第5章は「仏のすがた」

展示室最後の部屋は見て判りやすい「仏のすがた」です。
奈良からは法隆寺の広目天と、興福寺の多聞天、奈良博の薬師さんが出張して、
これぞまさしく”ブツぞーだぞー”って空間を作り出してました。
(なんのこっちゃ)

そして、今回の国宝展のパンフレットでもドドンと載っていて、
国宝展の「顔」となっていた「善財童子」キター!
それからそれから、持ち運べる国宝・五重塔@元興寺、キター!!

善財童子はもともと阿倍文殊院でも「ちょっとそこまで、行って来ますね~」
って風情で、一行から外れて寄り道しそうな雰囲気。
それを獅子さんに「おい、チビ、どこ行くねん?」って咎められている雰囲気(笑)
でも今日は、お獅子さんも、文殊さんも、他のお付の人もいないので、
寄り道し放題のご様子です>若干ノビノビしてる感じがする(はっはっは)

こちらのサイトでは、
善財童子が「あら、元興寺の五重塔さんも来てるわ~ご近所じゃん、ちょっと行ってみようかしら」
って図が見られますよん。(なんのこっちゃ)

その五重塔は、不動産じゃない「動産の五重塔(謎)」で、
これでもれっきとした国宝(ゆえに「日本国宝展」に出てるわけだが)

この五重塔は、本物の塔を建てる前の縮尺模型で、
各地で国分寺が造られる際に、雛形として持ち込まれて、
実物を作る前にこれでお勉強をしてたのではないかとされているもの。
それゆえ、細部にわたるまで本物同様に作りこまれているし、
内部構造も手抜きなしに作られているんだとか。

あとは「阿弥陀さんのお付きのお二方(観音&勢至)」による、
「お迎えに上がりました~」のお姿とか、
目で見て判るもの。

まさに、仏のすがた。
死んだらこうやって迎えに来てくれるのよね~ってのが一目瞭然。
ぜひとも、お迎えに来て欲しいもんです(熱望)

は~これにて展示はおしまいです。
満腹まんぷく。

今回は、あんまり仏教美術とか、歴史とかと縁がない友達と一緒の鑑賞でしたが、
「巻物とか、古文書とか読めないから判らないけど、
最後の最後で見て判りやすいものが出てきて楽しめた」とのコメントに、
この並びは「最後で、わかりやすいものを見て、感動して、帰っていただく」
には最適な並び(レイアウト)だったのかもな…と思いました。
やるじゃん、トーハク☆
(ちがう?)

会場から出たすぐの場所には音声ガイド返却場と、
次回以降の展示のリーフレットが置いてあるのですが。
そこでなにやら見慣れた文字が…。

『特別展 鳥獣戯画 京都高山寺の至宝』
はあ~?先週見たばっかりですがな。
てか、キョーハクで終了してるでしょ?

むむむ…よーく見てみると…。
東京国立博物館平成館 2015年4月28日(火) ─ 6月7日(日)
きゃーーー!
これって巡回するものだったんだ(涙)
あんなに苦労して見たっていうのにぃ!

しかしだな、キョーハク(京都)ですらあんなに混むんだ。
トーハク(東京)ともなれば、もっともっと混むに違いない!(断言)
京都で見たのは正解だったと信じたい。

ってか、京都で見逃した部分も、トーハクに来たら、見れるわけ?
あら~それはそれで朗報じゃない?
(すっかりその気のアタクシ)

で。
帰りには、またまた行列しながら、金印のクリアファイルやら、
絵葉書やら、国宝!って表面に書かれた「千寿せんべい」(笑)やらを買って、
はーやれやれと思ったら、なにやら、ガチャガチャの前が大混雑。
ガチャガチャってのは、お金を入れてレバーをまわすとカプセルに入った
おもちゃが出てくるというアレね。

それには、先ほど見た土偶のフィギュアが入っているらしいのですが、
ガチャガチャゆえにランダムに一個フィギュアが出てくるのです。
「あー、また同じのが出た~!」
「きゃー!出た出た!」
「○○もっている人~交換してくださーい!」
「え?いいんですか?ありがとうございますっ!」
イイ大人がカプセルを手に手に阿鼻叫喚です(笑)

なにやら、グッズを買う間、わたしを待っていた友達がそれらを見ていた光景では、
・補充するそばから大人たちが”オトナ買い”するもんだから、補充が追いつかない
・オトナは金を持っているので、次から次へと金を投入している
・しかし小銭は持ち合わせが少ないので、買うに買えない状態
・頼みの綱の両替機は過激なまでの稼働率にネを上げたのか故障中
・欲しいのが出るまで買うという子供には見せられないお姿…

なんだそうなんですよ(笑)
しみじみガチャガチャのパッケージを見てみたら、
おおお!さっき感動した「縄文のビーナス」があるじゃん!
しかもフィギュアってことは、その造形において、忠実に再現しているはず!
やる!!(笑)
絶対にやる!!

「縄文のビーナス」はいろんなグッズにもなっていて、
ぬいぐるみやら、クッションやらになっていたのですが、
なんと、こともあろうに、一番重要であろう「臀部」が再現できてない(プンプン)
じゃ、要らないわ!

でも、あの臀部は捨て難い…図録を買っちゃおうかしらと思ったものの、
中身を見たら、なんとこともあろうに、後ろから見た姿が写ってない!
立体造形物を正面からしか写さないなんて、いったいぜんたいどういうこと?!
ってことで、図録も買ってあげませんでした。
あの臀部を捨て置くなんて~。

って、そこへきて、この朗報(?)ですもん。
やりますよ、やります。
なんてったって、博物館実習に行って、勉強そっちのけ(?)で、
アホのようにその博物館で売っていたガチャガチャを買い占めて
弥生式土器だの、踊る埴輪だのを机に並べて悦に入っていた過去もあることだし(ははは)
(→証拠写真(笑)
その時以来の血が騒いだのだな。
財布の中身をひっくり返して、小銭をあさってイザ!がちゃがちゃ!

一回目は「縄文の女神」女神はあってるんだけど…。
二回目は「仮面の女神」仮面はいらんのだけど…。
なかなか目的のブツが出ません。
それでも私は諦めなかった!

三回目で、三度目の正直。
見事、「縄文のビーナス」をゲットしました!
やったーってことで、そこで打ち止めにして、そそくさと会場を後にしました。
(家に持ち帰ったらダンナに、
「何で全部そろえなかったの?」といわれましたけどね★)

いやー、実に満足まんぞく。
たくさん並んで、たくさんの人をかき分けて見るものも多かったけど、
それだけの満足感はありました。
行ってよかった~。

まさに、百聞は一見にしかず、ですわね。
本物はやっぱり凄い。
見てよかったです。
ビバ☆国宝
コメント (2)
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