奈良大好き☆お勉強日記

奈良大学文学部文化財歴史学科(通信教育部)卒&奈良まほろばソムリエ検定のソムリエを取得したヒトの色々な勉強の日記です♪

金曜日は博物館(キョーハク編)

2014年12月06日 | 色々・モシクハお勉強
午前中はたっぷり東福寺を堪能し、午後からは京都国立博物館(キョーハク)へ。
京都駅へ戻るのも面倒なので、テクテク歩いて北上して、キョーハクを目指しました♪

そして、ついてみれば長蛇の列!
まあ、それはおりこみ済みなので良しとして。
「入館待ち行列70分、鳥獣戯画前まで30分待ち」
ムムム…。
さすがはキョーハク、あなどれん。

時間はとりあえず昼過ぎでしたので、腹ごしらえを。
キョーハクのCAFEでパンケーキセットなどはぐはぐ。


(パンケーキ一枚追加しておけばよかったなあ…途中でおなかすいちゃったよ★)

外のテラス席で待ち行列の人を眺めつつ食したのですが、
列は進むが、並び始める人も多いので、常に人の数は一定。
うむむ。
さすがはキョーハク。
あなどれまじ。

ランチタイムが終わっても行列は一行に縮まらないので、
先に「平成知新館」に入ることに。

二年前に来た時にはドンガン工事中でしたが、
このたび目出度く竣功となり、今回お初の入館とあいなりました。

出来立てホヤホヤの超「新館」だけど、常設展が入っている館。
奈良博とは異なりますね。
(奈良博は企画展が新館で行われて、常設展が旧館だから)

しかしこの新館、奈良博パスポートでも入り放題!
(全国四つの国立博物館の常設展は、タダで見られます)
キャッポー。

中は薄暗い(笑)三階建て。
エレベータで一挙に三回まで上がると、そこからはぱらだ~いす♪

会場入って一番最初に目に入ったのが、
「栄華物語」の冊子を積み重ねた形を模した焼き物、”色絵栄花物語冊子形硯箱”。

かぱっと蓋を上に引き上げて開く形の硯箱で、
そのカパっの部分が、栄華物語の冊子を積み上げた形をしているのです(謎)
すごーい!!
こんなの作っちゃう人がいるんだ、というか、こんな造形を考え付く人がいるんだ。

こういうのは京焼というんだそうで。
茶の湯が流行すると、茶碗などを自分の趣味に合わせて作るのが流行し、
その望みをかなえるために陶工を京へ呼び寄せて作らせていたそうな。
茶の湯なんぞを好む武将やおおだなたちはそういうものに細かい趣味を発揮するので、
多種多様なものが焼かれて、職人も頑張っちゃったんだそうで。

京焼のすごさは、手桶を模して焼いた
「色絵銹絵染付菊唐草文手桶形鉢 寶山印」などの、
異質なものを焼き物で作ってしまうってところ。
桶なんて普通木で造るものだけど、その造形を模して、
焼き物で作ってしまうんですの。
(見てるほうとしては、何故こんなものを陶器で作る必要があるのだ?状態なんだけど)
そうなんだ、そうなんだ。

京都で焼いた焼き物だから、京焼きってだけじゃなくて、
そういう手間ひまかけた遊び心と技で出来ているものなんだそうで。

すでに一発目でこんなものたちを見せられたあげく、
次々繰り出される逸品の数々に圧倒されるばかりです。
仁清とか、乾山とか、初代六兵衛とかとか。
(さっぱり判りませんが★)

ほら、いつもは土偶だの、土器だの、埴輪だのを見ることが多いので。
いや、好きですよ>埴輪。
でも、やっぱりそこらへんが、奈良博(奈良)と京都博(京都)の違いかと。

そんな感じだったので、次に「考古」が出てきたら妙にほっとしてしまいました(笑)
馬具とか、銅鐸とか、鏡とか~☆
なんだかほんとに落ち着くわ~とかのんびり思っていたら、

「藤原道長経筒」!
「小野毛人墓誌」!!
「威奈大村骨蔵器」!!!

おおお!
こんなところで再会するなんて。
オドロキのサプライズ。
ノックアウトです。

かと思うと「平安宮鬼瓦 京都市平安宮跡出土」なんて
「ここでしか出土しないもの」もばっちり。

夢見心地のうちに、二階、一階をさすらい、
書跡だの、絵巻だの、仏画だのを楽しみ、もう既にアタマはおなかイッパイ状態。

中でも「重文 宝誌和尚立像」は教学の仏像にも遭遇できたし、うはうは。
漢字を読むとなんのこっちゃだけど、
こんなにインパクトある仏像は滅多にないぞっていうアレですよ
>顔が真ん中から割れて、更なる顔が現れるってアレ(っていうな!)

まるでシュワちゃんの「トータルリコール」で太ったおばさんの顔が割れて、
中からシュワちゃんが出てくるってアレをホウフツとさせるお姿。
(どーゆー説明だ)

途中、鳥獣戯画の映像をビデオ上映してくれるというので、
講堂でその映像も楽しんだりして。
たっぷり40分ほど見せていただきました。
これで予習はバッチリ(笑)

それらも堪能して、出てくると既にお日様は沈もうとしていました。



さ~て~とぉ、いよいよ本番のちょーじゅーぎが~並びましょうかね♪
と例の列方面へ向かうと…。

んンっ?!
「入館まで70分、鳥獣戯画前まで30分待ち」
変わってないじゃない!!
(手抜きか?情報更新してないだけ?)

正倉院展はレイト入館開始時間直前に入るのが一番空いているってのに、
その技がキョーハクでは通用しなかったのだ。
さすがはキョーハク(謎)
侮れないねえ(こればっかり)

今日は金曜日なので、開館時間は午後8時まで。
現在の時刻は4時35分。
………しょうがない!
並ぶか!

その後はひたすら並んで進んで、待つことしばしの55分。
5時半には入館できました。
(この頃には会社帰りの人たちもチラホラ来てるころでしたね)

高山寺って何?状態で行った割には大変楽しめました。
(をい)

高山寺ってのは都の西北にある古寺。
鎌倉時代に明恵上人が後鳥羽上皇からこの地を与えられ、華厳興隆の場としたもの。
時は末法の流行中、念仏を唱えれば…の時代であり、
そんな動きに明恵さんは対抗するように、さらに戒律を守る日々を送った人だとか。

奈良とのつながりでいえば(何でも奈良と結びつける)
釈迦への思慕から天竺へ渡って仏跡を訪ねようとしたものの、
春日明神のご神託により、それを断念した。
(行くべからず、と出たのか)

展示は明恵上人の直筆や、仏画・仏像を眺めて進み、
途中明恵さんの夢日記などが展示されていてニンマリ。
かくいう私も夢日記をつけておりまして、夢ですから荒唐無稽な内容が並ぶのだが、
日中の出来事が出てきたり、それが発展していたり、時には正夢があったり(!)と、
結構つけておくと楽しいのであります。

そして結構見てきたなあ~って思った先が例のグルグル並び待ち行列。
いよいよ、真打登場の鳥獣戯画エリアです。

狭い展示スペースを使って、そこの最後の部分に本物の鳥獣戯画がガラスケースに鎮座ましましてて、
そこをめがけてグルグル並びが十重二十重(←誇張ありです)

まあ、天井付近には展示されている「はず」の鳥獣戯画の拡大したパネルが貼ってあったり、
鳥獣戯画の調査でわかったことが掲示されていたりして、それを眺めながらグルグル進むと
20分ほどで本物にたどり着くという仕組み。
思ったほど苦痛ではなかったです。

奈良博の今年のぐるぐる並びでは激怒したアタクシですが(ははは)、
このグルグルならびは、ちゃんとレーンが作られていて、ここから並びまーす、
並んで待ちまーす、待った人だけ最前列で見られまーすってのが理路整然としていたので、
「止まらないでくださーい」「歩きながらのご観覧でおねがいしまーす」
の連呼にもそれほどムカッとしませんでしたわ。

鳥獣戯画はガラスケースに平置きされているので、一番前まで行かないと見られないし、
二列目ってのが用意されているわけではないので、並ばなくてはいけないという必然性があるし、
並びさえすれば自分の前には誰もいず、立ち止まってじっくり見ることは叶わなくても、
目の前に、あの、ウサギさんが独り占め!ではないか!
ってことで、とりあえず並びます。はい。

会期中にかけかえがあって、私が行ったのは後期。
さて、どんなのが出てくるんだ?(調べないで行ったのかよ)

いよいよ本物とご対面♪
と思ったら、私が一番気に入っている「猫」さんが出ているパートが出ていました!
(え?お気に入りはウサギさんじゃなかったの???(笑))

ひっくりかえったカエルさんとを心配そうに見ている集団を遠くから、
振り返ってニマっと笑った烏帽子姿の猫さんが超ラブリー♪
その猫さんをウサギさんの隠から「いるね」と覗き見してるネズミさんもラブリー♪♪

仏事を執り行う猿のボン様と、拝んでいるホトケサマはカエル(!)
荷物を運ぶカエル&ウサギに「オーエス&オーエス」と扇子を振って音頭をとるウサギ。
今回は会えなかったけど、猿の背中を流してあげる(?)ウサギさん。
みんなみんならぶりーだ~。

この時代から「擬人化」なんて手法があって、
「ポンチ画」の原型のような漫画風の構図と題材。

「猿の背中を流すウサギ」は前期しか出てなかったんだけど、
烏帽子猫さんは後期にかかっていたので、後期だけでもいっかって気分に。
とりあえず、猫さんも、ウサギさんも、カエルも、猿も、楽しめましたわ。

ちょー有名な箇所は例のグルグル並びに並ばねばなりませんでしたが、
それ以外の箇所については「順路はごぜいません」「見やすい場所からご覧下さい」
「ご覧になりながらお進みくださーい」「譲り合ってご覧下さい」の連呼。

ちゅうことは「何度でも、並びなおしてみたら、何度でも、見られる」ってことよね?(ニヤリ)
ってことで、5度くらいは行ったりきたりしながら何度も何度も堪能しました。
(グルグル並びだって、一度見た人でも並びなおしてみている人もいましたわよ)

要は動きつつ、人の邪魔にならずに、進みながら見て、さっとひいて、
再度あたまから並びつつ見れば、何度でも堪能できるってわけさ♪
こんなのは「空いたところから見る」「混んでいる所は後回し」をしていけば、
どんどん時間の短縮になるし、空いた空間を見られるしいいことづくめなのだ。

最後の展示で見た「犬さん」はつぶらな瞳をしていて思いっきり可愛かったですわ。

はー楽しかった。
名残惜しかったけど、思い切って会場を出て、
鳥獣戯画の豆本がついている!ってのが決め手となって、
おもーい図録までお買い上げ(笑)
はー、満足、満腹(万福)

会場を出たら、しかしそこにはまだまだ長蛇の列が…。
その頃すでに7時半過ぎ。
なのに表の看板には「入館まで60分待ち」の掲示がそのまま。
そんなに待ち時間があるかどうかは判らないけど、
今すぐ入館しても、あと30分ないくらいなんですが…。
それでも並ばせますか?
あの人たちは入館できたんだろうか?
(こっそりさらに時間延長?)

この日の午前はお寺で、午後は博物館で、
せっかく京都にいるのに、ごくごくピンポイントな箇所での活動でしたが、
超密度の濃い、楽しい時間を過ごしました。

秋の京都なんて、久しぶりだったもんなあ。
やっぱ京都の秋はすごいわ。
人出も凄かったけど(笑)

しばらくは奈良でいいわ(はっはっは)
ということで、翌日は奈良なのである(笑)

博物館のたびはまだまだ続くのでR。
(以下つづく)

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