奈良大好き☆お勉強日記

奈良大学文学部文化財歴史学科(通信教育部)卒&奈良まほろばソムリエ検定のソムリエを取得したヒトの色々な勉強の日記です♪

博物館実習OB会★第5回目

2012年08月05日 | 奈良大学お勉強日記
そしていよいよ、今回の旅のメインイベント
>博物館実習OB会です。

わたしが実習生として参加したのは今を去ること5年前の2007年でした。
もう暑くて暑くてどうしよう!!!と思っていた大阪在住の時でしたので、
何しろ暑さ対策をどうしようとばかり思って、実習そのものの対策は全然
していかなかったのですが(あははは)

暑さで記憶が飛んじゃっているので、過去のブログを見てみたら…。
一日目の午前はなんと雨が降っていたらしい(全然記憶にない)
とりあえず一日目の内容は座学中心だったので、館長さんのお話を聞いて、
その当時、解体修理中だった椎葉村の民家を見学して終了。

午後からは移築民家の概要を聞き、茅葺民家の基礎知識など仕入れて、
各民家を見て回り、それぞれの特徴などを見学。

一日目は「学習」で終わりだったのだな。
なんか記憶ではもっとまじめに「掃除&掃除」をしていた覚えがあるんだけど。

二日目は午前中は曲がり屋周辺の野外清掃。
草引き、竹やぶ払い、縦横無尽に生えている草の刈りこみなどなど。

午後からは屋内清掃。
はたきをかけ、雑巾がけをし、仏壇を拭いたり(!)床を拭いたり。
その後、白川の合掌造りの二階に上げてもらって
実際のボランティアさんが普段やっている説明を聞かせてもらいました。
あとは、敷地内唯一の冷暖房完備のプレハブで、この博物館設立に尽力された
鳥越教授の業績をまとめた資料展示を見たり。(白川と二交代制で実施)

そして3時からはお待ちかねの水野センセのまとめのお話。
最後はみなさんからの一言があって解散ってことでした。

今年のプログラムも、私が体験したのとそんなに変わりはないかなと。
でも私が参加したのは、通信ができてからの博物館実習の二回目で、
栄えある一回目に参加できなかったのは残念に思ったのだけど。
(いや、自分が「総論」と「各論」に合格できず、博物館実習2に
進めなかったゆえのムクイなんで、しゃーないんですけどね)

しかし、そのせいで(?おかげで?)
「こういうご縁」があってOB会なんてものに
参加できているので、何が幸いするかわからんもんです。

それに第一回目の実習の時は、「近つ飛鳥博物館」での実習はなくて、
「弥生文化博物館」と、ここの「民家集落博物館」だけだったんだとか。
三館まわってみると、それぞれの特色があるので、二者択一ではなく、
三者三様を見ることができて、ラッキーだったかもしれません。

今回も午後からのみ参加(すみませんねえ、いつもぎりぎりに登場で)
会場入りした時には、すでに参加者とOB名簿による出欠状況が
読み上げられているところで、「あ、噂をすれば…」という状況での
到着となった模様。(どんな噂だよー)

とりあえず一時から実習生さんたちに合流して、掃除のお手伝いです。
今年は民家のわきの溝掘り(泥あげ)とか、落ち葉(堆肥)撒きとか、
民家の屋内清掃とかあったのですが、行く先々で手が足りているようで…。
道具に対して、OB人があぶれるというのの連続。

まあ、実際に作業するのは「実習生」さんが優先。
我々は冷やかし半分の、単位がもらえない、お情け参加組なのですから。
実際に作業しないとわからないことも多いだろうし、
あちらさまはそれでレポートを書かねばならんのだから!

ということで、現場監督のお役人よろしく、あっちをうろうろ、
こっちをうろうろしながら、視察の旅へ(笑)
ぐるっと一周してきたら、能勢の民家の屋根が葺き替えてあってきれいに
なっていました。おおう、すごい。カマドに火を入れている
ボランティアさんには「こんな風に葺き替えたんですよ」と掲示してある
写真を見せてもらいました。
曽爾高原からススキを刈ってきて使用するんだそうで、
その際「ここからここまでは××んの」とかちゃんと縄張りがあるそうな。
材料不足ってのもあるのよね。

結局ぐるっと一周してきたら、白川の民家で大量の障子貼りをしている
集団に遭遇。しかも人数は足りてるような、足りてないような…。
ようやく、お手伝いする場所が見つかったようです♪
午前中で古い障子紙をはがして桟を洗い、乾かしてあったので、
それに新しい障子紙を切って、貼って、ぺたぺたして。
まあ、若干歪んでいるところもあるのですが、それもまた御愛嬌。

そういえば私たちが実習生だった時、どこかの民家の障子貼りしている
グループがありましたなあ。しかも、その障子の木枠を破損してしまって、
いきなり「文化財修復学の実習」に突入することにもなったりして(笑)
まあ、それも今となってはいい思い出です。

しかもここ、初めてのOB会でも、ここの障子貼りってしたなあ
>二階の窓に障子をはめる際に、表か裏かでもめたような…。
もうすでに蜃気楼のような熱さの向こうにかすむ記憶ではありますが。

パリンとした障子紙に貼り替えられた窓は若干明るくなり、
これでしばらくは大丈夫(?)どうせまたここの障子の貼り替えは、
われわれがすることになるんだし(笑)
少しくらい見栄えが良くなくたって、勘弁してねーって感じ。
きれいになった、きれいになった(自画自賛)

そういえばこの五年間に、ここの敷地内、かなりキレイに整備されましたね。
一番目についたのが、民家の案内表示板。焼印でやっているのか、とても
きれいなデザインで、各民家の図を載せて「←表示板」ができてました。
あれだってタダじゃないだろうに。(すべてはカネだ)

それこそ椎葉村の解体再建工事だって無事完了したし、
小豆島の歌舞伎舞台だって前よりきれいになっている。
いたるところに舗装されたスロープができているし(かつてはなかった)、
わたしたちが実習に来た時よりも、はるかにキレイに整備されています。
これも、館長さん始め、関係者の方々、そして手弁当のボランティアの方々の
尽力のおかげなんだろうなあと思います。

わたしなんて、年に一回、それも、ちゃっかりこんな時にしかこない、
猫の手にもならない程度のお手伝いしかしてませんが、
それでもクソ暑い季節に来館者数が減る頃、
まとまって20名プラマイくらいの入場者数と、
若干の入場料があがるならばとせっせと通っております。

そう、そんなお話が水野センセの今回のお話でもありました。
掃除が終われば、3時からは水野センセのまとめのお話です。

博物館実習の水野センセのお話といえば「ヤンシャオ遺跡と現地保存」
なんだけど、今回はヤンシャオ遺跡の話はなくて。
某知事になってからの「削る、やめる、つぶす」の文化軽視の話から。

わたしたちが受講した時は、指定者制度が発足して、
どんな人が博物館経営するのかわからないなんて状態が発生!なんて時期だった。
その後、某知事になってからは「この博物館は売上が良くないので廃止にしましょう」
なんて発言も出てきて溜息の連続。

まあ先方としても、まずは敵情視察(笑)からってことで、
彼らが博物館に来たんだとか。

某博物館に行って、入館者に突撃インタビューを試みたところ。
「この博物館へはよくこられるんですか?(どうせこんなとこ人けーへんやろ)」
「わたし、よくこの博物館きますよ」
「え?(なに?)どれくらい来るんですか?」
「えっと、年に4.5回はきます」
「え?(絶句)府民の方ですか?」
「いいえ、××(大阪府以外)のもんです」
突撃インタビューに答えてくれたおばちゃん、グッジョブ!
まるで仕込みでおいておいたような人材がいてくれてよかったよかった。
わっはっは痛快つうかい。

でも、某有名建築家さんにお願いして某館を作ってもらった所へは、
カノ人は行ってないようで。
(”権威”には弱いのか、某建築家さんから手が回ったのか)

そして、本館・民家博にも来てないんだとか。
もともと大阪府が金出して造ったものやないし…ってことなのか。
ということで、この館の成り立ちをツラツラとというのは、毎度の通り。

「不要な箱モノは無くしましょう」というわけで、
博物館は予算を削られ、目標人数(目標収入)が設定され、
その数字をクリアしないと「即、ボッシュート!」になるんだけど。
何故か某館では毎年それをクリアしてきた。
しかし、今年はどうしてもそれがクリアできそうにない…さてどうしたもんか。
ってことで打ち出した秘策が「水野センセにしゃべってもらうこと」(笑)

「水野センセがしゃべる」というとそれだけで、全国から人が来るという事実。
(はい、事実の証人が、ここにも一人いるのだがね)

パンダ並みに集客力のある水野センセですから、
「しゃーない、しゃべったる」と水野センセの連続講義というものを設けたら、
なんということでしょう。
目標数5万5千に5千も足りなかったのに、楽々クリアして余りある、
5万8千人の来館者があったんだとか。恐るべし水野マジック!

「ぼくに会いたい、顔が見たいって人は開演の二時間前から並ぶんですよ。
そのためには、数時間前から会場を開ける準備をせなあかんので、
そのための人件費ってのものいりますやろ」確かに。

「年寄りは無料になるってのがありますけどな。年寄りはあの世へは(金)持って
いけないのですから、それを放出することも必要なんですよ。
入館料があんたんとこはタダにならんのか?っていいはるひとがいますけど。
年寄りこそお金を使ってもらわないとね」
水野センセの講演会を聞きに&顔を見にくるひとたち(あたしもそうだが)は
そういう世代の人が多い。そういう人にこそ、お金出してもらわないとね。

入場料とるってのは博物館側のメリットのように思われることもあるでしょうが、
入場料を取るからには、入館者数を集計して、売上金を管理して、それを報告書
にして、提出して、銀行に行って…と手間がかかってしゃーない。
だったら無料にしてしまう方が、経理や、総務にかかる人件費を削れて、
かえって経費節減になるという逆説がなりたつと。ふむふむ。

これは実習生さんの感想を述べる時間になってから出た意見なんだけど
「わたしもそろそろ入館料無料になる年なんですけど、図録とか買って、
少しでも売り上げに貢献したいと思います」
という方がいらっしゃいました。
私も友の会カードで入館させてもらってるけど、何かの足しになればと、
図録よーく買ってますわ(重いのに。漬物石並みの重さ&広辞苑なみの厚さのもあるけど)

センセは病気をしてから時間に正確になったせいか、
講演時間に「正確」になられました。
懐中時計を前にして「ってそろそろ時間かな」って自分で話すのを終わるという
芸当を身につけられたようでして。
いつもはかるーく時間オーバーして、周囲が時計とにらめっこをして
そわそわドキドキするんですが、ちょっとそれもないのが寂しい感じ。
でも、なんかキレイにまとまってお話は終了です。

そのせいか、今年は実習生さんたち全員が一言ずつ述べる時間があって、
水野先生も、我々OBも全員で拝聴。
実習を管理する小島センセにも「皆さん年々レベルが上がっていってらっしゃって…」
といわれる通り、「あたしたち、あんなにまじめにしゃべったかなあ?」
ってものでした。(あはは、あたしたちの時代は”実習生の先頭の方”ですから、
レベルが下の方でしたね。おーほほほほ)

すべての実習が終了して、OB会恒例の写真撮影。
長屋門@元塩爺のおうちの前で、ハイポーズをするのですが…。
水野センセはというと、出入り口付近に設置されていた文化財保護に
対する募金箱にせっせとお金を投入中でして。
おお、なんということ。センセがあんなに熱心に文化財保護に対して
真摯になっているというのに、その教え子たちがこんなテイタラクでは…と
その姿に学ばせていただきました。
(すみません。募金は次回します。ってか、ナラハクではしてきたんですが)

そして、その後は本日最大のイベント。
水野センセを囲んでの懇親会です。
去年はドクターストップならぬ、「かみさんストップ」がかかってしまって
参加されなかった水野センセも、今年は「会に出てくるかも~とはゆうてきた」
とのことで、ウーロン茶とそこそこのお食事で最後まで参加していただきました。

実はこの会、飲んだくれメンバー用に「飲み放題」なのですが、
労働の後の一杯はうまい!!ってことで、私も遠慮なく、
ジンジャーエール、グレープフルーツジュース、ウーロン茶をぐびぐびっと。
ぷはー、働いた後の一杯はたまりませんなあ!
(安上がりなヤツ)

後は、いろんなお話です。
「館内で生えている栗で栗ご飯を炊く会ってのはどうですか?え?保健所?
申請?えっえ?前例?何それおいしいの?ダメですかダメですね、残念」
「囲炉裏があるんだから、あそこで魚を焼くってのはどうですか?え?
直火の遠火で魚はなかなか焼けない?焼いていると煙い?時間がかかる?」
「あのぉ…タケノコ掘りをしてですね…ああ、販売となると難しいんですね
わかります。そうですね、毎年生えなかったら大変ですよね」
「怪談をやるってのはいいですが、園内マジで暗いので…はあ、ハア…」

いろんなアイディアは浮かぶのですが、なかなか実現可能なものに辿り着く
のは難しいようです。やはり妄想しているうちが一番楽しい。

お開きとなって電車とバスを乗り継いでの帰還ですが、
途中水野センセとたくさんたくさんお話をしました。
「(ソムリエになったんなら)ガツンとモノ申したればええ」とかって
類のお話もしていただきましたし(謎)

暑い中の労働は苦役だけど、その後の一杯と、懐かしいメンバーで揃う機会は
なかなかないので、とってもよいチャンス。
一年に一度というと七夕みたいだけど、あれは雨が降ると会えないから、
来年もよいお天気で(笑)無事労働ができますように。
また来年も会えますように。

ナムナム、パンパン。
コメント (10)
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