夕刻、渋温泉の金具屋に到着。
「金具屋」とは変わった名前の宿ですが、元々は当地で鍛冶職を営んでいたが
敷地内に温泉が湧きだしたため、商売替えをして宿屋になった由。
江戸時代から続く老舗旅館です。
「斉月楼」は国の有形文化財 にも指定されている、貴重な建物です。
宮大工が腕によりをかけて、昭和11年に竣工。
木造4階建ての建物で、現役での営業を認可されている例は全国でも珍しいようです。
千と千尋の神隠しの湯屋をちょっと連想しました。
富士山にかかる月をイメージして造られたそうです。
宮大工のセンスが光っていますね。
各部屋が、それぞれ一戸建ての家の雰囲気で造られています。
庇が出ていたり・・・
唐笠のデザインがおしゃれです。
どの部屋も全て違ったデザインが施されています。
床に水車の歯車が埋め込まれていました。
ユニークな発想です。
階段てすりの下部にも、水車の部材が活用されています。
そして、ここにも水車の部材が。
壁にも水車がデザインされていました。
建設当時(昭和11年)の信州には
この様な、のどかな水車がいっぱいあったのでしょう。
このエレベーターも、私的には千と千尋の神隠しを連想しました。
磨きこまれた階段にも歴史を感じます。
1階の廊下。
建物の中に建物が建っている感じです。
わざわざ庇や欄干を設えています。
宮大工の遊び心が随所に見られます。
有形文化財の額の横には陸軍省指定旅館の額が・・・
ここでも歴史を感じます。
建築好きには、たまらない宿です。
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