内容はあまり知らずに見に来た作品です
1人の女性が子羊を抱いているポスターを見た感じではこれがホラー映画なんて思えない
羊飼いのイングヴァルとマリアの夫婦が羊の出産に立ち会うが、産まれて来たのは羊のようなそうでないような何かだった…2人は我が子のように育てて行くのだが…
この作品はまず何より全編を包む寒々とした感じがとても効果を上げてます
そしてアイスランドの風景がとても雄大でかつ寒そう…
冒頭から何者から逃げ惑う馬や羊達…この動物たちの不安げな表情がとてもリアル
とんでも系の作品を予感させるオープニングです
ある日羊の赤ちゃんが産まれるが、そこに出てきたのは…
コレ途中でと言うか前半で何かわかるのですがちょっとボヤかして書きますが、"羊のような者"が産まれたんです
この夫婦にはアダと言う名前の子供を亡くした過去があり、この"羊のような者"にもアダと名付けて育てて行く一緒に風呂に入り、成長したら服を着せて手を繋いだりして広原を歩く…
この夫婦に取ってこのアダは天からの恵みなんですよね
アダの実の母親の羊が毎日アダのいる部屋の前にやって来ては鳴く
マリアはその度に追い払うが、毎日やってくる母羊を煙たがり遂には銃で撃ち殺してしまう
ここは人間の子供を守る愛情と言うより独占欲が出た怖い場面でしたね
幸せに暮らす3人にイングヴァルの弟がやってくる
アダを見て動揺し、一度は殺そうとするが踏み留まり、アダを可愛がるようになる
しかしこの異形の幸せはやがて破滅へと進んでいく…
とにかくこの映画はどう転がるのか予測不能の展開で、見てるこちらもアダが可愛くなってくるから不思議
色々と伏線がありそうだが大して回収もされず観客に委ねるような手法
ラストには"ソレ"が出て来てダークファンタジーのような印象も感じますね
見る人によって感想は変わるかも?
ちょっと今までに無かったような大自然の中の異形の愛情が段々怖くなってくるようで私は面白かったですけどね
また大自然には我々の想像を超えた何かがある…
ホラー映画と言うほど怖さはないけど、重く寒々しいトーンの奇怪な寓話のようなストーリーについつい没入してしまう魅力ある映画です
★★★★ 2022.9.30(金) なんばパークスシネマ シアター11 20:40 E-2
アイスランドを映したカメラが最高でした。
私は予備知識無しで見たので本当めちゃくちゃ面白かったです
アイスランドの大自然は迫力がありましたね
ロケーションといい、アダ君といい
壮大な寓話のような映画でした