何かと最近話題になってるこの作品
パンフレットは何と売り切れ!
場内は満席に近い入り
アメコミ映画は人気あるけど、それだけではない巷の評判も大きいかも知れませね
ジョーカーと言えばまず私はジャックニコルソンがイメージにあります
そしてそれを新たに書き換えたダークナイトのヒースレジャー
それぞれ圧倒される名演でしたが、そこに人間味を新たに加味されたジョーカーが登場
このホアキンフェニックスのジョーカーが凄いインパクトを残してくれました
ジョーカー誕生のドラマとなるこの作品は彼の熱演無くしては成り立ちません
稀代の悪党が誕生する話だが、その悲惨な生い立ちから悪には悪になる理由があるかのように描かれていてアメリカではちょっとした問題になってるようですが、決してそんな大層な事でないとは思います
ここはホアキンの熱演にひたりましょう
どこか病的な表情や態度を見せるホアキン扮するアーサーはコメディアンを目指しますが、普段はピエロの扮装して街角に広告のパネルを持つサンドイッチマンのバイトをし、家では病弱な母の世話を焼いてる青年
映画前半はこのアーサーの情緒不安定な行動や言動と挫折を見せてくれます
街の輩にボコられて、同僚にバカにされ、仕事をクビになりTVショーに出たり、同じアパートに住む女性と良好な関係になってると妄想していく
その痛々しさがアーサーを通してホアキンから伝わってきます
ある事件から3人のサラリーマンをピエロのメイクのまま射殺した事から様相が変わります
事件は一人歩きし、いつしか犯人とされるピエロの仮面の男が群衆から貧困層のヒーローと挙げられる
群衆のコールが自分への支持として、ますます気分が高揚していくアーサー
やがて妄想だったロバートデニーロ扮する人気司会者のTVショーに出演も実現してしまう
富裕層の象徴的な存在として後々のバットマンの父親トーマスウェインが登場します
後半はこのトーマスウェインとアーサーとの関係がドラマの軸となっていきます
ダークな世界にまるでかつての百恵友和赤いシリーズや韓国ドラマのような(笑)ドロドロした愛憎劇にまで発展しそうな展開はジョーカーの映画がまさかの予想外の凄まじいドラマにびっくり
この映画の世界感にこういう展開に持ってくる脚本の凄さ、そしてそこにアーサーと言う悲しい男が悪に傾倒していく姿を体感して見せてくれるホアキンの巧さ!
久々に圧倒された映画ですね
笑い病で笑いが止まらないアーサーの切ないまでの笑い声は彼の人生を自ら笑ってるようで後半は段々と痛々しく感じる
ピエロのメイク左側の目の下の青い縁取りが崩れて涙のように垂れてるのが、ジョーカーの中にアーサーの悲しみの名残のように見えてグッと来ましたね
終盤トーマスウェインは妻と息子のブルースと劇場から出てきた所をジョーカーを支持する暴徒の1人に妻共々射殺されてしまう…ショックで呆然と立ち尽くすブルース少年
強大な悪の誕生(ジョーカー)と対比してこれまた強大な正義(バットマン)が誕生する瞬間をキッチリ見せてくれる
最後の最後にそうこれはアメコミの作品だと思い出したように再認識させてくれました
いやー凄い映画でした
★★★★★ 2019.10.11(金) アポロシネマ スクリーン4 21:10 C-8