「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

「意識」を変えると「動き」が変わる!

2007年05月29日 | 指圧の活動

  わが治療所でいま大はやりのスクワット、時間が空いたらすぐ誰かがやり始めます。上手くなるのが一目でわかるのが嬉しくて、つい「自分も!」とやり過ぎてしまうようです。

  ここ数日、スタッフの1人がしばしばくしゃみをして
鼻をかんでいましたので、なにかの花粉に反応しているのだろうか、と皆が思っていました。少し気になったので、その人をさっそく指圧してみました。指圧をすると、相手の体調がかなりの程度まで分かります。
  これは花粉の反応ではありませんでした、スクワットのやり過ぎだったのです。他にもやり過ぎによる頭痛を経験したメンバーもいました。
  私は膝が悪いため、1日1回と決めた貴重な練習でしたので、1回で3~4回分に相当するように意識してやっていました。たった1回でも、その効果と手応えは十分です。だから嬉しくて、だんだんエスカレートしてしまいました。ここ数日、ドウキがするのです。内心「スクワットのやり過ぎだな」とおもいました。
  21日(月)、指圧治療を受けながら、鈴木先生に話してみました。

 「力が、入っているんだよ」
 「誰のためにやるんでもなく、自分のためにやるのだから、誰が上手にできたからといって競うことはない」
 「ゆっくり時間をかけてやればいい。あせってできるものじゃない」

  いつもこの答えが返ってきます、でも大きなヒントを頂きました。指づくりと同じ感覚でやればいいとのことです。何気なく、自然に、違和感のない感じで、ということのようです。
  前回、鈴木先生が駅のホームでスクワットをしておられるとお話ししましたが、そういう意識でやってみると、周囲の人が気付くことは意外に少ないとのことです。違和感なく、人が気付くこともあまりない感じで、さりげなくできることが大事なようです。

   22日(火)、スタッフのYさんと12体操(ナンバ式骨体操)で、“意識”による身体の動きの違いを勉強してみました。帰宅した夜、夫が飲み会で酔って帰ってきました。私が鈴木先生のスクワットのビデオを繰り返し見ていたら、彼は酔った勢いで「オレもやってみよう」と、いとも簡単にやってしまったのです。
 「えーっ! 素人のくせに!」と思いましたが、そこそこサマになっていたのです。「そうか! 何気なくやればいいんだ!」 昼間練習した12体操の感覚も、ヒントになりました。何も考えずただ重心をストンと落とせばいい! すると、できました!!

  あれほどいやだった、膝のバキバキ音がほとんど出ない状態でできたのです。これまでは「スクワットをやろう」という意識が、動きの邪魔をしていたようです。スタッフに確認してもらいました。あのバキバキ音が出ないことに、皆ビックリです。本当に貴重な体験でした。
  鈴木先生の適切なアドバイスと、12体操の基本的な考え方が、前進の手助けをしてくれたようです。“意識”を変えることで、“動き”がまるで変わることがよく分かりました。
 「落とす」という動きは、昨年10月28日に武術家の甲野善紀さんの講座に勉強に行ったとき、「つるべの原理」の動きで、身体を「落とせていないから使えない」と指摘されて以来、ずっと私の中の課題でした。
  意味は分かりにくいと思いますが、とりあえず説明は省略します。しかし頭の片角に、いつもこの「落とす」というのがありました。その意味が、今回すこし理解できた気がして嬉しくなりました。

  当初、スクワットのとき、膝から出るあのひどいバキバキ音が、“恐怖心”から出る音だと鈴木先生に言われても、素直にそうだとはとても思えませんでした。というのは、もともとは私の膝が変形しているせいもあるのではないかと思っていたからです。
  しかし実際は、本当に恐怖という意識から出る音だったようです。大きなマイナスから大事なことを学ぶことができました。同時に、すごい変化を体験することができたのです。これは、師匠や仲間の存在があればこそです。
  切磋琢磨できるからこそ前進が可能になります。ありがたい環境であることに本当に感謝しています。この1カ月半、スクワットに夢中になって練習する中に、悪い方の右膝をついて圧すときの動きの悪さに自分で気付いていました。かなり気になっていたのですが、バキバキ音が出ないスクワットができるようになったらこの動きもよくなってきました。
  肩甲下部の動きは、即スクワットであることが、実感として分かりました。 26日、治療を受けながら、鈴木先生にスクワットができた報告をしました。とても喜んで、「無になるとは、そういうこと」と指導を頂きました。

  わずかな一歩ではありますが、前へ進むことができたのです。この先に広がる世界にはどんなことが待っているのでしょうか? 楽しみが限りなく広がります。

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