患者さんの紹介で、S君(中学1年生)の夜尿症について相談を受けました。 夜尿症の問題は深刻です。これまで数例ですが完治した経験があるので、とりあえず親子と面談の上さっそく圧してみました。
子供の場合、夜尿症は神経的な障りが悪さをしていることが多いのす。「おねしょ」と「夜尿症」の違いは年齢がポイントです。 乳幼児期の夜尿を「おねしょ」といいますが、5歳以降で月1回以上のおねしょが3か月以上続くものは夜尿症と定義されているそうです。 ときどきおねしょをしてしまう程度の子どもの比率は5~6歳で約20%、小学校低学年で約10%と減少しますが、10歳児でも約5%にみられます。まれに成人にもあるようです。
S君は、7人きょうだいの6番目。皆さん、近所や友人達にもたいへん評判のいい家族です。私の第一印象はかなり真面目で素直な子です。しかし生まれた時からずっと、1日としておねしょから離れたことがなかったそうです。夜だけではなく、昼寝やソファーでウトウトしているときも、失敗することがあると聞きました。かなりの悩みでしょう。
S君は7歳の春、ペルテス病んも診断を受け手術を行い、2年間歩行禁止で車椅子と松葉杖での生活だったそうです。いまでも定期検査をしながら生活を送っています。
もともと運動神経がよく、2年間も歩かずにいたのに現在、部活はサッカーでキーパーをしているそうです。
昨年春から2週間に1回、治療に通い始めました。昨年12月に2泊3日の修学旅行があり、無事に楽しめるようにというのがとりあえずの目標でした。明らかにペルテス病の、手術の後遺症だと思われる酷い身体の詰まりがあります。膝などは膝蓋骨が大きくずれて、これでよく走れるものだと驚きました。
しかしこの身体の酷い詰まりが、返って体の不調を回復できる可能性を潜めているかも知れないと思いました。
ただ12月までに夜尿症を解決できるか? S君も私も挑戦でした。数か月後、少しずつ夜尿の回数が少なくなってきました。とても素直な中学生で、この素直さがより効果を上げているのは間違いないと思います。
それだけでなく、小ぶりな彼の背丈が見る見る伸びてきました。2週間ごとに来院し、即身長を測り、皆で喜び合いました。しかも男の子らしさが出てきて、会う人毎にそれを言われるので満更でもないのがよく分かります。
月が進み、目標12月の旅行を「クリアできたと」の報告には、「やった!」と。改めて指圧の凄さを感じました。今回のコロナ騒ぎの中での自粛生活は、たいへんなストレスだったと思いますが、お母さんからの報告では、まったく失敗してなかったということです。
末娘の6年生Kちゃんからも、指圧を始めてからのお兄ちゃんの変化を目にして、お母さんを通じて「私も指圧を受けたい」と予約が入りました。今はS君とKちゃん、月に一回ずつ受けに来ています。
子供達の指圧には夢を感じます。仕事の楽しみがまたひとつ多くなりました。