お腹の中にいた時から指圧を受けてきている「指圧っ子」のT君は19歳、身長194センチの好青年です。3歳違いのお姉さんと仲良し姉弟、姉さんもまた指圧っ子です。
T君は、小さな赤ちゃんの頃から手のかからない子供でした。通常お母さんが指圧を受ける時は、家族の誰かがお世話係として同席されますし、私もそれをお願いします。長時間で赤ちゃんが、飽きてしまうと可哀想ですから。
ところがお母さんが指圧を受けるとき、T君はいつもお世話係なしでお母さんと2人でやってきて、治療が終わるころまでちゃんと遊んで待っているのです。指圧は始めから終わりまで1時間あまりの時間がかかります。その間、ちゃんと遊んで待っていてくれる赤ちゃんは、後にも先にも彼だけでした。
不思議に思って見ていました。彼なりにかなり頑張って我慢している証拠に、お母さんの指圧が終わりそうになった頃、我慢していた気持ちを訴えるためでしょうか泣き始めます。また泣かない時は何と! うんちをするのです。
終わる時間がよく分かっているようで、赤ちゃんながらに我慢してくれているとても不思議な可愛い赤ちゃんでした。
T君は、不調や体調管理のために時々指圧を受けにきます。今回の主訴は、頸部の痛みです。本人の訴えは「学校でのストレス」。それで頸が痛くなったと判断しています。「この状態は指圧が1番!」。長年指圧を受けてきている経験が、この判断を生んでいると思うと嬉しく思います。
見れば頸が太く短くなっています。頸があまり回らなくて辛いそうです。彼は髙長身の上、もともと細い頸が「腫れて」しまいました。これでは痛いわけです。ところが圧(お)すたびに見る見る痛みが止まり、頸が細くなっていきました。T君はやっぱり手がかかりません。彼のいつもの口癖です。
「指圧スゲー」
よかったね!
実は、術前・術後の写真を掲載するとわかりやすいのですが、昨今、人の写真を使うのは難しいこともあるので省略しました。