「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

初対面の俊君、胎児のとき圧された記憶が蘇る?

2009年08月06日 | 素晴らしい指圧効果
  本年6月2日生まれの俊君が、風邪をひいているわけでもないのに咳がなかなか治まらない、と連絡がありました。
 「顔も見たいから、いちど連れてきて」 
  この春4月にある人の紹介でみえたYさん(29歳)は、2人目の出産を6月に控えていました。初めのお産が大変な難産だったので、指圧で良いお産ができると聞いてさっそく来院されたのが、「あと2ヵ月」という時でした。  

  圧してみてビックリしました。
 「この状態であと2ヵ月しかないのでは」 
 さあ大変なことになりました。引き受けた以上、なんとかしなくてはなりません。すぐさま彼女の日常生活を細かくチェックし、改善点や注意点をうるさいほどお願いしました。6回目の施術時に、やっとギリギリどうにかなるかな? と妥協できそうな状態にまでなりました。この赤ちゃんは、施術によっていつもお母さんの胎内で、まるで腹部をよじ登っていくような動きをするのが特徴でした。  

  5月31日、7回目の治療は予定日を2日後にひかえて、「これでなんとかお願い!」と祈るような気持で圧したのを、昨日のことのように鮮明に覚えています。
 「OK! 大丈夫、これでなんとかいける!」
  ギリギリそう思えたのも胎児の動きの手応えでした。赤ちゃんからのメッセージが実にありがたいとつくづく思いました。  

  陣痛開始から入院しましたが、安産で薬も機械も使わずに済み、母子共にすこぶる元気だということでした。心配した貧血による大量出血もごく少量だったので、回復がまるで違うとお母様から報告を受けた時は、思わず「ヤッター」と1人でとびあがりました。 
  妊産婦さんへの指圧はタイムリミットがあるので、このケースのような場合は、スリル満点です。できれば、もう少しゆとりが持てる仕事がしたいと、正直感じました。達成感ばかりがやけに強いのも、どんなものでしょう?  

  さて初対面の俊君、ジッと私を見つめています。お腹の中で圧されながら聞いていた声の記憶が蘇ったのでしょうか。赤ちゃんは、皆、お腹の中で圧されたことを覚えているのだ、といつも感じます。必ずジッと私を見つめます。 
  人指し指を俊君の掌に当ててみました。 彼の指がバラバラに動き私の指を掴めないのです。こんなとき通常赤ちゃんは、反射的に握ってきます。  

  圧してみると拇指球に米粒ほどのコリがありました。
 「これだ!」 
 すぐに緩みました。あとは足、背中、お腹を少し圧してみましたが、それほど心配なことはないと判断できました。上のお姉ちゃんがまだ2歳半です。まだまだママを独占したい歳です。ママのそんな神経疲労が赤ちゃんに伝わっていたようです。その後咳は治まりました。きれいに握れるようになった手の写真を送っていただきました。可愛らしいモミジです。


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