Google Appsと言えば、最も知名度のあるエンタープライズ向けのクラウドサービス。Gmailやカレンダー、ソーシャル機能を備えたドキュメント編集などのグループウェア的な機能をクラウドサービスとして提供することで、コスト的にも管理的にも導入しやすい事が特徴です。
しかしながら、提供されているサービスはGoogleが提供している様々なサービスのごく一部。せっかくGoogle Appsのアカウントを持っているのだから、他のサービスのためにアカウントを追加で取るのはもったいないし、それを好きに使わせるのは企業の管理上もちょっと問題がありそうです。
そこで、Google Appsで提供されるサービスが大幅に拡充されることになりました。
グーグル、「Google Apps」にサービスを追加--60種類以上が利用可能に cnet
Googleは米国時間11月18日、企業や教育機関の顧客が所有する「Google Apps」アカウントに対し、複数のGoogleサービスを追加したことを発表した。すでに提供されている「Google Docs」「Gmail」「Google Calendar」「Google Sites」などと合わせて、60種類以上ものGoogleサービスが提供されることになった。
アメリカではGoogle Voiceも追加対象となるので、注目されていますが・・・
要は、Google Appsのアカウントで使用できるGoogleのサービスが増えた、と言う事で、特に目新しいアプリケーションが追加されたというわけではありません。これまで使えなかったBloggerやPicasaを、ユーザーアカウントごとに使用を許可できるようになったのです。これによって、Googleのサービスをよりシームレスに企業内で使えるようになるということで、よりGoogleへの依存度が高まりそうな雰囲気です。
今回の発表は、現行ユーザーは段階的に移行となっているなど、やや中途半端な感じが否めませんが、Microsoftのエンタープライズ向けコミュニケーションツールであるLyncの発表を意識しているような気がしないでもないです。全てをブラウザ内で完結させるGoogleと、ローカルアプリと併用するMicrosoft。どちらにもメリットでメリットあるでしょうが、最終的にどちらが残っていくか。あるいはどのように棲み分けられていくか、今後10年の課題になりそうです。