Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

OpenOffice.orgの黄昏?開発者の流出が始まった

2010-11-08 20:00:16 | Digital Devices

恐らく、世界で最も巨大なシェアを持っているオフィススイートと言えばマイクロソフトのOffice(MS Office)。ワード、エクセル、パワーポイントは、今も世界の主要なオフィスで様々なドキュメントを作る手助けをしているところです。

しかしながら、MS Officeは初期導入費が高いんです。個人だと、ちょっと導入に躊躇するくらいに。Office 2010になってから価格が改定され、アップグレード版はだいぶん買いやすくなりましたけれど、通常版は相変わらず「本当に必要か」十分な検討がいる価格設定になっています。

逆に言えば、本当に必要ならば買って損はないソフトウェアなんですが、たまに町内会の書類を作る程度の用事には買いたくないです。
そんなときに有用なのが、いわゆる「互換ソフト」と呼ばれるオフィススイート。低価格なものから完全無料なものまで、選択肢は決して多くはないものの、MS Office、とくに2003にそっくりな使い勝手と、同じファイル形式を扱えるソフトが出回っています。

その中でも最も知名度が高いであろうものが、OpenOffice.orgです。これはオープンソースで開発されているオフィススイートで、元はSun Microsystemsの支援を受けて開発されていたものです。比較的古くから開発されており、様々なLinuxディストリビューションにプリインストールされていたり、日本語Windows版を提供していることから、MS Officeの代替として使われてきました。

しかしながら、SunがOracleに買収されたことでOpenOffice.orgコミュニティに陰りが見え始めました。

30名超える開発者、OpenOffice.orgを離れる マイコミジャーナル

OpenOffice.orgコミュニティでながらく役職についてきた3名がOOoコミュニティ評議会からの離脱を発表したが、これに続いてドイツ語セクションの開発者達も次々と離脱を発表した。総勢30名を超えるとみられており、今後もさらに増えると予測される。 OracleがOpenOffice.orgコミュニティに求めるものは、これまでOOoの開発に参加してきた開発者にとって自由度が少なすぎると判断したようだ。

コミュニティを離れた開発者は、The Documents Foundation (TDF)を設立し、OpenOffice.orgからLibreOfficeを派生したらしく、今回離れた開発者もLibreOfficeに流れた模様です。このままだとOpenOffice.orgのコミュニティは衰退の道をたどっていくような。ubuntuの次期バージョンにもOpenOffice.orgではなくLibreOfficeが採用されるようですし。

私個人の推測ですが、現在のOracle優位の体制が続くならば、状況は改善できないでしょう。たぶん、OracleはOpenOffice.orgに全く価値を見いだしていないはず。いずれOpenOffice.orgのバージョンアップは止まることになり、そのブランドはOracleのデッドストックに加えられることでしょう。

それにしても、せっかく日本語コミュニティが育ちつつあったOpenOffice.orgの先行きが不透明なのは不安要素ですね。組織プラットフォームのオープンソース化を推し進める一環として、OpenOffice.orgを採用している組織のシステム担当者は大きな決断を迫られそうです。このまま使い続けるか、LibreOfficeに乗り換えるか、はたまたMS Officeを再導入するか・・・

具体的に言うと、会津若松市はどうするんでしょうか・・・?