Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

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ソニーがメモリーカードに本格参入

2010-01-12 22:33:10 | Thinkings

 このニュースを見て、「ようやくメモリースティックをあきらめたのか」と思ったのは決して私だけではないはずです。

SDカードとmicroSDカードの販売開始 ソニープレスリリース

 プレスリリースには値段は「オープン」としか書かれていないので、こちらも。

ソニー、日本でもSDカード発売 ITmedia

 これによると、実売予想価格はClass 4・2Gbyteで1800円程度と、他社製品よりも割高で速度的にも遅くなっています。正直、店の売り場で売っていても、食指が動く商品ではなさそうです。
 それに、PSPとサイバーショット製品が店頭に並んでいる間はメモリースティックから撤退する可能性もなさそうです。よって、一番の狙いはプレスリリースにあるこの部分。

この度、ソニーのメモリーカード商品をより幅広いお客様に提供するため、SDメモリーカードシリーズを含めて商品構成の拡充を図ることにしました。また、“メモリースティック”においては、近接無線転送技術TransferJetTMの機能を搭載したモデルをはじめ高性能で付加価値の高い商品の導入を検討しており、記録するだけではない新たな利便性を広げていきます。

 まず、ソニーが直接、手広い規格を扱えるようになること。そして、それらの規格に独自規格を付加できるようになることが目的ではないでしょうか。せっかく規格化したTransferJet(近接での高速通信規格)をメモリースティックのみで終わらせるのはもったいないので、他の規格に進出する足がかりに、とりあえずラインナップに加えたのではないでしょうか。

 ・・・と言うのが、好意的に解釈した場合。もう一つの、もうちょっと意地悪く考えてみると、ほぼPSP専用となっているM2など、閉塞感漂うメモリースティックを段階的に縮小させていく際に、自社のSDカード対応製品を拡充する前準備としてラインナップに加えた・・・というシナリオです。つまり、「SDカードを自社で扱っているのだから、SDカード対応のサイバーショットを出してもおかしくないよね?」という話です。

 どんな技術でも、最終的に残るのはユーザーが多いもの。つまり、1つの規格が最後には汎用規格として収束していくというのが、ある程度普及した技術にはよく見られます。わかりやすい例として、通信規格のTCP/IPやUSBがありますし、Bluetoothも徐々にその座につきつつあります。
 と言うわけで、メモリーカードにしても同じ道を歩く可能性が高いと考えられますので、最終的にはメモリースティックは消えていく運命にあると思う訳です。ですので、こんなにも良い機会なのですから、ソニーは本気で一本化を考える時期にかかっているのではないかなあと思う訳ですが。