ON THE ROAD

適当に音楽や映画などの趣味についてだらだら

『アングスト 不安』

2020-08-02 23:20:30 | 洋画
実在した殺人犯の犯行の様子を描いているそれだけの映画。

カメラワークはやたらローだったり、思いきり俯瞰だったりとなかなかに凝っている。実験的な映画と言えば聞こえはいいが、正直映画として面白いかと言われれば、…う~ん。
まあ、実際の殺人は思い通りにいかないし、綺麗なものでもないというのがわかる、再現VTR的に観る分には面白いかな。

この映画で一番印象的なのは主人公がソーセージを食べているシーン。口元をアップにするそのシーンは食事というよりは食いついているという感じ。決して美味しそうな描写ではないが、どうも頭に残る。
映画館を出た後近くのカフェでホットドッグを注文したが、ちがう。やはりドイツらしい太いソーセージじゃないと満足できん。

『サンダー・ロード』

2020-08-02 23:18:38 | 洋画
映画泥棒のCMが新しくなったとちょっと話題になった。実際観ると今までよりアクション的になって、現代的な映像だ。しかし、前回のCM随分長いことやっていたような気がするな。

タイトルはずばりスプリングスティーンの楽曲からだが、映画の中でスプリングスティーンの曲が流れることは一切ない。『カセットテープ・ダイアリーズ』を期待していくと痛い目に合うからボスファンは要注意だ。

『木根さんの1人でキネマ』でもテーマになるくらいだから、中年の危機というのはもはや一つのジャンルになっていると言ってもいいのだろう。大体の作品はコメディ、コメディテイストのドラマ作品なのだが、私にはどうもピンとこない。もちろん笑えるシーンはあるのだが、それより切なさがドーンと来てしまう。一応中年ではない私が観ても笑えないけれど、実際の中年が観たらどうなるのだろうか。笑えますか?

御多分に洩れずこの映画も冴えない中年男性が主人公。妻とも別居して、娘との仲もぎくしゃく。母の葬式では踊り、警官の仕事もうまくいかない。自分とは何一つ被らないのに、色々と観ていて辛いものがある。
ただ、どうも納得いかないのは葬式で「サンダー・ロード」を踊る件。確かにそこだけ切り取れば奇行でしかないが、ちゃんと観れば不器用な男の精いっぱいの母へのメッセージだというのはよくわかる。それだけに主人公が様々なところで非難されるのはつらい。

ただ言えるのは、主人公は決して悪人ではないが、何かが欠落しているのは間違いない。絶対身近にいてほしくはない人間だ。よくよく考えると「不器用」の一言で片づけられない場面もあ多々ある。

色々言ったが、私にはフィットしない映画であった。