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大阪市の橋下新市長が、なぜこれほどまでに注目されているのでしょう?
天才的な突破力を持つ彼は、八方ふさがりの日本の政治に風穴を開け、次への新しい社会を構築できるのではと期待されているからです。
その風雲児はどん底の大阪だからこそ、誕生できたと思います。
私たちの学生時代は大阪が日本経済の中心地でしたが、いまや大阪は生活保護者日本一の都市になり下がってしまいました。
市の財政においても危機的状況にあり、たとえば公務員数を横浜市と比較すると、人口当たり2倍となっており、行政の肥大化・ムダの塊になってしまっていたのです。
その原因として、大阪市の歴代の市長がタレント出身といういわば政治の素人がおこなっていたため、それを補佐する官僚の権限が必然的に大きくなり、大阪は役人天国化してしまうという最悪のシナリオを歩んできたのです。
橋下市長は聖域となっていた公務員数の削減なども含む徹底した経費削減を図り、役人のなすべき役割を明確化しました。
府と市の二重行政を廃止し、「大阪都構想」をぶち上げ、返す刀で「中央集権行政から、地方分権行政へ」と霞ヶ関に殴りこみをかけました。
構想の大胆さもさることながら、そのスピードにおいてもこれまでに例がなく、秀逸なのはケンカの巧みさでした。
執念を燃やす政策には、その障害となる強固な既存体制を「敵」としてそれと戦い、打ち負かすというパフォーマンスをおこなうことにより、世間的な関心と同意を得る、その才能は抜群でした。
英国のウインストン・チャーチル首相の「民主主義は最悪の政治形態だが、これまで試されたどの政治形態よりましだ。」という名言がありますが、今の日本の政治は民主主義の最悪の部分だけに終始しているような気がします。
この数年の日本は与野党が拮抗したねじれ国会のため、まさに足の引っ張り合いの泥仕合の様相を呈しており、何も決まらないそんな行き詰まりの状況になってしまっているのです。
ある自民党幹部は「われわれは野党ですから、たとえばTPPも民主党が賛成ならわれわれは反対、民主党が反対ならわれわれは賛成の立場です」と言っていたのですが、自民党さんには議会を混乱させるだけで、日本国へのビジョンなどないことがわかりました。
そんな状況では民主党とか自民党とかの既存政党そのものがこれからの時代の要請に応えられない、時代遅れの集団だと確信したのです。
政治の世界に「革命児」とか「ヒーロー」が現れることは、ある種の危険を感じるのですが、どんぐり同士がワイワイガヤガヤ足を引っ張り合って時間ばかりが過ぎるのはもっと危険なのかもしれません。
今の日本は、新しい時代を切り開く風雲児を求めているのです。
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