私がはじめて絵を描き始めたのは、50歳の頃でした。
先代の愛犬スキッパーがガンの宣告を受けたのですが、私は年甲斐もなく気が動転し、なすすべもなかったのですが、何の脈略もなく突然スキッパーの絵を描くことを思い立ちました。それが絵との始まりでした。
そして何枚も描いているうちに絵が癒す力を持っていることをしみじみ知りました。
今から思えば、そのとき私は最高の絵との出会いをしたことになりました。
現在著作中の出版「さよならデッサン(仮称)」での「・・・そして、あなたが描くトレース水彩画・最初の一枚、大成功の秘訣」では、はじめて絵を描くにはどんな絵をどんな描き方で描けば上手に描けるでしょう、という中で3つの秘訣を挙げました。
秘訣① あなたのもっとも愛する人やペットを描くこと。
秘訣② ポイントは線画です。心を込めてゆっくりていねいにトレースすること。
秘訣③ 彩色は極力簡単に描くこと。
秘訣の中でも特に 秘訣① あなたのもっとも愛する人やペットを描くこと。が最も重要な秘訣なのです。
脳科学者・茂木健一郎さんによると、人間は感動するとその感動を人に伝えたくなる動物とのことです。
その上絵は感動を表現するメディアですから、感動を絵の対象とするのは当然なことであり、基本中の基本なのです。
その上感動する絵を描くのがより楽しいですからね。
では何故こんな当たり前のことをあえて秘訣にしたかと言いますと、通常の絵の描き方では、最初の一枚は花や静物がいいとされています。それはデッサンがヘタでもそれなりに絵になるからです。
トレース水彩画では写真をトレースして描くわけですから、ゆっくりていねいにトレースさえ出来れば、必然的に完璧なデッサンを描くことが出来るわけですから、初心者の方も最初から人物などの肖像画も何の抵抗もなく描けるのです。 つまり花や静物を描くのと、人物を描くのとは難しさに大差はないということです。
それともうひとつ大きなメリットがあります。
感動しているもの愛しているものを心を込めて描けば、たとえその絵が稚拙でも絵に不思議な魅力が生まれるのです。心を打つものが生まれるのです。
子供の絵は技術的にレベルが低くても魅力があるのは、大人にはない豊かな感動があるからです。
そして最初の絵で愛する人やペットを描くことの最大の理由があります。
それはトレース水彩画で描けば、相当絵が苦手な人もそっくりとはいかないまでも、似ているように描けるのです。(みなさんが思っている以上に似せて描くのは簡単なことなのです、実は)
秘訣2でゆっくりていねいにトレースする・・・とありますが、それさえしっかりおこなえば、自分の愛する子や孫、ペットを描けば、「わ~!!似てる!似てる~!」と大騒ぎになれるのです。
身近な対象物ほど「うまいヘタ」より「似てる似てない」ことが優先されますからね。
われながらうまいと思い、人からも上手といわれるとはとてもハッピーなことだと思いませんか!
こんなうまい話、ウソだと思うでしょう。なら挑戦したらいかがでしょうか。