ノー天気画家の本音生活 

これが私の生き方などとヤセ我慢するよりも、今日の風に流されましょう!

最初に描く一枚を大成功させる秘訣

2009-08-23 09:17:17 | 犬たち

私がはじめて絵を描き始めたのは、50歳の頃でした。
先代の愛犬スキッパーがガンの宣告を受けたのですが、私は年甲斐もなく気が動転し、なすすべもなかったのですが、何の脈略もなく突然スキッパーの絵を描くことを思い立ちました。それが絵との始まりでした。
そして何枚も描いているうちに絵が癒す力を持っていることをしみじみ知りました。
今から思えば、そのとき私は最高の絵との出会いをしたことになりました。

 現在著作中の出版「さよならデッサン(仮称)」での「・・・そして、あなたが描くトレース水彩画・最初の一枚、大成功の秘訣」では、はじめて絵を描くにはどんな絵をどんな描き方で描けば上手に描けるでしょう、という中で3つの秘訣を挙げました。

秘訣① あなたのもっとも愛する人やペットを描くこと。
秘訣② ポイントは線画です。心を込めてゆっくりていねいにトレースすること。
秘訣③ 彩色は極力簡単に描くこと。

秘訣の中でも特に 秘訣① あなたのもっとも愛する人やペットを描くこと。が最も重要な秘訣なのです。

 脳科学者・茂木健一郎さんによると、人間は感動するとその感動を人に伝えたくなる動物とのことです。
その上絵は感動を表現するメディアですから、感動を絵の対象とするのは当然なことであり、基本中の基本なのです。
その上感動する絵を描くのがより楽しいですからね。

では何故こんな当たり前のことをあえて秘訣にしたかと言いますと、通常の絵の描き方では、最初の一枚は花や静物がいいとされています。それはデッサンがヘタでもそれなりに絵になるからです。
トレース水彩画では写真をトレースして描くわけですから、ゆっくりていねいにトレースさえ出来れば、必然的に完璧なデッサンを描くことが出来るわけですから、初心者の方も最初から人物などの肖像画も何の抵抗もなく描けるのです。 つまり花や静物を描くのと、人物を描くのとは難しさに大差はないということです。

それともうひとつ大きなメリットがあります。
感動しているもの愛しているものを心を込めて描けば、たとえその絵が稚拙でも絵に不思議な魅力が生まれるのです。心を打つものが生まれるのです。
子供の絵は技術的にレベルが低くても魅力があるのは、大人にはない豊かな感動があるからです。

そして最初の絵で愛する人やペットを描くことの最大の理由があります。
それはトレース水彩画で描けば、相当絵が苦手な人もそっくりとはいかないまでも、似ているように描けるのです。(みなさんが思っている以上に似せて描くのは簡単なことなのです、実は)
秘訣2でゆっくりていねいにトレースする・・・とありますが、それさえしっかりおこなえば、自分の愛する子や孫、ペットを描けば、「わ~!!似てる!似てる~!」と大騒ぎになれるのです。
身近な対象物ほど「うまいヘタ」より「似てる似てない」ことが優先されますからね。
われながらうまいと思い、人からも上手といわれるとはとてもハッピーなことだと思いませんか!

こんなうまい話、ウソだと思うでしょう。なら挑戦したらいかがでしょうか。

 


毎朝6キロ歩いて、体と心を鍛えています

2009-08-12 09:27:57 | 犬たち

出版「さよならデッサン(仮称)」の著作も約半分ほどまでになりましたが、今が佳境ということで朝・昼・晩と一日中著作制作に没頭しています。

これまでの7冊の制作の経験からいえば、作業の後半にさし掛かるとエネルギー切れといいますか、疲労が蓄積され体力だけではなく気力まで萎えてしまっていました。
最悪のときは疲労がとれず、寝込むこともありました。
今度の出版はこれまでの7冊よりもずっと量としても質としても重いのですが、体力はともかく気力の衰えは直接内容の質の低下になるため、以下の対策を講じています。

これまでの疲労感は自己を甘やかしていることから起こることに気づきました。
本一冊作るのに寝込んでしまうとは、それが限界と自分で認めてしまうことに他なりません。それは自己への甘さそのものであることに気づけば、自己を厳しく見つめなおせば自分の限界はもっと先で、まだまだ可能性が広がることを発見しました。

そのためこの仕事が始まった時からですから、40日前から(雨天をのぞき)早朝6キロを毎日ウオーキングしています。
出発は朝5時。老犬モモタロウと家の周辺を散歩してからそのままウオーキングに出発します。
わが家→鎌倉との境のトンネル→鎌倉・材木座海岸(ここから裸足で波打ち際を歩く)→滑川を越えて由比ガ浜海岸の往復約6キロのウオーキングとなります。
毎日欠かさずのウオーキングを取り入れただけで、体が軽くなり、疲労感がなくなり、作業への意欲が増進するようです。
肉体を使うことは、ストレスを軽減させることを実感しました。

それともうひとつ、今回の作業を通じて明らかに絵を描く能力が向上したことを感じています。
私は画家としては6年前にはじめた新人ですから、今が伸び盛りの時期かも知れませんが、弱音さえ吐かなければまだまだ将来が広がるような気がしています。


トレース水彩画での写真は、感動にぐっと迫って撮る

2009-08-04 15:33:55 | 犬たち

「さよならデッサン」の制作作業も佳境に入っているのですが、トレース水彩画は写真をトレースして描く絵ですが、その写真の撮り方や、撮った写真の選び方について今回のブログで考えてみたいと思います。

 ●どんなカメラがいいですか?
なんといってもデジカメ。それもデジカメ+パソコンとの組み合わせでの機能を活用しています。私は何台かのデジカメを持っていますが、最もよく使用するカメラはポケットに入る丈夫さがとりえの小型カメラです。いつでもどこでも持ち歩き、チャンスを見逃さないためには、性能よりも小型軽量化ということでしょうか。

 ●何を撮ったらいいのですか?
絵を描くための写真ですから、何を撮るか?ということはどんな絵を描きたいか?ということになります。となれば絵は感動を表現するメディアですから、感動したものを撮ればいいのです。
感動は遠くにあるのではなく、たとえばご家族やペット、今住む地域の風景などの身近の中にこそあるのではないでしょうか。
別のいいかたをすれば、描きたい絵 の写真を撮ることです。描きたいという気持ちの中に感動がインプットされているからです。

●撮った写真の中からどんな写真を選んだらいいのでしょうか?
一言でいえば感動がよりよく表現されている写真を選ぶべきです。感動は主観的なものですが、絵は主観を具現化し第三者にその感動を伝達するメディアですから、冷静で客観的な視点も必要です。

 ●初心者にとって描きやすい写真とは?
通常の絵ではデッサンの壁があるため、デッサンが甘くても差しさわりがないモチーフがおすすめでしたが、トレース水彩画ではどんな絵でも大差ありません。むしろ肖像画などの高度なデッサンを必要とする絵に最初からチャレンジする方法もあります。

●カメラテクニックや構図などがわからないのですが?
私は常時オートにして、ズームとシャッターを押す以外にカメラを触ったことがありません。今のデジカメは猿でも完璧に写せるようにできているからです。
構図なども忘れてください。真ん中に写っていればいいのです。ポイントは感動を素直にカメラに収めることだけを意識した方がいいでしょう。

 ●写真上達のポイントは?
初心者の写した写真の多くは、何を伝えたいのか、何に感動したのかの意図が希薄な写真が多いようです。
そのために 第一は何に感動し何を撮るかをはっきり意図してから撮ること。
        第二は対象物にグッと近づいて撮ること。
        第三は余計なモノを思い切り省いて撮ることです。
それにはテクニック以上に情熱と勇気が必要になります。

●カメラを趣味にしている人は有利ですか?
圧倒的に有利です。カメラテクニックもさることながら、ポイントを引き出す能力にすぐれているからです。
このような方がトレース水彩画をはじめたら、まさにゴボウ抜き現象が起きるでしょう。

トレース水彩画の上達のポイントは、絵を描くテクニックもさることながら、絵の素となる撮影能力こそ絵の魅力を決定づけます。
それは単に絵の素材としての写真ではあるものの、アーティストとしての自己主張であり、クリエイテーブ戦略であり、人生哲学でもあるからです。