上の絵は中国からの若い観光客を描いたものですが、中国人への「日本で食べた料理で最もおいしかったものは?」の質問に、答の多くは「ラーメン!!」と応えるそうです。
ラーメンは中華料理ですが、もはや日本が生んだ日本の創作料理そのもので、繊細かつふくよかな味に中国人も舌をまいたというわけです。
私も中国の本場で中華料理を何度も食したことがありますが、一言でいえば「大味」で、日本の中華料理の方が数段上と感じました。
そんな私も隠れキリシタンのごとくの隠れラーメン党と思っています。
なぜラーメンの前に「隠れ」が付くかと言いますと、多少高血圧気味で塩分控えめのため、妻から厳しくラーメンは禁止食品と言い渡されているのですが、その目を盗んでいろいろなラーメンを食べ歩いているからです。
そして先日「ラーメンの鬼」と言われ、ラーメン好きが神のごとく崇める店に、心踊りながらラーメンを食べに行ってきました。
行列のできる店前で並び、怖そうな料理人が威圧するのか満員なのに声ひとつたてない静かな店内で待つうちに、ようやく日本一といわれるラーメンが出てきました。
濃厚そうなスープを一口すすったところ、なんと「まずい!」のです。
そして二口すすって「しょっぱ~い(怒)!!」となり、半分も食べないで店を出てしまいました。
日本一のラーメンといわれるものがこれほど違和感を感ずるのはどうしてなのか?
自分の味覚に問題あるのではないかと悩む中で、ハッと気づきました。
私は1日3食のうち2食以上は妻の手料理を食べるのですが、妻は極端な減塩食料理のため、すっかり薄塩味に慣れた私は、あのラーメンの塩分濃度は口に合わず、私には「しょっぱ~い(怒)!!」となってしまったのです。
人間が生命を維持するための塩分の必要量は1日1.5gで充分とのことですが、日本人の平均摂取量は12g以上とのことで、その大幅な摂取オーバーは心臓病・脳溢血・各種ガンなどの三大疾病だけでなく、多くのダメージを身体に与えることとなります。
そして塩分量の多さの最右翼がラーメンなのです。
塩分過多の食品は、放射性汚染の食品より圧倒的に健康にダメージを与えている現実を、私達はもっと厳しい目で見るべきです。
あるTV番組にこんな特番がありました。
通常のラーメン一杯に含まれる食塩は5~6gとのことですが、3g以下の食塩でつくるラーメンコンテストがあり、名だたるカリスマ料理人が挑戦しました。
しかしほとんどのラーメンはとても食えたものではない味から、一味物足りないまでいろいろあったのですが、1店だけ減塩だからこそ出せる「抜群のおいしいラーメン」がありました。
当然ながらすべての審査員が絶賛して、メデタシメデタシと番組が終了となりましたが、もしこれが本当においしいのなら、塩分が少なくてもおいしいラーメンができることが証明されたのです。
このラーメンは前記の「ラーメンの鬼」のラーメンより、はるかに食べる人のことを考えた、価値のあるラーメンだと私には思えました。
食品の放射線汚染がTVで連日流されていますが、それが人体にどんな影響があるかはまったく放送されていません。
おそらく人体にはほとんど影響がない量だと推察されます。
それに比べて塩分の過剰摂取は、明らかに体を蝕んでいることは衆知の知るところです。
今一度すべての食品への「塩分量」の見直しと、減塩でもおいしい食品とするための「知恵と工夫」が必要なのではないでしょうか。