日本人は過剰なくらいの清潔好きといわれています。
清潔に関して、日本の常識は世界基準から見れば、相当非常識かもしれません。
病気予防のための白いマスクを付けている風景はごく当たり前の日常の風景ですが、そんな風景を欧米人から見ると奇異に写るらしく、日本全体に悪性の伝染病が蔓延していると思うのはまだいいほうで、テロリストがそこかしこに出没していると映る外人もいるらしいのです。
日本に住んだことのある外国人の日本の人気商品調査で必ずNO1に上げられるのはウオシュレットですが、そんな絶賛商品なら間髪をおかず海外でも普及するはずですが、一向にウオッシュレットが先進国で普及したという話を聞きません。
その理由として、外人にとってのウオッシュレットはいかにも清潔好きの日本的精神の塊のような商品として話題になるのですが、現実問題として過剰な清潔感を満足させるだけのウオシュレットなど彼らには必要ないのです。
日本人の過剰なくらいの清潔好きは国民性の違いだけで済むのならいいのですが、健康や体力づくりに大いに影響しているのです。
健康な体は病気に立ち向かう力=免疫力を持っており、それらは風邪や生活習慣病・ガンになりにくい体質を作ります。
その免疫力を高めるには食事や適度な運動、ストレスをためないこと、笑うことなどがありますが、適度な雑菌やアレルギーとの接触も免疫力増進に役立っています。
人間が無数の雑菌の中で生きていて平気なのは免疫力によるものなのですが、たとえば無菌状態の中にいれば雑菌やアレルギーへの対抗力が弱まり、病気になりやすい体質になるわけです。
そこで私からの提案で、1日に1度は“土”と戯れることを提案します。
それは花や野菜の栽培であったり、自然を求めて野山を駆け巡ることかもしれません。
野外運動やペットとの遊びも効果的かもしれませんが、そのポイントは土に触れ、自然の一部となろうとする気持こそ大切なのです。
上の絵は、田植えの風景ですが、左の男性は農家の方で、それ以外の方は田植えなど生まれて始めての都会人の方々です。
服装も田植えの格好としては様になっていないようですが、それよりもこの段になって初めて「この水の中にマジ入れば、泥で汚れるカモ・・・」と、ちょっとの後悔とかなりの勇気を振り絞っている心情を絵にしました。
しかしその後田んぼの中に入り、田植えに夢中になる中で、不思議な 感覚を味わうことになるのですが・・・。
100年も前の日本はまさに農業国家であり、大多数の日本人は土を耕し、泥にまみれて生活の糧としてきたわけで、土は日本人の原点でもあるのです。
私の子供時代は兼業農家でしたから、休日は朝から田んぼ作業の手伝いをし、子供時代はたえず土と接触しながら生きてきたような記憶があります。
今の子供たちが清潔へのしつけは行き届いているは充分知っていますが、もし・・・もしその対極である土との触れ合い・泥まみれの経験が無い子供時代を過ごしたとするならば、それはその子供にとっての人格形成の重要な骨組みのひとつがないということであり、生涯にわたる遺恨を残すことになると私は思うのです。