ノー天気画家の本音生活 

これが私の生き方などとヤセ我慢するよりも、今日の風に流されましょう!

1日に一度は“土”と戯れよう!

2012-05-28 19:15:39 | 犬たち

 日本人は過剰なくらいの清潔好きといわれています。 

清潔に関して、日本の常識は世界基準から見れば、相当非常識かもしれません。
病気予防のための白いマスクを付けている風景はごく当たり前の日常の風景ですが、そんな風景を欧米人から見ると奇異に写るらしく、日本全体に悪性の伝染病が蔓延していると思うのはまだいいほうで、テロリストがそこかしこに出没していると映る外人もいるらしいのです。
日本に住んだことのある外国人の日本の人気商品調査で必ずNO1に上げられるのはウオシュレットですが、そんな絶賛商品なら間髪をおかず海外でも普及するはずですが、一向にウオッシュレットが先進国で普及したという話を聞きません。
その理由として、外人にとってのウオッシュレットはいかにも清潔好きの日本的精神の塊のような商品として話題になるのですが、現実問題として過剰な清潔感を満足させるだけのウオシュレットなど彼らには必要ないのです。 

日本人の過剰なくらいの清潔好きは国民性の違いだけで済むのならいいのですが、健康や体力づくりに大いに影響しているのです。
健康な体は病気に立ち向かう力=免疫力を持っており、それらは風邪や生活習慣病・ガンになりにくい体質を作ります。
その免疫力を高めるには食事や適度な運動、ストレスをためないこと、笑うことなどがありますが、適度な雑菌やアレルギーとの接触も免疫力増進に役立っています。
人間が無数の雑菌の中で生きていて平気なのは免疫力によるものなのですが、たとえば無菌状態の中にいれば雑菌やアレルギーへの対抗力が弱まり、病気になりやすい体質になるわけです。

そこで私からの提案で、1日に1度は“土”と戯れることを提案します。
それは花や野菜の栽培であったり、自然を求めて野山を駆け巡ることかもしれません。
野外運動やペットとの遊びも効果的かもしれませんが、そのポイントは土に触れ、自然の一部となろうとする気持こそ大切なのです。 

上の絵は、田植えの風景ですが、左の男性は農家の方で、それ以外の方は田植えなど生まれて始めての都会人の方々です。
服装も田植えの格好としては様になっていないようですが、それよりもこの段になって初めて「この水の中にマジ入れば、泥で汚れるカモ・・・」と、ちょっとの後悔とかなりの勇気を振り絞っている心情を絵にしました。
しかしその後田んぼの中に入り、田植えに夢中になる中で、不思議な 感覚を味わうことになるのですが・・・。

100年も前の日本はまさに農業国家であり、大多数の日本人は土を耕し、泥にまみれて生活の糧としてきたわけで、土は日本人の原点でもあるのです。
私の子供時代は兼業農家でしたから、休日は朝から田んぼ作業の手伝いをし、子供時代はたえず土と接触しながら生きてきたような記憶があります。
今の子供たちが清潔へのしつけは行き届いているは充分知っていますが、もし・・・もしその対極である土との触れ合い・泥まみれの経験が無い子供時代を過ごしたとするならば、それはその子供にとっての人格形成の重要な骨組みのひとつがないということであり、生涯にわたる遺恨を残すことになると私は思うのです。

 

 


スカイツリーのある街は、とても居心地のいい街でした

2012-05-20 11:19:46 | 犬たち

5月22日は東京スカイツリーがグランドオープンになると世の中は大騒ぎしていますが、私もほんのちょっぴりだけれどこのプロジェクトに参加しました。 

今から2年前、スカイツリーの工事はまだ第一展望台までも到達していない頃、スカイツリーの地元・墨田区のある企業から、「スカイツリーの絵はがき」の依頼があり、スカイツリーの絵を13枚描き、(HP「ようこそ、スカイツリーのある街へ」に掲載)、そのうちの6枚が絵はがきとして採用されました。
その時どのような視点でスカイツリーを描くか苦慮したのですが、結論から言えば、「スカイツリー」を描くのではなく、「スカイツリーのある街」の絵を描くことにしました。
その理由はスカイツリー本体の正確な完成予想図はいろいろな方がすでに描いていることと、最新の技術が結集されたスカイツリーと、長い歴史を持つ下町との組み合わせに新しい世界があるとのではと、思ったからです。 

そのためスカイツリーのある街をしっかり見てそして感じることが絵を描くための第一歩であるわけで、何回か墨田区をうろついているうちに、この街独自の魅力を感じ始めてきました。
たとえば、「下町人情キラキラ橘商店街」という長ったらしい名前の商店街がありますが、すべて個人商店の集合体で、安い・うまい・親しみやすいでまさに人情に溢れ、活気に満ち溢れていました。
たとえば、この街には自然がないと言いますが、小さな路地にも掃除が行き届き、季節の花が咲き、木々の緑がまぶしいのです。
たとえば、人口密度が極めて高い地域ですが、家の前に縁台を置き、老人たちが将棋やおしゃべりを楽しんでいました。
それは時代の流れからちょっと遅れてはいるけれど、その分住み心地のいい街に思えました。
しかしそこで気づいたことですが、下町人情の商店街も、小さな路地も、老人たちの将棋も、スカイツリーが出来ることで街そのものが変化し消えてしまったとしたら、それは大きな損失であることを思い知りました。 つまり・・・

スカイツリーのある街は、新と旧が融合した街になるのではなく、新は新として、旧は旧のままでの2つが両立した街になってこそ、より魅力的な街になっていくことを感じたのです。 

スカイツリーの街は間違いなく日本を代表する観光地になるでしょう。
そして日本だけでなく世界から多くの人々がこの地を訪れるでしょう。
だから「スカイツリーのある街」は大きく変貌するでしょう。
しかし変るのは街の点と線だけで、それ以外の住民はスカイツリーの存在にすぐ慣れてしまい、住み心地のいい昔ながらの街そのままが残るような気がし、それこそ最適な街づくりだという思いを絵に込めたつもりです。

上の絵はスカイツリーを背景に大きなあくびをしている猫を描いたのですが、スカイツリーが出来たからといって猫の生活はちっとも変らず昔のままなのです!

 

 

 
 
 
 

人生を春夏秋冬に例えれば、すべての季節がすばらしい

2012-05-13 16:57:25 | 犬たち

わが家でもちょっとした「介護問題」を抱えており、それを切り口にこれからの生き方の話をしようと思います。
家族は私(69歳)と妻(69歳)、愛犬モモタロウ(13歳)の3人(わが家では犬も人なのだ!)ですが、私と妻は老人という自己認識はまるでなくチャラチャラ生活を楽しんでいますが、モモタロウは1年ほど前からゆっくりと老化の道を歩み始めています。 

上の絵は若かりし頃のモモタロウを描いたものですが、見ての通り35kgの堂々たる体型でかっこよく、別に張り合うつもりはありませんが、いっしょに散歩しても明らかに私のほうが見劣りしてしまうのです。
そんなモモタロウも13歳ともなれば人間でいえば80歳とのことで、足腰も弱くなり階段の上り下りにモタモタし始めました。
わが家は山のてっぺんにあり、おまけにモモタロウが居住するリビングも中二階で、ちょっとの散歩でも階段を使用しなければならず、これから先が思いやられました。 

そんな矢先突然モモタロウが倒れてあわてふためいたのですが、幸いなことになでしこシャパンの澤穂希さんと同じ病気とのことで、1ヶ月ほどで全快しました。
しかしこの病気を境に階段の上り下りは完全NO!で、まさか35kgを抱えて上下することもできず、リビングとバリアフリーでつながっている8畳ほどの外部のウッドデッキが、モモタロウの生活空間のすべてとなりました。 

あれから半年モモタロウは元気で、外での散歩が出来ない分食べることに関心が集中するのか、甘え、怒り、脅しと、あの手この手で食べ物を要求することに執念を燃やし、その都度親バカな私と、その10倍の超親バカの妻は、「親バカでいいもんね!」と言いながらついつい食べ物を上げてしまう日々なのです。
しかしそんなに遠くない時期にそのモモタロウとも別れなければならないと覚悟しており、それまでは3人家族の平和な生活を大切にしていこうと思っている今日この頃です。

私の若かりし頃、その当時名を馳せた俳人の中村汀女さんにインタビューしたのを思い出したのですが、インタビューの流れの中でたとえば冬や雨の日など俳句を創るのに向かない季節や天候があるのではないかと質問したのですが、そのとき汀女さんは若い私を諭すようにこんな句を読んでくれました。 

     雨降れば 雨に出て行く 草萌ゆる  汀女 

どんな季節でも、どんな天気でも、どんな心境でも、それらはすべてがそれぞれの魅力を持っており、俳句の楽しみは見過ごしてしまうそれらから感動を発見することであり、それはひいては生きることのすばらしさを発見することであるという話しでした。 
だから雨の日も心踊り、冬の寒さの中にも心温まるものがあるのです。

生きることを春を出発点とした春夏秋冬に例えれば、モモタロウは冬の季節を歩んでおり、それは春夏秋で味わえなかった冬の魅力をしみじみ感じている時なのです。
そういう私たちも人生の晩秋の時期にさしかかったわけで、晩秋でなければ出会えない感動を探し出すことこそ、生きるすばらしさを発見することではないでしょうか

 


トレース水彩画のデモンストレーション実演を開催します

2012-05-02 15:30:45 | 犬たち

上のワンチャンの絵は28分30秒で描きました。
短時間で絵を描くことは自慢でもなんでもなく、むしろ邪道ともいえますが、ある理由により短時間で描くことに挑戦し、この時間でかけたことににホッと一安心した次第です。 

私は(株)カルチャーの横須賀店・湘南モール店・辻堂店でトレース水彩画の月2回・合計6回の講座をおこなっています。
特に湘南モール店は大規模なショッピングモールの中にあり、講座日の土曜日は(株)カルチャー店の前は都心の駅前のように老若男女で混雑しています。
そんな中で湘南モール店の店長と雑談していたのですが、沢山の人がいろいろな店をのぞき買物を楽しんでいるのですが、(株)カルチャーに関しては、店頭にある講座の掲示などにはまったく関心を示さず、素通りしていくのはなんとももったいないという話になり、それでは講師が店の前でデモンストレーションすれば、(株)カルチャー店に興味と親近感が生まれ、ひいては生徒さんの勧誘にもなるのではないかと話は進展し、それではなにより実践あるのみ!と、その第一弾として私がデモンストレーションすることになったのです。
どうも私は悪乗りのおっちょこちょいグセがいまだにぬけていないのです。 

デモンストレーションの内容を具体的にご説明します。
場所は(株)カルチャー湘南モール店前の広場スペースの一角に机を設置し、そこでトレース水彩画の特徴をご説明しながら、絵を描くことになります。
具体的には 写真を選び→写真をトレースし→彩色し→絵の完成 ゼロから絵の完成までを余すところなくお見せすることとし、見学する方は前後左右から机を取り囲む形でデモンストレーションを楽しむこととしました。
日時は5月12日(土)と26日(土)と混雑必至な土曜日とし、時間は午後1時・2時・3時と1時間1セットとし、制作と質疑問答の時間も合わせて1回を45分、休憩を15分として3回おこなうこととしました。
だから上の絵のような密度の描き方は、ドンピシャな時間消費になったわけで、ついでに絵のモチーフもペットにすることにしました。

さあ、実際には思惑どおりにうまくいくのかどうか、あなたもぜひ見学していただければ幸いです。 

話変ってカルチャー事業の栄枯盛衰についてちょっとお話します。
1980年頃は日本にカルチャーブームが起こり、その時期から、NHKや朝日・読売新聞などのマスコミ各社、大手百貨店が一斉にカルチャー事業に乗り出し、事業主体となりました。
権威と信頼の象徴であるマスコミや百貨店も、少しずつ顧客のニーズから距離が生じはじめ、業績も長期低迷する中で、カルチャー事業専門の㈱カルチャーが、大型流通やショッピングセンターを足がかりに業績を伸ばし、現在はNHK文化センターに次ぐ第2位の位置におり、近い将来トップとなる見通しです。
その理由は、カルチャー事業に求められるものは「権威」から「共感」へと変化したことにあるようです。
一段高いところから生徒に教え諭す講義というより、みんなでいっしょになって考えそしてみんなで楽しむ教室が好まれるようになったからのようです。 

このデモンストレーションでの店長の考えた(であろう)戦略は、これまでのカルチャー事業は「待ち受ける」営業活動とするならば、顧客の中に入り「積極的に参加する」営業活動こそこれからのカルチャー事業のひとつの方向であると確信したからに他なりません。
数ヵ月後、湘南モールの店頭では土日ともなれば次から次といろいろな講座のデモンストレーシンが展開される。
たとえば 書道 占い クラフト キルトワーク ペン字 絵手紙 マジック 生け花 トールペイント・・・多くのお客さんがデモンストレーションを楽しむという風景になることを願う私なのです。