ノー天気画家の本音生活 

これが私の生き方などとヤセ我慢するよりも、今日の風に流されましょう!

あなたには何人のサーバントが仕えていますか?

2008-11-29 09:35:22 | 犬たち
環境問題・その中でも地球温暖化の元凶ともなっている炭酸ガス排出について考えてみたいと思います。

人間一人当たりの炭酸ガスの排出量は平均1時間20ℓ、重さに換算すると40gとのことで、1年間では24×365×0.4=3.5tとなり、一人1年間4tトラックに軽く一杯の重さの炭酸ガスを吐き出していることとなります。
しかし、4tトラック一杯の量といいましたが、それは文明から隔絶された無人島で仙人のように自給自足している人のことで、文明を謳歌している私たちははるかに多い炭酸ガスを排出しているのです。

炭酸ガス排出に関して、日本人は一人につき40人のサーバント(召使い)を持ち、アメリカ人は日本の倍の80人のサーバントを持っているといわれています。
文明を謳歌するということは、生活の中のありとあらゆるもの、たとえば電気や自動車・食品・生活物質などに形を変えた無数の炭酸ガス排出機能=サーバントによって成り立っていることになります。
だから日本人の炭酸ガス排出を計算すれば、一人につき40人のサーバントが支えているわけですから、一人当たり1年間に4tトラック40杯分の炭酸ガスを撒き散らしていることになるわけです。

突然話は60年前に戻ります。
私の生まれは昭和18年北陸の片田舎で生まれ、育ち盛りの頃は日本全体が終戦直後の赤貧の時代でした。
半農の我が家は少ないながらも田畑がありましたから、食べ物といえば時折行商から買う魚以外は自給自足の生活でした。
ゴミや糞尿は貴重な農作物の肥やしとして、衣服や生活物質の再利用・再々利用と、リサイクル型ライフスタイルが当たり前でした。
あの時代は物理的には非常に貧しい時代だったかもしれません。しかし決して暗い時代ではなく、辛い時代でもありませんでした。
むしろ逆に人間が人間らしいのんびりした時代だったような印象があります。それはサーバントなどいない時代だったからかも知れません。

それからの日本は全力疾走で豊かさを追求してきました。それは羨望と嫉妬・ストレスの時代になったかもしれません。それはサーバントの数を増やす時代になったことでもありました。
しかし地球温暖化が叫ばれ、これまでの方向に大きな修正が求められる今、とりもなおさずサーバントの数にストップがかけられ、減少の方向を示唆していることに他なりません。

私は加齢とともに遠い故郷と遠い過去が懐かしく、最近とみにサーバントの少ないシンプルな生活を夢見ているのです。




描きたい世界は写真を超えたところにある

2008-11-22 09:50:08 | 犬たち

わがHPのシリーズ「初心者のためのトレース水彩画教室」はトレース水彩画で描く絵の描き方のあれこれをくまなく網羅しているつもりです。しかしある重要な行程にはまったく触れていませんでした。
それは写真の行程です。
トレース水彩画では大きく①写真を撮る ②絵を描く の2つの行程からなっていますが、魅力的な絵を描くには ②の絵を描く行程も大切ですが、①の写真を撮る行程も非常に重要だと実感しています。
私の主観ですが ①写真を撮る ②絵を描く 2つの重要度は半々というより60% 40%というほど最終の完成度を大きく左右すると思っています。 それほど写真の行程が重要なのです。

また能力や経験により写真の取り組み方が違ってきます。
「初心者のためのトレース水彩画教室」では初心者の方が絵に取り組むには、より写真に近づけて描くことをお勧めしています。
もっと言えば写真を模写するつもりで描くことをお勧めしています。そのほうがずっと上達が早く、それだけ自信もつくからです。
トレース水彩画では、写真も平面・絵も平面であり、しかも原寸大の手本がすぐ横にあるから上達のためには圧倒的に有利なのです。

 しかし写真そっくりに描く描き方は中級者までです。
中級者まではひたすら写真を目標に、写真に近づく描き方をし、上級者にもなると写真は絵を描くための素材(手段)にしか過ぎず、写真の向こうの写真を超えたところで勝負しなければ上級者とはいえません。
たとえば上の絵は最近作ですが、ここをクリックして絵の素となった写真と絵とを比較してください。ずっと絵のほうが魅力的だと思いませんか?
そうなのです。料理人が素材(写真)を生かした料理を作るように、そしてよりよい素材(写真)があればより魅力的な料理ができるように、画家は写真を料理して写真を超えた世界を創ることだと思っています。
そのとき初めて「芸術」としての本質的なモノに触れるような気がしますが、これはとても大きな話なので別の機会にゆっくりお話ししたいと思います。

いい素材からよりいい料理ができるように、いい写真はいい絵のためのきわめて重要な武器となります。
当然のことですが、わがHPの絵はすべて私の撮った写真から描いたもので、かなりの量の写真のストックを持っていますが、魅力的な写真の絶対的不足に頭を痛めています。そのため私は365日・日の光のある限りいい写真のチャンスを狙っているつもりです。
その撮影方法や写真の狙い・選び方などは以降のプログでおいおい書いていきます。お楽しみにしてください。

 

 


トレース水彩画はプロが隠し続けた画法なのです

2008-11-16 07:20:08 | 犬たち

私が絵を描き始めたのが50歳のときですから今から15年前になります。
しかし経歴は美術大学卒となっているので、若い頃はたくさん絵を描いたのではとお思いでしょうが、私の専攻はデザイン科なので、カリキュラムとして描くことは描きましたが、単位をとって「ハイさようなら」と通り過ぎただけで、訓練したという意識はありません。
そのため絵を描き始めたときはほとんどゼロからの出発で、案の定描いてみればあまりにもヘタなので悪い夢を見たとばかりにすぐ止めようと思いました。
その理由はひとえにデッサン力不足にあり、ある程度のデッサン力を身に付けるには長い期間の特訓しかありませんが、そんな苦労など真っ平ごめんでした。
となればデッサンが特効薬的に上達する新しい描き方がないか、と思いついたのが写真をトレース(なぞる)することでした。
写真は実体を正確に写すわけですから、写真をトレースすることは完璧なデッサンを描くことになるわけで、試みにその方法で描いてみると、あ~ら不思議!マジックのように突然上手な絵が描けました。
このときがトレース水彩画の原型が誕生した時であり、絵のとりこになった時でもあります。

60歳の定年退職を機に画家になって1年あまりのある日、美術関係の出版社より出版化の話がありました。
絵の描き方を出版する話で、二つ返事で引き受けましたが、何回か打ち合わせを重ねるうちに双方に深い溝があることがわかりました。
私の描き方の最大のポイントは、当然のことながら写真をトレースして描くことなのですが、出版社側はその部分を避けてほしいとのことでした。
なぜ避けなければならないかを問い詰めるうち、出版社の方がこんなことを言いました。
「プロの方では写真をトレースして描くのはもはや常識!
○○先生も△△先生もそれで描いているだけでなく、漫画家も建築家もイラストレーターも同じ方法で描いているんですよ。ただそれをひたすら隠し通しているのです・・・」
つまり出版社は多くの画家やクリエイターのプロたちの利益を阻害すれば仕事に差し支えるため、プロの意向に沿う必要があったのです。
それではなぜプロたちが隠さなければならなかったのか、あなたにはすぐわかりますよね。
しかし私はプロたちのアンフェアなやり方に憤りを感じたことだけでなく、なにごとも隠さずオープンにする作戦を意識していました。
その作戦とは60歳から画家としての遅い出発では、これまでの画家と決定的に違うものがない限り決して世に浮かばれないということであり、写真をトレースして描くことこそが作戦の核と決めていたからです。だからこの一線を越えてまで妥協することができませんでした。

 双方が膠着状態の中、まったく別の出版社から出版化の話がありました。その出版社は美術関係に関心があるわけではなく、時代のトレンドを捉えるのが得意なようで、たまたまその時期は塗り絵ブームであったため私に話があったようです。
私は美術関係の出版社にお断りし、後から打診してきた出版社から出版することにしました。その本が「プロが隠す秘密の画法 トレース水彩画入門」です。
この本のタイトルに私の思いがあることが充分おわかりいただけたと思います。

その後5冊の本を出しました。累計で12万部以上発行しそれなりに売れたことになるとのことですが、私の実感として道半ばというより百里の道も一里ぐらいしか来ていないと思っています。
私の画家としての仕事は トレース水彩画の啓蒙と普及にありますが、残念ながらほとんど啓蒙も普及もされていないからです。
しかし私には自信があります。
写真という表現方法がこれほどまでに普及したのは、だれもが簡単に写真を写せるようにカメラの技術が開発されたことに他なりません。
そのように、これまで数多くの絵の描き方が登場しましたが、トレース水彩画ほど簡単にしかも本格的に絵が描ける画法が他にないという自信があるからです。
そしてトレース水彩画でその実感を持たれた方がすこしづつ増えてきたからです。

 


日本の政治は決して三流ではない

2008-11-09 15:12:16 | 犬たち
世界各国の国内総生産(GDP)は国の豊かさの指標となるものですが、その国別ランキングは・・・
第1位はアメリカ合衆国 全世界の稼ぎの25%のシェアを誇り、他を寄せ付けぬ強さです。
第2位はわが日本 全世界のシェアの8%です。
第3位はドイツ 第4位は中国 第5位はイギリス 第6位はフランス 第7位はイタリアとなり、上位7国で全世界(179カ国)の59%をシェアしていることになります。

私は昭和18年生まれで、物心がついたときは敗戦直後の食べるものにも事欠く極めて貧しい状態でした。その当時GDPランキングがあるとすれば、下位に低迷していたに違いありません。
それ以降日本は世界の列国をゴボウ抜きにしてきたことになりますが、敗戦で何もかも失った上に、元来資源のない小国の日本がなぜ世界の2位まで上れたのでしょうか。
その答はまさに上記の言葉、資源のない小国、敗戦でのゼロからの出発が重要なキーワードのようです。

その原因は大きく2つあるような気がします。

ひとつは日本人の人間力の高さにあったのではないでしょうか。
勤勉で向学心に富み、まじめで自己を律する倫理観があり、協調性や集団としての結束力、これらの個々人の能力が優れていたからに他なりません。

もうひとつは時代の変化に的確に対応してきたからではないでしょうか。
日本は小国で資源が乏しいため、海外のより安い素材を買い、それに高い付加価値を付けて高く売るという方法を最も得意なビジネスモデルとして経済力を拡大してきました。
アメリカが咳をすれば日本が風邪をひくと揶揄されるまで、強国アメリカにべったり追従したのも大正解だったのです。
そしてまた敗戦でのゼロからの出発は、これまでの日本の伝統や価値観を捨ててまでも新しい価値観での出発を可能にしました。
戦前の日本は農業国でした。しかし戦後は農業を切ってまでも都市型国家に転換しました。ヨーロッパ諸国が伝統や歴史を切ってまでも新しい体制に踏み切ることができなかったことが成長へのブレーキとなったことがそれを証明しています。
大胆な決断にはより大きなプラスとマイナスが生じます。戦後の農業はまさにマイナスとして冷遇されましたが、GDPの増大という視点から見れば正解でした。

変化に対応する仕事を「政治」の仕事といいます。
日本人は具体的でない業務を過小評価するきらいがあり、日本の政治は最低とか三流とかいわれてきました。
GDPの向上が成功したことが正しいか否かの議論はあるものの、私はこれまでの日本の政治は一流とはいわないまでも決して三流ではないと確信しています。




石油の次の新エネルギーの主力は「太陽電池」!

2008-11-05 05:08:57 | 犬たち
ガソリンが高騰したといいますが、ガソリンは本当に高いのでしょうか?
現在1ℓ140円ほどですが、コンビニで売られているミネラルウォーターも1ℓ140円前後で、だいたいガソリンと同じ値段です。
ミネラルウオーターはどれだけの手間をかけて作られているかはわかりませんが、ガソリンの素となる原油は深い地層から掘り出され、延々地球の反対側からタンカーで運ばれ、精製してガソリンとなり、それを販売するガソリンスタンドでは車の窓ガラスまで拭いてくれ、おまけに税金までかけての値段ですから、たいへんな手間をかけて作られたのです。
となればガソリンを高い高いというのもちょっと気が退けませんか。

18世紀にイギリスで始まった産業革命から化石燃料(石炭・石油・天然ガス)がエネルギーの主役となり、それ以降の近代化の飛躍的発展は化石燃料の膨大な消費により成り立ってきました。
しかしすでに地球上の全化石燃料の半分近くが消費され、深刻な環境汚染も生じてきました。そのため化石燃料にとって変わる新しいエネルギーを開発することなくして未来を語ることができなくなりました。
現状では多くの代替エネルギーが研究開発され、そのいくつかはすでに実用化されていますが、どれも化石燃料に及んでいません。
何が及んでいないかと言いますと、なんといってもどの代替エネルギーもコストが高いことにあります。
もし化石燃料と同額の価格の新エネルギー、それも地球環境をクリアーした新エネルギーが開発できれば、間違いなく圧倒的な経済力を握ることができるだけでなく、世界未来を拓く救世主となれるでしょう。
このため主要国の科学者や企業は、血眼になって新エネルギーの研究に取り組んでいるわけです。

私は数多くの代替エネルギーの中で「太陽電池」こそが新エネルギーの本命ではないかと思っています。
太陽電池の発電価格が従来の火力発電所と同じ価格になるときも、もうすぐのところまで来ているという情報があるからです。
それになんといっても太陽電池は日本が世界をリードしている分野だからです。

パナソニック(旧松下電器)は三洋電機を買収すべく交渉が進んでいます。
その最大の動機は三洋電機は太陽電池の技術開発では世界を一歩リードしており、太陽電池で立ち遅れたパナソニックはその技術を獲得し、世界のリーダー企業を目指す戦略のようです。
負けじとならずシャープは、この秋新工場を稼動し従来の10倍の生産体制に入るそうです。

世界同時不況で世界中が疲弊しているとき、日本が次世代のエネルギー開発を一歩リードできるかもしれない。