放射線について過剰反応していないでしょうか?
過剰反応は時として冷静さを欠き、事実を歪め、新たな不幸・たとえば風評被害の基となる恐れがあるため、今回のブログではあえて「よく知れば、放射線なんて怖くない!」をテーマとすることにしました。
放射線が人体に影響を与える数値は、1年間に100ミリデシベル以上からといわれており、もしその量を浴びた場合、0.5%の人に何らかの影響が出るとのことです。
この数字について後ほど詳しく検証してみたいと思います。
広島・長崎に原爆が落ち、甚大な被害があったことは皆様ご存知の通りです。
それは広島・長崎は福島原発の比ではない放射線に見舞われたことを意味しますが、その当時は放射線の危険性などの科学的知識はありませんから、その後月日も経たず原爆投下地の焼け野原にバラックが建ち、それと呼応するように家が集合しそれが街を形作っていき・・・あれから60年経った今、広島市・長崎市ともガンの発生率が特に高いとは言えず、広島市の人口は117万人・長崎市は44万人と見事な健康都市へと成長したのです。
友人のS君は広島市の原爆投下地から10キロほどの地で生まれ、2歳のとき原爆に遭遇したのですが、高校までその地で過ごしました。
いってみればS君は福島原発10キロ圏内の避難地域よりも放射線の高い過酷の中で、しかもまったくの無防備で青春時代を過ごしたわけで、特に幼児と児童の数年間は大量の放射線を浴びたことになりますが、60歳の後半になった今も元気過ぎるほど元気なのです。
前記した年間100ミリシーベルトが人体への影響基準としており、政府の発表はそれより低く20ミリシーベルト以下として発表していますが、ここで公式発表のからくりを考えてみたいと思います。
もし万が一健康な人だけでなく、老若男女、老人や子供、病人からすぐ訴えるクレーマーまでの一人でも公式発表数字以下で発病したら、重大なミスとして責任を問われるため、発表する数字は安全の上にも安全に、絶対責任が及ばない数字、言ってみればお役所仕事の出した数字なのです。
だからS君に言わせれば「冗談でしょ!」と言うほど数字が厳しいことは、皆さんもおわかりのことと思います。
放射線の問題の中で「安全安心」という言葉がしばしば使われています。
「安全」という意味は科学的に裏づけられた客観的な意味があります。
「安心」は気持の問題という主観的な意味となります。
しかし政府や科学者が「安全」といっても、多くの方、特に小さな子供を抱える母親は「安心」ではないと叫び、極端な例として政府や科学者は何かを隠している、ウソをついているとまで言う人もいるのです。
その人たちは自分は被害者だと思っているようですが、実は風評被害の加害者なのです。
福島第一原発は社会に2つの大きな傷跡を残しました。
ひとつは放射線漏れという直接的な傷で、もうひとつの傷は風評被害という傷です。
後者の傷は「安心」できないという心の傷で、人が人を信用できないというとても悲しい傷なのです。
私がこのブログで言いたいのは、放射能なんか怖くないということではありません。
放射線を頭から怖がらないで、放射能としっかり立ち向かうことこそ克服する唯一の道であり、具体的には「安全は安心である」ことを信じる勇気を持とう、と言いたかったのです。