ノー天気画家の本音生活 

これが私の生き方などとヤセ我慢するよりも、今日の風に流されましょう!

日本は世界に誇る観光大国になれる!

2014-12-12 10:44:30 | 犬たち

わが町・鎌倉は、目で見てもわかるほど、年々外国人観光客が増えています。

上の絵は鎌倉といっても観光地とは程遠い住宅地ですが、外国人観光客らしき人がカメラ片手にキョロキョロ観光しているようで、最近はお決まりの名所旧蹟を回ることだけでなく、この人のようにより深く生活文化を探すなど、多様化が進展しているようです。

近年の来日外国人数は2012年は860万人、2014年は1030万人、今年は1300万人の見込みで、急成長していることが、数字からもよくわかります。
その理由はなんといっても円安が影響しているようですが、それだけではなく、東京オリンピックを契機として、日本が観光に本腰を入れ始めてきたことにあるようです。

しかし世界規模からみると、1位のフランスの外人訪問者数8300万人(以下2013年)に遠く及ばず、同一地域で比較すれば、韓国は21位の1200万人、日本は34位の1030万人となります。
しかし韓国の人口は日本の半分以下なので、人口当たりから見れば、明らかに韓国が優っているようです。

その最大の理由は、韓国は観光を国家の主要産業として、官民一体になって取り組んでいるからであり、その意気込みの差といいますか、対応の差にあり、日本はこれまで国を挙げての取り組みで、劣っていたということがこのような結果になっているようです。
これまでの日本政府は、外国人に対してそれほど親切ではなかった象徴的な事例があります。
日本の道路標識、たとえば「国会前」という標識では、日本語の下に併用表示されて、ごく最近までローマ字で「kokkaimae」と表記されていました。
最近「Ter National Diet」と変更したのですが、これまで漫然と「kokkaimae」と表記してきたことに、来日外国人への消極性、もっと言えば排他性すら疑うこととなっていたのです。

しかし2020年に東京オリンピックが開催されることを契機に、観光産業を主要産業とすべく、2020年までに来日外国人2000万人との目標設定が表明されました。
目標設定の数値化は、国を挙げて展開しようという本気度の表れであり、ビザ手続きや免税の緩和などを実施し、外人観光客の増加はそれが引き金になったのではないでしょうか。

日本の観光産業は、外人観光客の急増といった、またとない成長期を迎えています。
ほとんどの産業が都市型産業なのに対し、観光産業は自然豊かな風土こそ魅力的な観光資源となるため、地域活性化の引き金ともなるのです。

観光産業は自動車産業に匹敵する巨大産業であり、その成長は大きく日本経済に貢献できるばかりでなく、雇用効果も大きいのです。
それとともに、外人観光客は日本の風土に接し、より深く知り、愛着を持つことになるわけですから、日本への「平和創生産業」としての側面をも持つことになるのです。

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地域活性化としての観光を具現化した事例として、星野リゾートの星野佳路さんの視点が面白いので、ご紹介します。

星野さんは再生困難と言われた老舗旅館やホテルを再生させることで有名ですが、そのひとつは青森県の「青森屋」の再生でした。
どのようにリニューアルするか思考している中、若いスタッフたちは標準語が話せるんですが、お客様のいないところではお互い津軽弁で話すのを聞きつけたのですが、この言葉の意味ががさっぱりわからない。
「これはいける!」と、その一点を再生の鍵としたのです。

旅行者は何を求めて地方に来ているか。その地方ならではの非日常感なのです。
ところが、新幹線は今やどの駅もほとんど同じ造り、ホームにいたら、駅名を見ないとわからない。
だからこそ旅館にはその地方の文化的エッセンスがなければ、わざわざここまで足を運ぶ理由がなくなってしまう。
スタッフと議論を推し進めるなか、やがてスタッフは地方独自の文化の価値に気付いていき、標準語を使わず津軽弁だけで接客サービスをするという独自の方針が生まれました。

そして「青森屋」は再生し、年間平均80%以上の稼働率を誇る名旅館に生まれ変わったのです。

観光産業は、知恵と工夫の産業かもしれません。