石原東京都知事の尖閣諸島の購入問題に刺激されてか、活動家の上陸や反日デモと問題がエスカレートし、それに刺激されてか韓国大統領の竹島訪問と日本への強硬姿勢が浮上してきました。
石原都知事の憂国の士のようなヒーロー気どりが寝た子を起こしてしまい、日本と隣国との信頼関係が崩れ、不信と憎悪という国益を大きく損なう結果となってしまいました。
それではこれからの日本は、どのように対応したらいいのでしょう?
まず領土問題は解決などありえないということです。
私たち日本人は尖閣諸島も竹島も日本固有の領土だと固く信じて、私たちこそ正義だと思っています。
しかし中国人は尖閣諸島は中国固有の領土だと確信し、韓国人は竹島を韓国固有の領土だと日本人以上に固く信じ、自分こそ正義だと思っているのです。。
それではどちらの正義が正しいのか、その判定をする機関は地球上に存在しないのです。
だからどちらかが妥協したりゆずりあったりすることはありえなく、よって解決などありえないのです。
しかしたったひとつ領土問題の解決の方法があります。それは“戦争”による問題解決という最低・最悪の選択なのです。
ここ100年の間に世界にはたくさんの戦争があり、今も地球上のどこかで戦争が起こっていますが、そのすべての戦争に共通する傾向があります。
ひとつは、戦争の責任者(大統領や国王など)の、戦争に突入する理由が加害者ではなく、被害者の立場であることが共通していることです。
「耐えがたきを耐え、あらゆる手を尽くしてきた結果、国民の生命と財産を守るための最後に残された手段」と叫び、戦争に突入することです。
そしてもうひとつは、戦争に至るまでの経緯がささいなことからはじまるということです。
小さなキズを逆なですることから問題が拡大し、冷静さが消えそれに取って代わって感情がむき出しになり、一発殴られれば二発にして返す、そんな憎悪の連鎖反応が戦争の道に突き進むのです。
戦争の反対用語は平和です。
それでは平和主義者はどのように対応するのでしょう。
それは憎悪の連鎖反応を断ち切ることなのです。
つまり、殴られても殴り返さない、やられてもやり返さない・・・。
そんな負け犬のような対応こそが、それ以上の憎悪の拡大を止め、冷静さを取り戻すきっかけとなるのです。
日本と隣国である中国や韓国との関係は、政治のみならず経済や文化においても昔とは比較にならないほど多面的で親密な関係の中にあります。
その多面的関係の中で、領有権問題などの解決できない問題や、触れたくない問題もたくさんあり、そのひとつが領有権問題です。
解決できない問題をダダッ子に例えれば、寝た子を起こさないことであり、起きてしまった子をなんとか寝かすことが最も賢明な方策だと思うのですが。
尖閣や竹島の問題は、平和主義者のように、やられてもやり返さない寛容の精神こそが解決の道ではないでしょうか。