絵の素となるいい写真が、なかなか撮れないのですが?
上達するに従い、絵の素となる写真の良し悪しは、絵の出来栄えに大きく左右するというより、決定づけることとなります。
それではいい写真を撮るには、カメラを持ってあちこち出かければ、いい風景との出会いがあり、何とかなるとお思いでしょうが、そんなに簡単ではありません。
特に私は名所とか景勝地などの誰もがテーマとする風景などよりも、ごく当たり前の風景の中から、キラリと光る情景を描きたいと思い、本当にあちこち歩き回って膨大な写真を撮りました。
しかしそんな写真から、ほとんど絵を描くことができませんでした。
なぜなら日常の何気ない風景の写真には、絵を描くことを決定づける何かが不足しているからのようで、描くことを躊躇してしまうのです。
その理由は、絵は感動を描くわけですから、その燃えるような動機づけが不足していることにあるようでした。
しかし、うまい方法を発見しました!
それは写真の合成です。
上の絵は、古い土塀のある道を和服の女性が歩いている絵で、日本的情感が表現できたのではないかと思っています。
しかしこの絵のベースとなった写真は、土塀と道だけの無人の写真でした。
その元の写真を絵にすると、ちょっと物足りないと言いますか、寂しすぎる絵になり、私は描くことをためらったに違いありません。
しかしそこに日傘をさした女性を挿入すると、俄然絵が生き生きとしてきます。
そのように写真の合成は、絵にドラマを作り、感動ある臨場感を醸し出すのです。
実を言えば、挿入する人物案として A案・日傘の女性だけでなく、B案・数人の観光客の一団、C案・通学途中の黄色い帽子の小学生 と3つの案を検討し、さんざん悩んだ末に日傘の女性(女好きなのか?)にしたのですが、挿入する人物を変えるだけでも全く違うドラマを創りだすのが何とも面白く、それほど写真の合成は絵に鮮烈な感動を呼び起こす魔法の方法なのです。
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それでは、写真の合成の仕方をお話します。
ベースとなる写真の上に、挿入する写真をハサミで切り抜き、貼り付ける方法はお勧めしません。
なぜなら貼り付けた部分は二重と厚くなり、トレースに支障をきたすからです。
私が行っているのは、アプリである「フォトショップ(ADOBE PHOTOSHOP ELEMENTS ⒒)」をダウンロードし活用することです。
その中の機能のひとつである写真の合成を使用すれば、簡単にしかも自由に写真の合成を行うことができます。
具体的な方法は、「フォトショップ 写真の合成」の言葉検索をしてご覧ください。
合成した写真から絵を描く場合、ベースとなる風景と挿入したものとの力関係(絵の主役はどちらかを決定する)をしっかり決めてから描くことがポイントとなります。
私の経験から言えば、挿入した絵をサブにすることが成功の確率が高いように思います。