ノー天気画家の本音生活 

これが私の生き方などとヤセ我慢するよりも、今日の風に流されましょう!

私はこうしてお酒を止めました

2016-01-28 15:43:59 | 犬たち

私は「アルコール依存症」、つまり「アル中」でした。

社会人となった22歳から72歳の現在までの50年間は、毎日、一日も欠かさず酒を飲み続けてきました。
この50年間、幸運なこに大病にはなりませんでしたが、それでもいくつかの病気になり、(今だから言えますが)そんな絶対禁酒の時でも、ベッドの下に隠していた酒を、深夜チビリチビリ飲んでいました。
だから大げさでも何でもなく、50年間一日も欠かさず酒を飲み続けてきたのです。

そんな私が禁酒を決意したきっかけは、定期的に診断する主治医の先生によると、血液検査のデータから「薬を飲むまでではないが、血糖値が上がっていますネ~」と指摘を受け、それに続く栄養士の菩薩のような美人先生から、「最も妥協しても、週1日は休肝日をとりなさい!」と鬼のような言葉を告げられたことにありました。
その瞬間、私は人生最大(ちょっと大げさですが)の決断をしました。

休肝日をつくるくらいなら、いっそのこと永遠に酒を断とう!と。

その決断の背景には、70歳を過ぎてからの健康や体力面での不安を実感するようになり、その原因のひとつにお酒が大きく影響していることを、薄々気づいていたからです。

                            ● 

話変わって、住宅改造用語に「リフォーム」と「リノベーション」という言葉があります。
「リフォーム」とは、老巧化した住宅をもとの状態にできるだけ近づける改築を言います。
「リノベーション」とは、これまでの住宅の機能や性能を向上させたり、新しい価値を設けたりする改築を言います。
医療行為は病気を治癒することですから「リフォーム」に当たりますが、私は禁酒を契機にいっそのこと「リフォーム」ではなく「人生のリノベーション」を意図したのです。
つまり身体も精神もより健康になり、充実した後半を送れることを意図したのです。


                             

現在、禁酒して半月を経ることが出来ました。

体質が大きく変わりつつあることを、はっきり自覚できるようになりました。
身体がフレッシュで身軽になり、精神的に爽快な気分を味わっています。
それもそのはず、体重が3キロ減り、これからもスリム化が期待できます。
就眠時間が変わり、睡眠が深くなることで、朝の目覚めが爽やかになりました。
五感が鋭くなり、食事や散歩が楽しくなりました。

禁酒して実感することは、アルコール依存がそれほど深く体を蝕んでいたわけで、酒は毒薬でもあったのですね。

                            ● 

それでは禁酒は、専門病院があるくらいですから、さぞや地獄の苦しみだったのではと思うでしょう。
崖から飛び降りるような決死の覚悟で臨みましたが、実際にやってみて驚くこととなりました。
ただ単に酒を飲まないだけですから、なんと「こんなカンタンな事だったのか!」と、面食らうほどあっけなく禁酒生活に入り、現在も続いています。
これを通してわかったことは、アルコール依存症の最大の理由は、お酒が好きというより、お酒を止めることへの恐怖からだったのです。


禁酒最大のポイントは、飲みたい酒をガマンするのではなく、目標を明確に持つことがコツのようで・・・

禁酒することは、これまでの生活をリノベーションし、新しい人生に生まれ変わることなのです!

と思うと、それは、希望の光に向かって力強く歩み出す歓びさえ感じているのです。

森田健二郎のトレース水彩画へ