ノー天気画家の本音生活 

これが私の生き方などとヤセ我慢するよりも、今日の風に流されましょう!

これまで培ってきた専門能力と総合能力を上手に使えば、人生これから!気分になれます

2015-06-17 13:08:30 | 犬たち

職業は大きく専門職(スペシャリスト)と総合職(ゼネラリスト)に分けることができます。

専門職は、専門領域に特化した才能を持つことが要求される職業です。
たとえば技術者や研究開発者、医者やIT系、私の職業である美術系も専門職となります。

一方の総合職は、広い領域の知識と対応力が必要となる職業です。
たとえば営業職やサービスや販売業、経営者や管理職、政治家がそれに当たります。

職業は明確に区分できるというものではなく、ほとんどの職業は比率こそ違え専門職と総合職の2つの性格を併せ持っており、たとえば専門職で就職しても、キャリアの積み重ねとともに管理職などの総合職に向かう場合が多いようです。

ここで重要なのは、職業は人を作るといわれるように、職業は能力の向上だけでなく性格や人生観まで変えてしまう力を持っていることです。

たとえば専門職を続ければ、こだわりや思い入れが強い性格となり、自己の領域に情熱を燃やす分、それ以外の分野に疎くなる傾向があります。
「この道一筋!」というように、仕事を生きがいとする方も多いようです。

一方の総合職に就いた場合、人当たりがうまくなり、小さなことにこだわらなく、大局的な視点を持つ能力が身に付きますが、この職業は人と人との協力なしには成立しない職業であるため、個人としての達成感が弱いことになります。

                  

私の職業歴は専門職と総合職を経験してきたのですが、第二の人生はその2つの能力を効果的に使い分けることにより、とても充実したものとなれたと思っています。

23~35歳までの12年間は、専門職の時代でした。
私は美術大学を卒業し広告代理店の電通に入社し、広告制作のデザイナーやアートディレクターに従事しました。
その当時は、かっこいいデザインを創ることが頭の中がいっぱいで、いわゆる専門バカだったかもしれません。

36~40歳までの5年間は、専門職から総合職の架け橋の時代でした。
会社を見渡してみれば、広告業の中心は営業などの総合職が中心で、専門職は傍流に過ぎないことを知り、局内の反対を押し切り、社内転職を決意しました。
新しい職業はプランニング・プロデューサーで、まさに専門職と総合職を併せ持つ職業であり、ここで私は自分の中にプランニング力の才能があることを知りました。

41~60歳の20年間は、総合職の時代でした。
私のプランニング作業での新会社設立のプランが採用され、私はその新会社の役員として、定年までの20年間を悪戦苦闘の中で過ごしました。
私の仕事は会社経営ですから、総合職そのものでした。

                   

そして停年退職後は、一転して専門職である水彩画家の道を歩むことにしました。
絵が上手だったわけでもなく、大学以来の長~い空白はあるものの、総合職で培った「知恵」だけが武器でした。 

従来の画家の道は、バカでかい絵を描き、展覧会に出品し、何回かの入選を経てその会派の会員となり、そこで派閥争いなどを潜り抜け、やっとプロの画家と認められる、そんな気の遠くなる道でした。
それを60歳過ぎから始めるとするには、あまりにも大きなハンデでした。
そのため、私は従来の画家の歩む道から徹底的に外れた、独自の道を切り開くことにしました。

まずこれまでにない新しい絵の描き方を開発することを基点にし、その開発を突破口としました。
その画法はより簡単に、より早く上達する画法で、絵画離れが加速している時代のニーズでもあると確信し、それが「トレース水彩画」の誕生でした。
展覧会は無視し、インターネットを駆使して啓蒙普及を図りましたが、それが功を奏しました。
そのひとつの目安として、開発から2年、最初の出版が実現したことから始まり現在まで9冊、延べ14万部の発行となりました。
絵を描くことは専門職の領域ですが、これら全体をプランニングし、プロデュースしたのは私に内在する総合職の能力であり、出版の執筆やウエブサイトの制作も総合職としての能力かもしれません。

絵を描き、それを発表していくすべてにおいて、専門職と総合職の2つが上手に統合されたからこそ、成果を得ることが出来たと思います。

                   

現在某企業のブランディング作業と、それに関連したキャラクター作りを行っています。

企業ブランディングの構築とは総合職の業務そのものであり、キャラクターの制作は専門職そのもので、その2つをひとりでおこなうわけですから、実に楽しいのです。

医学的見地では、加齢とともに体力は落ちていきますが、頭脳は止まる所を知らず成長するとのことです。
これまでの長い人生で培ってきた頭脳を上手に使えば、人生これから!気分になることが出来ます。