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人生20年説・人は一生に4回生まれ変わる
これは本のタイトルで、すでに故人となられた京都大学名誉教授で数学者の森敦先生の著作です。
平均寿命が80年を越えた今、ひとつだけの筋書きだけで生きるのは長すぎて飽きてしまうため、人生を20年一区切りとすれば、80年では4回の人生を生きることができ、それぞれのステージを区切って生きることにより、新鮮で充実した人生を得ることができるという説です。
もし人生を失敗しても、まだ次の人生が待っているということにもなるわけです。
私は40才前後に森先生と取材でお会いした折、先生は「人生20年説」をおっしゃったのですが、「そんなものかな~?」と思った記憶がありますが、それから20年以上経ちこれまでの半生を振り返ると、まるでその説をなぞるような道を歩んできた自分に驚かされました。
第1期(~22才) 学校時代
小・中・高校を経て、地元の美術大学を卒業したのですが、ろくに勉強もせずそれでいて劣等感が強く、世の中を否定的に見ていました。もっとも暗い時代を過ごしたかもしれません。
またこの期までは田舎暮らしで、2期以降は東京暮らしとなったこともそれ以降にとっても大きな転機となりました。
第2期(22~40才) クリエイターの時代
卒業と同時に㈱電通に入社し、広告制作のデザイナー・アートディレクター、その後広告企画のプランナーというすべて横文字の職業に付きました。
その当時は時代の先端を走っているという自負があったかもしれません。
第3期(41~60才) 会社経営の時代
電通の子会社㈱電通EYEの設立と同時に出向し、役員として会社経営に勤めることになりました。
第2期の専門職に対し、会社経営は総合職ですから、苦労もしましたが貴重な勉強もしたことになります。
第4期(60~67才現在) 画家の時代
定年退職を機に画家として出発し、現在(67才)に至っており、後13年間は画家を勤めるつもりです。
ご覧のように定規で計ったように20年毎に職業が変り、それも時系列的に何の関連もない職業に突然変異のごとく変遷してきました。
「仕事は人をつくる」と言いますが、職業の習得は技術やノウハウだけではなく、その仕事に合致した考え方や人格が形成され、それが人生の変遷のなかで積み上げられていくのを実感しました。
また20年説をより効果に推進する方法として、過去を振り向かず、むしろ過去を切り捨てる気持で新しい人生に立ち向かうことが大切だと思います。
そのように元来私の資質は“創る”ことが底流にあるようですが、第3期は全く逆の会社経営の職業を何とかこなしたことにより、自分で言うのもなんですが、人生の巾と深さ、そして生きることへの楽しさを身に付けたような気がします。
81才以降は第5期となりますが、その期はどんな人生の舞台に立つのか皆目検討もつきません。
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