ノー天気画家の本音生活 

これが私の生き方などとヤセ我慢するよりも、今日の風に流されましょう!

fujisawaサスティナブル・スマートタウン構想が、世界の住環境を変えるかもしれない

2012-09-30 01:29:50 | 犬たち

技術大国日本の代表格である家電業界は、空前の落ち込みにあえいでいます。
たとえば今期の経常利益では、パナソニック-8000億円、ソニー-4500億円、シャープ-3800億円と目を覆うばかりとなりました。
そんな日本を負け組とすれば、勝ち組はサムスンとアップルで、テレビとスマートフォン市場では完全に水を空けられてしまいました。
その原因は各社まちまちですが、グローバル対応の遅れと、過去の成功事例に頼り過ぎていて、世界のダイナミックな変化についていけなかったからなのです。 

そもそも「日本の豊かさ」の基盤をなすのは、「技術」で世界をリードすることにあります。
あえて下品な言葉で言えば、技術力を武器に世界からお金をかき集め、その膨大な利益を購買や税金と言う形で還元することで、日本の豊かさが成り立っているのです。
だからその稼ぎ頭の家電業界が赤字になるのは、日本にとって非常にマズイのです。 

しかし日本の家電企業はその屈辱をバネに、必ずや反転攻勢に打って出ると確信しているのですが、その中でパナソニックは以下の構想を次代の戦略の柱として打ち出しました。
私の藤沢の絵画教室のあるショッピングモールに隣接して、パナソニックの工場後の巨大な空き地があり、次代の構想がその空き地から始まります。
そのプロジェクの名は「fujisawaサスティナブル・スマートタウン(FSST)」で、サスティナブルとは持続可能性という意味で、環境と調和した最も進んだ未来型居住空間としての街づくりを、世界に提示しようとするものです。
それは住民の心地よい暮らしの実現と、CO2排出量70%削減などの圧倒的な環境貢献となるものです。 

原子力発電に限界が見え、地球温暖化や環境問題が叫ばれる中、持続可能なエネルギーとして、風力や太陽光が注目されていますが、技術的にもコスト面からも問題点が多いのですが、「FSST」はそれらの問題点を打破する突破口と考えています。
「FSST」の目玉はすべての住宅に太陽光発電と蓄電池を設置し、最も効率的な電力の使用を、家まるごと・街まるごとでコントロールすることにあり、電気は自給自足を前提とし、不足分は外部からまかなう方式で、ハイブリッドカーがエンジンとモーターを併用して走るのによく似ている方式となります。 

「なんだ、それはよく聞く話で、ちっとも新しくないじゃないか」と言われそうですが、これまでの太陽光発電や蓄電池の技術はまだまだ開発途上にある中で、パナソニックの技術は一歩先を行っており、他社の追従を許さない世界最高水準の家庭用ソーラーシステムが提供できることこそ、この企画のポイントなのです。

パナソニックの「FSST」の特色をまとめると、2つの特色を持っています。
ひとつは、これまでの家電メーカーは単体のモノを販売してきましたが、「FSST」では、家まるごと・街まるごとを総合的に提供するということです。
そしてもうひとつはで「FSST」は藤沢地区の不動産開発であるとともに、世界に発信し、世界の家や街を相手にビジネスを展開するということです。 

ハイブリットカーが自動車業界を変えたように、スマートフォンがモバイル産業を変えたように、「FSST」構想が、エネルギー産業だけでなく住産業を変えるかもしれません。

 


日本は大変だけど、中国はもっと大変なんです

2012-09-20 15:15:07 | 犬たち

尖閣列島問題に端を発した反日デモは、日本への威圧としてはほぼ中国側の思惑通りになり、同時に若者の不満のガス抜きと愛国心の造成にもなったのですが、中国政府の恐れていたことも表出し、あのデモは日本以上に中国指導部にダメージを与えたかもしれません。
そのダメージとは、今度の反日デモの中で毛沢東のポスターが日を追うごとに増えていったことです。
また重慶市の市長で元共産党委員会書記・薄熙来氏は、共産主義の復興を叫び絶大な人気を得たがゆえに失脚したのですが、その彼に共鳴する声がデモの中から日に日に沸きあがってきたことです。
この共産主義志向は現体制への強烈な批判そのものであり、デモが拡大し制御不能となれば、その矛先は反日から反中国指導部とへ変わる恐れが出てきたのです。
突然のデモの禁止は、そんな理由によるものだったのです。 ・・・だから当分は(少なくとも5年は)反日デモはないと思います。

13億人の人口を抱える中国は、経済の発展で世界の主要国となったのですが、主要国としての必須条件は民主的国家体制であるべきなのに、いまだに国の体制は共産党の一党支配で、民主国家とは程遠い体制を維持しているのはご存知の通りです。
そんな多くの問題を抱える中国なのですが、なぜこれまで若者たちはその不満を顕在化しなかったのでしょう?
それは経済成長が続くことにより、年毎に社会も豊かになり所得も急成長し続けたからです。 

そんな中で貧富の差や地域格差が拡大し、特に共産党幹部に権力と金銭が集中し、腐敗の横行は目に余るものとなってきました。
その上ECの経済危機に端を発し、経済の右肩下がりが顕著となり、かつてないほどの深刻な不況の直撃を受ける恐れが出てきました。
それは若者にとってこれまでにない深刻な雇用不安が生じることになり、閉ざされた政治体制への不満と民主化への憧れとが相まって、暴動に発展する恐れが出てきました。
不況が深刻化することにより、若者の行き場のない不満が爆発する恐れが高まりました。 

それらの課題を解決するには何といっても民主化の実現に尽きるのですが、これには2つのシナリオが考えられます。 

ひとつは中国指導部の民主化への大胆な方向転換にあります。
民主化の必須条件は、意見の違う複数の政党の誕生と、国民総参加の選挙の実施であり、それを実現しない限り最低限の民主化とはいえないのです。 

もうひとつのシナリオは、天安門事件のような若者を中心としたクーデターにより、現体制が崩壊し新しい民主的体制が誕生することです。 

貿易立国・日本は輸出輸入とも一番の相手国は中国です。
日本の東証一部上場の6割以上の企業は中国に進出しており、中国人を雇用し、中国に根付いた企業活動をしています。
国民感情として日中相互がお互いを嫌いな国と評しながらも、実は深くそして広く経済活動を進展させてきたのです。 

尖閣問題で日本人は中国に怒っています。

このブログの主旨とするところは、日本も大変なんだけど、中国はもっと大変なんだ!と知ることで、少しはその怒りを静めて欲しいことです。

それでもあなたは中国への怒りや不信感が収まらないかもしれませんが、そんな中でもでもこれまで以上に日中の経済活動の結びつきが深まっていく・・・それほど日本企業は強かなのです。

 


人は「夢と希望」があって初めて、最大限の能力を発揮する

2012-09-12 14:55:26 | 犬たち

世界のホームラン王の王貞治氏(福岡ソフトバンク球団会長)がTVインタビューで、強いチームづくりにはコーチの役割が極めて大きいという話に感動しました。 

コーチの仕事は何といっても野球技術を選手に教えることですが、それ以上に重要な仕事があり、それは選手に夢と希望を与える言葉を発することだという話でした。
高校野球などのアマチュア野球界で華々しく活躍した球児たちは、大きな夢と熱い期待の元にプロ野球の世界に入るのですが、プロの世界はそんなに甘くはなく、入団時の熱い夢はことごとく打ち砕かれ、挫折と屈辱・自己嫌悪のアリ地獄に落ちてしまうのが選手の共通した反応だそうですが、そのときこそコーチの言葉の出番となります。 

“君の投球はピッチングマシーンのように打たれたけれど、カーブだけばどの選手も苦労していたのを知ってるかい。
 あのカーブをもっと磨けば、球団を背負うビッチャーになれるかもしれないよ。” 

“エラーばかりしていたけど、あんなものは数を重ねれば誰でもうまくなるよ。
 それより君の足の速さはピカイチで、我がチームの目指すスピードペースボールを象徴する逸材として期待できるな。” 

つまりコーチの最大の仕事は、選手が失った夢や期待にとって代わり、新たな夢や希望を提示することであり、具体的な目標や計画に置き換えてあげる仕事なのです。 

人に「夢と希望」があってこそ初めて情熱と努力が生まれ、能力が開花することをしみじみと知ることとなりました。 

世界の王さんと教育の話のあとに私の話をするのは恐縮なのですが、私も7年前から絵画教室を開いており、いろいろな生徒さんと絵を楽しんできました。
その中で80歳半ば過ぎの男性の生徒さんの絵が、突然絵が上達した話をします。 

その彼は戦後の焼け野原から事業を興し、数十店の店舗までに拡大した立志伝中の人物ですが、加齢により経営も息子に譲るとともに事業から身を引き、悠々自適な日々を送っているのですが、足腰も弱くなったことから自宅で出来る趣味として「絵でも描こう!」ということで、私の教室に通うことになったのです。
しかし絵は始めてということもあり、はっきりいってお世辞にも上手とはいえませんでした。

そんな彼から「どうしたら絵がうまくなれるのか?」と質問があり、私はは半分冗談で

“絵を真面目に考え過ぎているのです。もっと社長になった気持で自由奔放に描いたら” 

と助言をしたのですが、彼は真剣な顔をして大きくうなずいたのが印象的でした。 

次の講座で「あの当時の社長の気持で描いたら、絵が面白くて・止まらなくて・・・」とヘンな言い訳をしながら何枚もの作品を机にドサッと並べましたが、その作品はこれまでとガラリと変わっていました。
まず描きたくない部分を大胆に手抜きしていました。
その分写真にないもの、描きたいものを勝手に挿入していました。
その不思議な絵は自由であり奔放であり、心が解き放たれたように、なんといっても強い自己主張を感じました。
それは絵の本質を突いており、これまでの絵と比較にならないほど魅力的な絵となっていたのです。
その後90歳間近に小さな個展を開くまでになりました。 

最近のCMで ♪夢がある・希望がある・そして持病がある~♪と言う歌がありますが、持病はさておき、人が豊に生きるためには夢と希望は必須なんですね。

 


本当は私は「画家」というより、「絵画技法研究家」なのです

2012-09-02 14:43:47 | 犬たち

HP動画で納得トレース水彩画最新作がアップしました。ぜひご覧ください。

このシリーズは、トレース水彩画の描き方を動画化したものですが、予想以上の好評のようなので、今回はこの動画を作った背景の話をすることにします。 

上の絵は最新作の「ゴンドラのある風景」を描いたものですが、それは正確な表現とは言えず、「ゴンドラのある風景の写真」を描いた、つまり写真を模写したものと言うのが正しいのです。
トレース水彩画の技法の本質はまさにそこにあり、初心者の方もレベルアップした絵を描くポイントでもあるのです。

これまでの正統的な絵の描き方は立体的な風景を、画用紙という平面に置き換えていくことになるわけですが、3Dの立体を2Dの平面にするのはとても難しく、特にデッサンの壁が立ちはだかることにより、その段階で絵を描くのを断念してしまう人が多いのです。
しかしトレース水彩画では、3Dの世界を写真に写すことで2D置き換え、その2Dの写真を同寸の2Dの画用紙にそのままトレースするわけですから、いともカンタンにデッサンの壁を越えることが出来るのです。
それだけでなくその写真を横に置きながら形も色も写真そのままに模写していくのですが、それはそれほど難しくなく「写真のような正確な絵」を描くことが出来るのです。 

現在の画家で「写真のように正確な絵」を描く実力を持っている人が、本当に少なくなりました。
皆さんご存知の展覧会をのぞいても、同じデフォルメした絵でも、正確に描く能力を持ちながら意図してデフォルメする絵と、正確に描けないからデフォルメせざるをえない絵が渾然一体となっているのですが、それを観れば一目瞭然その2つには天地の開きがあるのです。
つまり「写真のように正確な絵」が描けるか否かが、絵の魅力を引き出せるか否かの登竜門なのです。 

自信を持っていえますが、トレース水彩画は本格的な水彩画では日本一「写真のように正確な絵」を描くことができる画法です。
だから初心者の方も絵の苦手な方も要領さえ掴めば、そんなに苦労せず「写真のように正確な絵」を描くことができるのです。
しかし「写真のような正確な絵」を描くことができるようになれば、それで終了ではありません。
トレース水彩画ではそれは中級者の卒業で、それから先の上級者の道は写真を模写するという意識から離れ、無限の可能性の世界に飛び立つことになるのです。 

私の職業は「画家」となっていますが、本当の職業は「絵画技法研究家」だと自分で思っています。
もし「絵画技法研究家」と名乗れば、新手の何か?と世間から怪しまれるだけなので、とりあえず自らあみ出した絵画開発のテストマンとしての役割もあることから、「画家」と言うことにしたのです。
その目的は、水彩画を普及するには絵画の技術の向上もさることながら、よりやさしい描き方の開発こそ大きなインパクトを持つと思ったからです。
それにより学校以来ず~と絵筆を握ったことのない絵画初心者の方や、絵を描くのが大の苦手と思っている人も、「意外と絵はカンタンかもしれない!」と思ってトライして欲しいために、HP「動画で納得・トレース水彩画」シリーズを思いついたのです。 

絵を描く上で何が楽しいかといえば、何といっても上手な絵が描けることであり、描けば描くほど上達することです。