私の現役時代は広告代理店で働いていましたが、第二の人生は画家を仕事としました。
この転職は2つの職業の共通点を見出すことすらできないほどの全く違う職業、いってみれば「魚屋」が「バレリーナ」に転職したようなものでした。
どうして画家の道を選んだのか。
それは絵に自信があったから(全然なかった!)というより、どうせなら「毎日が日曜日!」と卑屈に笑うより「画家をやってます!」というのがカッコいいと思ったのが本音です。
だからかもしれませんが画家として成功しようなどといった悲壮な決意などなく、軽~いノリで出発したのですが、せめてこれだけは守ろうと「画家の条件」を決めました。
私の決めた「画家の条件」 喜びと意欲を持って春夏秋冬絵を描き続けること
画家なって5年たった今、大真面目に「画家の条件」を守ってきました、というより、ますます絵を描くことが楽しくなっていました。
大学を卒業してからの第一の仕事の目的は、なんといっても「収入を得る」ことでしたが、第二の人生の仕事の目的は「絵を描き続けること」それはとりもなおさず「生きることを楽しむこと」でした。
絵を描き続けるうちに、絵の依頼や、作品の購入、何冊かの絵に関する出版の著作・・・その他もろもろの仕事が発生し、それなりの収入になりました。しかし私はこれらは予想外の「おまけ」として区分けしているつもりです。
「おまけ」はありがたいのですが、それは副産物だと思っています。
飽きっぽい性格の私が、どうして毎日描き続けられるのでしょうか?
それは楽しいからです。絵は入口は狭いのですが、描けば描くほど深くて大きい世界が広がり、自分が取り組むべき課題が山のようにあることを発見するからです。
別の言い方をすれば、絵を描くことは自己発見そのものです。絵を通して自分自身が進化し、心が開拓される喜びが実感できるのです。
1日楽しむには、温泉に行くこと
1週間間楽しむには、海外旅行に行くこと
5年、10年、20年楽しむには、絵を描き続けること
絵を描き続ける楽しさに比べ、「おまけ」の楽しみなど一時のこと、小さい小さい。
上のワカサギの絵はすべて100円ショップ「ダイソー」でそろえた画材で描きました。
100円の画用紙に100円の絵の具、100円の筆で描いた絵ですが、その絵が意外といいのです。もしかしたら普段の高い画材で描いた絵よりいい絵が描けたかもしれません。
弘法筆を選ばず とは言いますが、絵では何がおこるか分からない。だからとてもスリリングで面白いのです。
詳細は「100円ショップでそろえた画材でここまで描ける」参照