ちびずマムのマイペースな育児・料理・翻訳日記

2007年生まれの1号くんと2010年生まれの2号くんに振り回されつつ、自分の夢もなんとか追っていきたい、ちびたちのマム

伊岡瞬ほか『悪夢の行方』

2021年07月06日 | 読んだ本(日本語)
伊岡瞬ほか著『悪夢の行方』

アンソロジー。『叫びと祈り』の梓崎優さんの作品が入っていたから。
『嘘つき鼠』
ユーゴスラビアでの紛争を舞台にしている。まさか主人公が殺されて終わりとは。

一番好きだったのは黒崎視音さんの『逢魔ヶ時』
ほとんど家に帰ってこない、大好きな刑事のお父さんを助けたい、と思った女の子。
拾った不思議な黒猫が、彼女を大人の女性にしてくれる。お父さんがかかりきりになっている
三億円事件の犯人を突き止めたけど……結局逃げられて逮捕できず。
不思議なことに、猫のおかげで大人になったときの姿は、女の子が実際に大人になったときの姿よりも
彼女の娘の方がそっくりという。
その娘が、黒猫を拾ってきた――。
という終わり。

結構主要登場人物が悪いやつで、みたいな終わりが多く(というか2作品)、
感情移入してたら、やられた。

石田衣良『スローグッドバイ』

2021年07月06日 | 読んだ本(日本語)
石田衣良著『スローグッドバイ』

『1ポンドの悲しみ』がとてもよかったので、こちらも読んでみました。
こちらはテーマが20代の恋愛っぽい。

だいぶ前に置いてきちゃった20代だけど(笑)、そういえばこんな恋愛
してたかも、というのもあった。登場人物が若いからか(?)、すぐに
肉体関係の話になる(笑)。うん、若いね。

『ローマンホリデイ』が一番好き。
ネットの掲示板で見た、わたしと『ローマの休日』をしませんか?という文章に引かれ、
その女性とメールのやりとりを始めた主人公(彼もこの映画が好きだった)。
渋る彼女と会う約束を取り付けたら、彼女は実は……というお話だけど、
すごくあったかくてステキ。彼女の代わりにやってきた孫からのラストのメールが秀逸。
わたしと『プリティウーマン』をしませんか?

ステキ。

タイトルにもなっている最後の『スローグッドバイ』は、カップルが別れるときに
お別れデートをするという不思議な習慣(?)のある学校に行っていた二人が、
お別れデートをする話。別れたのに、彼女には婚約者がおるのに、なんでデートするねん?って
最初はよくわからなかったけど、読んでいるうちに、この二人にはこれが自然なのかな~と。

なんとなく石田衣良さんの実話なのかな??と思ってしまった。
元カノが、フリーライターの彼に対し、いつかわたしのことを書いてね、みたいにいろいろ言ってきて、
彼女を送り届けた後、彼の心の中にたくさんの恋のお話があふれていたから。